※この記事は、9月8日 【動画あり】武田先生の一関市長に対する返事【武田先生の子どもを守る信念と確固たる決意】7月23日 【追記あり】完全に間違った優先順位に関連しています。武田先生関係の起こしは各講演・映像まとめ一覧の中にいくつか入っています。

9.11のいろいろな催しの中、武田先生の江戸川区での講演会をUstream配信していただいたのを見ることができました。配信者のgakuさん、ありがとうございました。音源も確保できたので、文字起こしをしています。まだ完成していませんが、ぼちぼち上げていきます。

武田先生は明快ですね。優先順位が明確で、聞いているBochibochiの迷いも少し整理ができたように思います。Bochibochiも第一優先は子供の健康ですから。
ちょっと言い切ってしまわれるところが不安になる個所もいくつかありますが、一度ご覧になってみてください。

では、どうぞ。

2011/09/11 武田邦彦教授 講演会@江戸川区
「こどもたちのみらいのために」
http://www.ustream.tv/recorded/17204168 (118:04)

【以下、時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

<追記>※gakuさんのアドバイスで目次を作ってみました。よろしかったらご参考にどうぞ。
【その①】目次
  【世界から見た日本という国】
  【原爆と原子力発電所とチェルノブイリ】
  【震度6で壊れた原子力発電所】
  【科学者とは…】
  【放射性物質の毒性と除染】
  【これから事故の収束が優先か・・・?】
  【放射性物質とDNA損傷の影響】

【その②】目次
  【放射性物質とDNA損傷の影響】の続き
  【被ばくの歴史】
  【日本の食品安全基準と被曝線量基準】
  【子どもの20mSv問題と文科省と国が優先させたこと】
  【福島県郡山市の小学校の除染効果】
  【江戸川区で何ができるか】
  【子どもの感受性と対策】

【その③】目次
  【食材の買い物で気を付けること】
  【子供を守るため一番大切なことは?】
  【魚とお米で気を付けること】
  【原発停止後の日本の電力事情は?】 
  【身近にできる除染方法】
  【地震国に原発は無理な理由と安全神話の矛盾】

<10:00~講演スタートです>
(武田氏)
では始めます。
今日は大変多くの方に来ていただきましてありがとうございます。
時間も限られておりまして、スケジュールは聞いてみると、1時間くらい私が話して、それは中心的なことを話しまして、それから30分くらい皆さんからご質問を主催者のほうでまとめたものがあるようで、それをやって、残りの30分くらいをご質問を受けるということで、一応させていただきたいというふうに思います。

それではさっそく時間ももったいないものですから、お話をさせていただきます。

【世界から見た日本という国】
福島第一原発が、ああやって爆発したということは、世界の人から見ると非常に不思議で、日本というのは非常に技術力が高くて、しかも民族は慎重派の民族で、しかも日本に地震があるということは百も承知だと、こういう中でああいった大事故が起こるっていうことは、非常に世界の人はびっくりしているんですね。
もう一つ世界の人がびっくりしているのは、今日の講演にも関係ありますが、『福島の人を助けるために、全国の子供が被曝しなければいけない』、そういう論理は、外国人から見ると、これもまた全然考えられません。
福島の人を助けるには、むしろ福島の子供たちは、そうでなくても普段から外部から高い線量を受けているわけですから、福島の人を助けるということがどういうことかというと、
福島に汚染されていない野菜を送るとか、そういうほうが福島の人を助けるのですが、今逆になっていて、何を錯覚してるのか非常に逆になって、
『福島の汚染された野菜を全国の子供が食べると、福島の人が助かる』
とそういう変な理屈になって、これはもう世界から見ると、日本が大変に孤児になった、世界の孤児になったとそういうふうに言えるわけです。
そういう点から言って、早く3月11日以前の状態に戻さないと、日本のもちろん食材とか輸出品も輸出できませんし、今東京のドイツ大使館なんかは、ほとんどガラガラなんですが、なぜかというと、ドイツ人は特に放射線に敏感なので、ドイツから日本に転勤命令が出ても誰も来ない状況。
そういういわゆる汚染された、汚れた日本というのは、残念ながら定着しちゃったわけですので、それを1日でも早く回復するということが極めて大切。

