※この記事は、9月11日 【動画・文字起こしUP】武田先生の講演会@江戸川区 「こどもたちのみらいのために」【その①】の続きです。

【放射性物質とDNA損傷の影響】の続き
<30:10頃‐>
(武田氏)
そういうことで、私なんかの場合はほとんど遺伝子が傷ついても気が付かないんです。
これ、全く怖がらずに聞いてくださいね。これ煽るとかじゃないですから。
チェルノブイリの時に、甲状腺がんが出たのは0.5歳から7歳だったんです。10歳くらいの女の子は何も起こらなかったんです。それで、
「10歳くらいになると、さすが防御能力が上がって何も起こらないな」
と思ってたんです。

そしたら、その子が25くらいになって、ちょうど2000年くらいになって、子供を産んだ時に、『産めない』ということが分かったわけですね。死産が続くわけです。羊膜が厚くなって。これがチェルノブイリの時の遺伝子の傷だということが後になってわかります。
それは何を言っているかというと、その女の子が10歳で被曝した時に、結婚もせずに子供も産まなければ一生健康なんですよ、実に。傷ついたところを使ったときだけに出るんですね。
これが遺伝子の損傷のひとつの特徴なわけです。
だから出にくかったり、いつ出るかわからないというところで、気をつけなきゃなんないということなんです。
そうしますと、2歳の男の子は、身長伸びなきゃなんないから、身長伸ばすときには、遺伝子に聞きにいって、「足の寸法と胴の寸法どのくらいの比率で伸ばす」とか聞かなきゃなんないです。女の子だったら、性器ができてきますから。そういったものを作るときに、聞きにいきますよね。
ところが、だから聞きにいくから、聞きにいく度に傷ついたところがもしあったら、そこで出ちゃうわけです。
我々はもう聞きに行くことが少ないので出ないんです。
だから、一般的に成長期とかそういうのが、厳しいわけです。
ただ、胎児はお腹の中の子供は、一番聞きにいくと激しいんですが、お母さんの防御系が効くので、それで胎児のほうが安全とも言われています。

【被ばくの歴史】
ただあんまり断定的に言えないのは、いずれにしても放射線の被曝というのは、60年前に始まったんです。もちろんキュリー夫人なんか特殊な人は、100年くらい前に被曝してますけど。普通の人が被曝するといったら、自然放射線って全く別ですから、放射線としては同じですけれども、効果が違いますからこれは別ですけれども、人工的な放射線を浴びるようになったのは、60年前からでわからないんですよ。この間に余計に被曝しちゃったというのは、原爆の時と、チェルノブイリの時がほとんどなんですね。
だから、チェルノブイリの時も、実は2年後にIAEAという国際原子力機関が、チェルノブイリで爆発したからどのくらいの犠牲者が出るかを計算して、
「子供の甲状腺ガンが出ない、大人のガンもほとんど普通のガンに紛れちゃうだろう」
と言われていたけれど、そうじゃなかったんです。
今度福島が3番目ですね。
ですから、私たちは放射線に対して「ほとんど知らないんだ」というふうに思っておかないと、後になって後悔しても遅くなる。そのチェルノブイリの時もそうだったんです。ですから、生活のできる範囲十分に注意をして、「これならいいや」というとこまでやっておかないといけないというふうに思います。

【予防原則と考え方】
これは、『予防原則』というのがありまして、水俣病などの苦い経験を経て1992年に、今から20年前くらいに国際的にも合意したわけですが、この『予防原則』がどういう原則かというと、
「科学的にわかってないときは、安全サイドで規制しろ」
それは当たり前といえば当たり前なんですが、科学的に毒かどうかわからないというものが出てきたときには、安全サイドで規制しなさいと。それが大切なんだということを国際的に合意したんです。
だから、例えば私はこういうことを言っているわけです。
『お母さんが買い物に出た。幼い二人の兄弟が家に残ってる。下の弟さんがお腹が減って冷蔵庫を開けると、おいしそうなものが入ってる。手を伸ばそうとしたら、上のお姉さんが、「ちょっと待ちなさい。それ腐ってるかもしれない。お母さんが帰ってくるまで待ちなさいよ。」』
これが予防原則なんです。
要するに、そのものが腐っているかどうかを議論しちゃいけないんです。なぜいけないかというと『判ってない』から。二人の兄弟がいくら議論しても、腐ってるかどうかはわからない、お母さんに聞いてみないとわからない。それをやめてお母さんが買い物から帰ってきたら、そこでお母さんに
「これは腐ってるの?」
「大丈夫よ」
と言ったら食べる。これが予防原則なんです。
ですから、予防原適用中は、いってみれば、あまり安全か危険かを議論しちゃいけないんです。『判らない』っていうに思っていなければいけない。

