※この記事は、9月10日 鉢呂大臣辞任が及ぼす影響・懸念と、菅元首相のベトナム原発輸出・・・。に関連しています。

今日もたねまきジャーナルを聞くことができました。
フランスの事故のニュースがタイムリーに入ってきていたので、そのことに触れられましたが、マルクールがそういう地区だということを知れただけでも良かったと思います。

では、どうぞ。

20110912 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下時間のない方のために、内容を起こしています。ご参考まで】


小出さん、たった今入ってきたニュースです。
これ、ご存じかどうか。
フランスの南部にありますマルクールというところにある原子力関連施設で爆発事故が起きました。これ、フランスのテレビによると一人の方が死亡したという話。また重傷の方も一人いらっしゃるという話が伝わってきた。
これを聞いてまず何か感じられること、伺っていいか?
(小出氏)はい、でも今初めてそのニュースを聞いた。一体どうしたことかと、たいへん不安です。

これについて、放射能漏れがあるのか、ないのかということなんですが、地元の消防などは、放射能漏れの危険があるというふうに通信社で言ってきているところもあるんです。ところが、もう一つの情報では、フランス警察は、核関連施設の爆発による放射能の汚染はないと言っている。つまり、放射能漏れがあるかないかというのは、今の段階で非常に大切なことかと思うが、判っている、今お伝えできるのはたったこれだけの情報しかない。
これで何か伺うのは非常に失礼と思いながら、何か小出先生に伺えることはあるか?
(小出氏)ごめんなさい。わかりません。

わからない。
(小出氏)はい。私も知りたいです。

これは放射能漏れがあるかないかというのは、すぐ調べられるものなんですか?一般的に。
(小出氏)判ります。すぐに調べられます。マルクールというのはフランスの中の原子力のメッカでもあるので、放射線測定器は山ほどあるはずで、情報はすでに揃っていると思う。

つまりマルクールというところは、原子力関連施設がたくさんフランスの中で設置されている場所だということですね?
(小出氏)そうです。研究施設だが。

ということは、そこには計測器もしっかりとあるので、測ることは容易なことであるはずなんですね?
(小出氏)常時測っているのでデータはあると思う。

なるほど。
ということは、データが出てきていない、出されていない、あるいはデータを測るものが壊れているという可能性は?
(小出氏)それは無いと思う。例えば、一つの測定器が壊れるなんていうことは日常的にあるが、マルクールには山ほど測定器があるはずだから、そのすべてが一斉に壊れることはないので、放射能が漏れたかどうかということに関しては、データがあると思う。

すでにあるはずなんですね。
(小出氏)本当にないのか、あるいは隠しているのかどちらか。

また何か情報が入ったらお伝えしていこうと思う。
そして、ニュースのもう一つ。
枝野前官房長官が経済産業大臣、つまり原子力行政をこれからやっていく方になられたわけですが、これについてどんな感想をお持ちか?
(小出氏)難しいですね。私はもう何度も言って、皆さんからも怒られているんですが、政治には絶望していて、あまりコメントをする気はないのです。ただ、先ほど平野さんもおっしゃっていたけども、枝野さんは今回の福島事故に際して、事故を過小評価した張本人の一人でもある。

過小評価ですね。
(小出氏)ですから、その責任をもう少し明らかにしてからやってほしいなという思いは、私も確かにある。
ただし、自民党のほうから何か枝野さん、民主党政権が福島事故をちゃんと対応できなかったのに、その張本人がやるというのをどうのこうのというコメントがあったということを聞きまして、私はつい笑ってしまった。
自民党こそが日本の原子力をここまでやってきた張本人で、悪の巣窟だと私は思っているし、もし福島事故が起きた時の政権が自民党であれば、もっともっと悪い対応をしたのではないかなどと私は思いながら、自民党の対応を聞いた。
そして、枝野さんは少なくとも菅さんの官房長官だった。その菅さんは、福島事故が起きる前はベトナムに原発を売りつけようとしていた。ただし福島原発事故が起きてしまった後は、菅さんは少しは反省したんだろうと私は思います。そして脱原発に舵を切ろうとしていたように見えますし、ベトナムへの再度の原発輸出に関しては、菅さんは消極的で、とうとうその????というのかそういう声明に署名もしないし、文章の起案もしなかった。それを仕方がないので、経産相の海江田さんが受け持ってやったというふうに、何か新聞で読んだ記憶がありますが、枝野さんは少なくとも菅さんの官房長官だったわけだから、彼に経産大臣になったとしても、菅さんの思いを引き継いでくれたほうがいいなと私は願う。