【原爆と原子力発電所とチェルノブイリ】

ところが、原子力発電所というのは、どうしても安全に動かさなきゃいけないんですが、その理由としては、当たり前だといわれるかもしれませんが、広島の原爆というのは、非常に強力で、大変なものだと思われますけれども、ウランの量としては、大体実際でこのくらいなんですね。このくらいしか使わないんです。ですから、広島の原爆に比べると、原発というのは、大体1万倍くらいの放射性物質を含むんです。
ちょっと考えますと、原爆のほうが爆弾ですから、ものすごい威力があってものすごく大量のウランを使うんじゃないかと思うんですけれども、それは瞬間的に熱を出すだけなので、案外小さいんですね。ですから、小さいということは放射性物質も少ないんです。
ところが、原子力発電所というのは、ものすごい熱を長い間出しますから、それで原爆よりは非常に大きいわけです。
今度の福島原発は、大体広島の1万倍あるんですけど、そのうちの100分の1が漏れたので、大体広島原爆の100倍の放射線が漏れたと、こういうふうになるわけです。
そうすると、広島が原爆落ちてから2年間人が住めなかったとしますと、大体計算上は福島に200年くらい人が住めない。こういうふうになる。
現実的には雨が降ったり風が吹いたり、人間の手で除染したりするから、実際上はもう少し回復するでしょうが、原発というのは、そういうふうに非常に大きなものなので、どんなことがあっても爆発したりしてはいけない、そういうものであるということを少し一般的に知られておりませんで、今でも
「広島があんなに大したことなかったんだから、福島も大したことないよ」
という人がいますが、これは全くの間違いなんですね。
チェルノブイリが今から25年前ですから、1986年に爆発をして、大体今度の福島と同じくらいの規模なんですが、25年経った現在でも、もちろん原発の中には人が入れないし、付近の村も全部廃墟の状態で人が行けないという状態にある。25年経ってもそういう状態。
私は、日本人は一生懸命除染しますし、雨も多いし、台風も多いので、台風来るのが嬉しいっていうのも変な話なんですが、実はこの前台風が来た時に、私は「いいな」と思ったわけです。「どんどん雨降ってくれ。」雨が降るとああいうふうに和歌山に被害出たりするのは困るんですけど、福島とか東京なんかには雨がふってくれないと、いつまでも減らないもんですから、やっぱり日本の自然の効果があって、少しでも早く放射性物質がなくなってくれるといいわけです。

もう一つは、非常に重要なことなんですが、始めは全体的なお話をいたします。
最後のほうに江戸川区で生活したら大丈夫か?とかそういう話をしますが、最初はちょっと全体的な話をさせていただきます。