これが今の実は被曝なんです。
1年に100mSvは大丈夫、1年じゃないんですけど、5年とか一生じゃないんですけど、5年とか10年くらいの間に100mSvを浴びますと、確実に症状がわかるんです。
例えばお医者さんに行って、
「具合が悪いんで」
「あなたはこれこれこういう原因で病気になったんだ」
と言ってくれるんです。その状態が100mSv以上なんですね。
5年間に100mSvですと、1年に20mSvとかこういうふうになるわけですが、そういった量になるわけです。
そうすると100ミリから下というのは、ガンは出るし奇形児は出るけれども『判らない』ってやつなんです。『はっきり判らない』。

【日本の食品安全基準と被曝線量基準】
そこで皆さんが議論して、現在の食品の安全基準とほぼ同じような考え方なんですが、今の食品の安全基準は、日本の食品は非常に安全な基準になったんですよ、昔と比べて。
昔は例えばあるものが農薬なら農薬、食品添加物が100ppmくらいだったら大丈夫だろうという結果が出ると、規制値を100のちょっと下の80とかにしていた。そうすると、障害者が出るわけです。
これはいけないということで、いろいろ検討した結果、やっぱり学問的に怪しいところが10倍くらいある。人によって感度の高い人とか子供とかそういうのがあるということで、現在は食品を100分の1ルール、つまり「まぁまぁどうかな?」というところから100分の1まで下げているんですね。
そうしまして、日本の食品というのは非常に安心して、それでもご心配の方もおられますが、基本的には食材で害が出たという人はほとんど例がなくなったわけです。
それから見ると、ちょっと別の原因なんですが、今1年1mSvになってるんですけれども、100mSvまではわかってる。だから1mSv/年の制限というのは、そんなに今までの我々の長い考え方に反しているわけではないんですよ。
それで
「この1年1mSvで安全かどうか?」
というのは、あんまり聞いちゃいけないんです。
なんでかというと、学問的にわからないので、「安全だという人」と「危険だという人」が居るんです。大体「危険だという人」が10人に3人くらい居るんです。「安全だという人」が10人に7人くらい居るので、多数決を取ると、安全になる。だけどわからないことは、ちょっと危険側で規制するということで、『1年1mSv』。
それから、1年に5mSVというのもあって、これは例えば、病室だとかお医者さんがいつも見ているようなところは、「5くらいいいかな?」
1年5mSvを過ぎますと、白血病になった人が、過去も5mSv以上浴びてますと労災に認定されます。一応そういう判決になっています。
ですから、大体我々は「1から5くらいなんだな」という感じを、そこしかわからないんです。これ以上詰めちゃいけないんです。あんまりガリガリと「どこまで安全か?」といろんな人が出てきてわけわかんなくなりますから。
今まで特に1年1mSvでずっときました。これは、1980年にこういうことが決まったんです。
それまでは全然規定がなかったんです。するとどういうことが起こったかというと、
『お母さんが赤ちゃん抱いて、1か月くらい外国に行って遊んできて帰ってきたら、赤ちゃんが白血病になっていた。「え?」と驚いて「どうしたんだろう?」と調べたら、実は旅行に行った先の国が、1年100mSv』
とかで決まっていたら、そうなっちゃうんですよね。
「これはダメだ」ということになって、いろいろ議論が行われて、世界全部一年1mSvと決まったんです。
だから、1年1mSvというのは、ちょうど本当に
『冷蔵庫の中にお菓子があって食べたいけど、お母さんが買い物に行ってわからないから、置いておこう』
という状態なんですよ、これ。
だからそのことは学問、今から100年後に判れば、その時点でわかる。
それまでは『判らない』からあまり議論しないほうがいいんですよね。
だから、『当面1年1mSvで行く』というのが私は正しいというふうに思っています。