でも、野田政権はもうストレステストでまた再稼働を年内にさせる方向で始めているようですね。
(小出氏)そうですね。

その中には、もう40年の寿命と言われている時間を経ている原子炉も含まれているようですね。すでに菅さんが打ち出した政策が、どこまでの本物かしりませんが、脱原発依存というのを掲げていたが、そのあたりは、ちょっと変わってきているのかなと私は感じますが?
(小出氏)私にもそう思えます。

そうですか。
そうした中で、震災発生、そしてこの原発事故発生から半年を期に、小出さんの本が出版された。
我々たねまきジャーナルでこの原発事故直後から、毎日のように小出先生に伺ってきたお話から生まれた本。
小出さん、すでにもうこの本出たばかりなのに、もう読んだというリスナーの方が複数いらっしゃいまして、お便りをくださいました。
『事故直後からの小出先生のコメントを改めて読んで、コトの重大さを認識しています。』
とくださっている。
この「コトの重大さ」をなんだか忘れているかのような、この半年の空気じゃないかと私は思うんですが、どうですか?この「コトの重大さ」というものを皆さんがどれくらいに感じてらっしゃると、小出さんはどのように感じているか?
(小出氏)よくわからない。でも、本を出してくださってどうもありがとうございました。
また、この番組、水野さんや近藤さんが私の話を聞いてくださるように場所を作ってくださったわけだし、大変的確な発言で、私の考え方を引き出してくださって来たわけで…

私たちはわからないものを何でも聞いただけなんですけどね。
(小出氏)ありがたく思いますし、それが何がしかの皆さんの役に立ったのであれば、大変ありがたいと思う。
そして、今現在も半年経ってしまったが、本当に原発の事故というのは、やっかい…というか、今現在がどういう状況になっているのかすらきちっと知ることができないという…

小出先生もわからないことたくさんおありなんですね。
(小出氏)そうです。現場に行けないわけですし、見えないわけだから。本当にやっかいだなと思う。

本の中にも書いてらっしゃる言葉、
『政府や東電がこの事故を過小評価したいと考えているわけです。そのために人々は汚染に気づかないまま、人々は汚染に気が付かないまま、現在に至っているのです。』
こういうふうに記されております。あるいは、リスナーは本を読まれたそうだが、
「事故が起きるまでは、何も原発や放射能に対して全く無知でしたけど、たねまきジャーナルをとおして、いろんなことを知って問題意識を持つに至りました。小出先生のおかげでありがとうございます。この本では小出先生の苦悩や息継ぎが感じられる内容でした。」
というふうにおっしゃっている。
まさに小出先生の苦悩、というものを私も感じたが、これ、皆さんの苦悩でもあるかと思う。本のタイトルが『知りたくないけれど知っておかねばならない原発の真実』です。
つまり、知りたくないという気持ちを多くの皆さんがお持ちなのではないだろうかと思う。
ただ、この知りたくないという気持ちと、だけど、知らないままではどうなるのか、そのあたりを小出先生はどんなふうに考えているか?
(小出氏)私もこんな事故を望まなかった。
こんな事故が起こらないようになんとかしたいと思って、私の何十年かの人生をそれに掛けてきたわけだが、ついに起きてしまったわけです。
何と言っていいかわからないほどの無念…ですけども、起きてしまったということはやはり事実…なんですね。私はそれを夢と思いたいと今でも思うが、事実…なんです。
もし、そうであれば、どんなに苦しいことであっても、知らないよりは知ったほうがいいと思うので、ちゃんと事実を知ってそれに向き合うべきだと、思う。