【子どもの20mSv問題と文科省と国が優先させたこと】

<39:00頃‐>
一時ですね、一時というか最近文部科学省も少し反省して、低いこと言ってますけれども、1年に20mSv、今でもそうですけど、基本的には。福島の子供たちは本当にかわいそうで、1年に20mSvという基準に変わったんですね。新聞にも書いてありました。
20mSvというと、大体シーベルトという単位自体も、普通の人は原発の事故まではほとんど知りませんから、20mSvがどのくらい危ないかということは頭にすぐ入りませんよ。
しかも専門家が、
「100mSvまで大丈夫だ」
なんて言うと、余計そうなっちゃうんですけども、一年20mSvを我々がわかるように言うとしたら、
「1年に子供たちに胸のレントゲンを400回浴びさせる」
ということなんですね。
ちょうど胸のレントゲン400回打つのが20mSvです。
ですから、小学校1年に200日開校するとします。すると、夏休みとかありますからね。200日開校するとすると、子供を学校に出す度に、学校で1日に2回ずつレントゲンを浴びて帰ってくるということです。
「これが、これをお母さんが不安にならなかったら、日本のお母さんじゃない。」
と僕は言っているんです。
日本のお母さんなら、月曜日に子供を学校に出したら2回レントゲン浴びて帰ってくるんです。火曜日に子供を出したら、まら2回レントゲン撮って帰ってくるんです。明日もまた2回撮るといったら、普通のお母さんだったら心配になって、校長先生の所に行って、
「ちょっとあの、うちの子供の話だと、1日に2回レントゲンを撮ってしかも腹部も保護しないで全身のレントゲンを2回ずつ撮ってるらしいんですけど、これ本当に大丈夫でしょうか?できればやめてほしいんですけど」
とお母さんが校長先生に言うほうが、僕はまともだと思っているんですよ。
それを言ってくれないお母さんだったら、「何のためにお母さんが居るんだ?」っていうくらいの感じですよね。
ところが、校長先生が何て言うかというと、
「そんなの国が決めて『20mSvまで安全』ということになっているんだから、問題ないじゃないか。あなた、お母さん『モンスター』だぞ」
とこう言うわけです。
僕に言わせれば、校長先生のほうが『モンスター』ですよ。
だってね、胸のレントゲンを病院に撮りに行くとどういうことになるかというと、こんなとこにお医者さんが「息を吸って、はい。止めて」なんて言うでしょ?そこでお医者さんがスイッチを押すのかというと押さないで、お医者さんがコソコソ鉛の部屋に言って押してるんですよ。あれは何を言っているかというと、
「お医者さん自身がレントゲンをあまり浴びると危険ですよ」
と言っているわけです。それを日常的に見てるわけですから。それを見てるお母さんが、子供に1日に2日ずつレントゲンっていうのは、ちょっとやりすぎなんですよね。
ですから、私が文部科学大臣だったら、あの20mSvの時にどういう記者会見をするか、今ですよ。
「今度、東電がヘマしちゃって、大量の放射性物質を流しちゃった。しょうがない。」
これは『私が』の場合ですよ。私は電力から研究費もらったことあるんで言うんですが。
「今まで電力からお金もらっちゃってた。だから電力に何かものをいうことができない。だから、子供に犠牲になってもらうことにした。ついては、学校に行くと1日2回ずつ胸のレントゲンを浴びてもらうことに決定した。」
というふうにテレビで言えば、それは正直な文部科学大臣ですよ。そしたら、みんなはそこで、それが本当の情報ですよ。
『本当の情報』
つまり、『国民が判断できる情報』。それを提供しなきゃいけない。
そしたら、私20mSv実施されてないと思います。
ロシアでもチェルノブイリの事故が起こった時に、翌日の午後2時には政府から1200台のバスを出して、女性と子供を全部退避させました。
非常にそういう点では、ロシアは早業でした。それからちょうど4月にチェルノブイリの事故があったので、夏になると被曝した子供がかわいそうだということで、遠くに林間学校で国家の金で連れて行きます。
従って、人の命、子供の命に対する対策としては、残念ながら私は日本のほうがマシだと思っていたんですけれども、現実には
「基準を変えて子供に被曝させる道を歩んでいる」
ソ連は、あんなに人の命を軽んじる国だと言われているのに、やっぱり子供を退避させる道を取ったんです。ですから、私たち、今の日本の大人は、どんなことがあっても子供に5mSv以上の被曝をさせないように、僕は頑張らなきゃいけないんじゃないかと思います。

【福島県郡山市の小学校の除染効果】
福島の子供たちの被曝量を計算しますと、本当にかわいそうなんですけれども、ただ、郡山みたいに外部の放射線量が2マイクロシーベルト、2マイクロシーベルトだと大体15、6、10ちょっと超える、15ミリ超えるくらいの食品全部入れますと被曝量になるんですけど、公立小学校というところは、校庭をきれいにして、校舎の壁を高圧洗浄機で洗浄して、校舎の中は、ご父兄と先生できれいに除染したら、0.08になったんですよ。それで、この前行ったときに先生が言われるには、
「お子さんをできるだけ長く小学校に居させる」
らしいんですよ。家に帰ったほうが高いんですよ。家は木造の家が多いから。だから鉄筋できれいにした小学校にずっと夕方まで居てから帰るっていうんですよ。
「いや大した小学校だな」
と思いましたね。
2マイクロシーベルトだってやられちゃいますけど、0.08まで落ちれば、これはもう全然1年1mSv切りますからね。本当に安心して子供が小学校で勉強できる。
それはほんのちょっとした努力ですよね。
だって校庭の土をうっすらとって、校舎の壁を掃除して、中をきれいに拭き掃除しただけですから。だから我々に手が届くんですよね。

【江戸川区で何ができるか】
ですから、手が届かなきゃしょうがないから、北海道とか九州に逃げるしかないんですけど、やればできることなので、江戸川区がどういうふうになっているかわかりませんが、江戸川区も0.2から0.3ですからね、それだけで2mSv弱ですから、子供には過酷なんですよ。なんで子供に過酷、今日は江戸川区の方が多いので大変失礼なんですけれども、どんなに失礼であろうと、失礼よりか子供の健康のほうが大切ですからね。ありのまま言いますとそういう状態。
だけど、もし私が思うに江戸川区の上というか葛飾が一番ひどいんですが、葛飾の上を放射線の灰が通ったんだから、しょうがないんですよ、これを文句言ったってやむを得ない。しかし、今なんで江戸川区の線量が0.25とか0.3とかっていうのは何かというと、道路とかそういうところ、街路樹の葉っぱにさっき言った、セシウム137、つまり青酸カリよりも毒性の強いものが付いているからなんですよ。単に粒なんです。粉なんです。だからその粉を取ってあげれば減っちゃうんです。だから、簡単な話ですから。
江戸川区はグルグル回転するような道路の洗浄機を、毎日どこかの町からずっとやっていけばいい。現実に郡山市はやっているんですよ。水を散らしてグルグルやるやつ。あれでずっと少しずつやってるんです。そうするとやればやるほど下がってきますから。
それから、葉っぱについてますから、庭屋さんに聞いてチャンスを見て、落としちゃえばいいんです。木を切る必要はないですからね。葉っぱだけ一回落としてしまえば、木から放射性物質が出てくることはないので、嘗て3月に降ってきたときに葉っぱに付いているものが残っているわけですから。だから、これを全部取って焼いてしまえばいいんですよ。焼いたら焼却灰に入るんですから。
これはもう簡単に処理できますよ。
下水に流れたやつも下水汚泥にたまるわけですよ。
下水汚泥から放射性物質が出たって騒いでますけど、下水汚泥から放射性物質が出たということは、大変に喜ばしいことなんですよ。なぜかというと、その放射性物質は嘗て子供たちの周りにあった放射性物質が、流れて汚泥になったんですから。
汚泥の管理くらい僕らにできますよね?だけども、江戸川区全体に散っているやつは管理できないわけですよ。ですからできるだけ下水とか焼却灰に持っていく必要があるわけです。
ですから、焼却灰とか汚泥が汚れてくるということは、江戸川区の焼却灰とか江戸川区の汚泥が汚れてくるというのは、大変に嬉しいことなんですよ。なんでかというと、汚泥の中に含まれている放射性物質がどこから来たかと言ったら、我々の身の回りのものが行ったわけですから、それは圧倒的にいいわけです。
あとは、区のほうが少し大変かもしれませんが、それを管理してあんまり被曝しないようにしたら、俄然改善されるわけです。
ですから、手の届くところにあるということが非常に重要であります。

【子どもの感受性と対策】
それから、今の話でお分かりのように、子供たちはもともと感度が3倍高いにも関わらず、子供というのは大体地を這うように生活をしているわけですよ。なんだか下のほうでこんなことやってたり、道路歩いてたら、なんだかドブの方に行ったりとか、それから草むしったり変なことしてるんですよ。道路というのは大体ドブと草に放射線が高いんですから、だからわざと、わざとじゃないですけど、子供はもちろん。子供は昔からそうなんですけど。だから被曝量も増えちゃうんです。被曝量が大人より3倍とします。感度が3倍としますと、約10倍子供が多く被曝するということなんですね。
ですから、大人が1ミリ、子供は10ミリ相当になっちゃうわけです。
ですから、『必ずお子さんを基準に考えればいい』、とこういうことになります。

【その③】に続きます。
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