平野さんは、福島に行ってその事実と向き合ってこられた。
(平野氏)先生、私先週ですね、野田総理大臣が除染の現場を視察した翌日に、伊達市の霊山町を通ったが、本当になんか広大な地域で、政府の首脳が一つのポイントでいかにも除染が可能なように演出しているというのが、なんかおかしく見えて。その住民の人たちはできるだけ外に出ないように気を付けているんですけど、先生がおっしゃったこの除染の難しさというのを、固化材を撒いて表土を剥ぎ取るといっても、そんな広い田畑、できるわけもないし、この除染の困難さというものを改めて現地を歩いて感じた。
(小出氏)ありがとうございます。そのとおりです。

だけど、野田さんの対応を見ていると、
「除染が進んで割合早いうちに皆さんがお帰りになれるんだろうか」
という希望的な気分になるんですよ。
これを現地に行かれてどうでした?
(平野氏)広い150㎞くらい車で通ったが、閑散としていて、特に飯舘村なんかは、水田も作付けしてないし、水田に雑草が伸び放題で、もう動いているものといったら、そこら辺の小動物だけで、放射能汚染の広がりの怖さというか、平穏な日常生活の場を一瞬にして奪った場面が、そのまま残っている。
これに対する怒りみたいなものが沸々とまた湧き上がってきた。

小出先生、この除染については、今の政府のやっていること、或いは言っていることについて、どうお感じか?
(小出氏)私は除染は基本的にはできないと思っている。
ただし、やるべき場所はある。
前から聞いていただいているように、学校の校庭、小学校の園庭だとか、そういう場所は必ずやらなければいけない。
ただし、除染はそこしかできない。

全部は無理?
(小出氏)もう今平野さんおっしゃってくださったとおり、田畑を除染するなどということはもともとできないし、原野、山林なんていうところの除染もできないし、基本的には除染という行為そのものが、もう無理だと思わなければいけない。
その中でも人がもし住んでいるのであれば、子供は守らなければいけないので、子供が集中して生活するところは、何としても除染をするという、それだけ。
ただし、除染というのは放射能を消すことではない。

はい。消えはしない。
(小出氏)ただその場所を剥ぎ取るだけであって、その放射能はまたどこかの場所に押し付けるということが残ってくる。

どこかの人が引き受けなければいけないわけですよね。
(小出氏)はい。いずれにしても大変なこと。

この除染が本当は全体には無理なんだということこそ、知りたくないんだけど知っておかねばならない真実のひとつなんでしょうね。
(小出氏)そうです。私も言いたくもないし、皆さん知りたくもないでしょうけど、でもできないということを早く認識して、次の生活設計を始めるということが、必要だと思う。

そうですね。そこの私たちは立たされて、今半年を迎えております。
小出先生どうもありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。

【以上】
フランス南部の核施設で爆発 1人死亡、4人負傷
 フランス南部ガール県のマルクール原子力関連施設で12日午前11時45分ごろ、爆発事故があった。仏メディアによると、少なくも1人が死亡、4人負傷した。フランス原子力当局によると、事故が起きたのは放射性廃棄物の貯蔵施設で、放射能漏れはないという。

 現場は、南部の都市アビニョンから30キロ南方の農業地帯。この施設には原子炉はないという。仏地元紙によると、警察は原子力関連施設の一帯の立ち入りを禁止しているが、放射性物質が放出されていない可能性が高いため、住宅からの外出は規制していないという。

 AFP通信によると、施設の一部は、仏原子力大手アレバが核兵器から抽出したプルトニウムを使い、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の製造に使用している。(パリ=稲田信司)
http://www.asahi.com/international/update/0912/TKY201109120382.html

・・・失礼します。