【震度6で壊れた原子力発電所】
驚くべきことなんですが、日本の原子力発電所は、震度6で壊れなかった原子力発電所って無いんです。今まで。
2007年に石川県に志賀原発っていうのがあるんですが、これが能登沖地震で震度6で壊れました。続いて2007年7月に新潟県の柏崎刈羽原発。これはやっぱり震度6で3億ベクレルの放射線が漏れて、火災があり、建物の中もむちゃくちゃだった。
私が『破壊した』っていうのは、「大体1年以上は工事しなければ復活できない」そういうものを破壊といいますと、2007年に二つの原発が破壊しました。
ちょっとあまり脱線してると、僕ちょっと学校の先生で脱線しがちなんですけど、脱線するといけないんですが、柏崎刈羽原発というのは、世界で最大なんです。日本の発電所ってみんな大きいんです。なんで大きくなるかというと、一つの発電所に1個原発を置くと、地元にお金が20年間で800億落ちるんです。
ですから、人間っていうのは、お金の魅力に勝てませんので、1個作っちゃったらまた作ってくれということになって、かたまりがちなんです。
これは日本独特の現象。
なんでかというと、日本以外にそんなに厚く地元にお金を配るということをしませんので、結果として日本に巨大な発電所ができるという傾向にある、その典型が柏崎刈羽原発。
2011年の今年の東北大震災で破壊されたのが、全部震度6ですけど、青森県の東通、それから宮城県の女川、それから福島県の第一・第二、茨城県の東海第二と5つの発電所が全部壊れました。
つまり東日本は現在、北は青森から南は石川県まで一個も壊れなかった原発は無いんです。すべて破壊しました。
そこで私はですね、どうも日本の原発は地震に弱いんじゃないかと思ったりしたんです。実は私、非常に罪深いんでありますが、日本の原発の耐震、地震に対する耐震設計の委員会の委員だったんですね。私は非常に大きな責任があるんですが。
今から5年前に出てきた耐震指針は、私の目から見て、到底こんなもので日本の原発を作ることはできないと思いまして。それから原発の反対派に転向しまして、3年前に日本の原発派地震で倒れるという内容の本を書いたんですが、全然売れない。なんで売れないかというと、今から3年前に誰も原発が地震で倒れると思ってなかったんですね。
だけど、よくよく考えてみますと、日本の原発が震度6に耐えられなかったんじゃなくて、世界で地震のあるところに原発がないんです。
強いて言えば、カリフォルニアの2基とイランの1基がそうなんですけど、それも日本みたいな巨大地震が来るところじゃないんです。
ですから、世界で日本だけが地震の起こるところに原発を持っていたんです。
結果としては、震度6で全部壊れたんです。
今西日本の原発と北海道の泊という原発がまだ生きてますけど、ここはまだ震度4が最高で4以上の地震が来たことないんです。
だから私たちはちょっと辛いんですけど、まず現実をきちっと見るという点では、世界で地震のあるところで原発が立っているのは日本だけ。それから、原発は震度6で壊れなかったものは無いということ。
ですから私はね、やはりしばらく原発は止めて、今でも動いているが不思議なんですけど、今でも動いてるんですよ。どういうわけだか。やっぱりこれだけはっきりしたんだから、やはり原発は止めて、そして考え直して再スタートしなきゃいけないんじゃないかというふうに思っています。

【科学者とは…】
私は特に科学者なので、科学者っていうのは、自分の意見がどんな意見であっても、実験結果とか観察結果が出れば、それに素直にならなきゃいけない。これが科学者ですから。たとえ、私は実は5年前に随分遅く気が付いて、「お前はバカだ」と言われりゃそのとおりなんですが、5年前に
「これはダメだ」
と思って、原発反対のほうに変わったんですが、できれば福島と東日本の青森から石川県の原発が震度6で全部倒れたという実験事実って言ったら失礼なんですが、実験事実を見て、多くの原子力技術者が、
『原子力しばらくやめよう』
といわば、言い方悪いんですが、実験結果が出たんですから、だからやめようというふうに考えてもらいたいというふうに思っています。

<21:15頃>
【放射性物質の毒性と除染】
それで、この前やしきたかじんっていう関西で放送する番組で、ちょっと過激なことを言ったものですから、多くの波紋を投げかけました。
まぁ東北の野菜の件はあとで話しますが、もう一つは
「畑に青酸カリを撒いたようなもので、その畑にそのまま米を植えるのは無謀だ」
という話をしたんですが、実は多くの人は放射性物質よりも青酸カリのほうが危ないと思っておられるんです。
本当に青酸カリが畑に撒かれたり、家の中にあったりしたら、その青酸カリで死ぬかどうか考える前にまずはどけようとしますよ、人間はね。
で、セシウム137っていうのは今一番汚染の原因になっているわけですが、セシウム137というのは、毒物として見れば、これは放射線をどのくらい出すとかそういうのではなくて、毒物として見ると、青酸カリの2000倍毒性が高いんですよね。
青酸カリが200㎎で死ぬんですが、セシウム137は0.1㎎、2000分の1飲むと死んでしまいます。
そういう意味では、私は
「青酸カリが撒かれた畑に、稲を米を植えるのは無謀だ」
というようなことを言ったんですが、実はやわらかく言ったつもりだったんです。そのセシウム137よりは2000倍安全なものなんですよ。おかしいけど。青酸カリというのは。だから、緩く言ったつもりだったんですけど、受け取ったほうはセシウム137あんまりご存じなくて、青酸カリはよくご存じなので、
「なんであんな猛毒を例に出すとは!?」
と言われたんですが、実は非常に放射線の問題は、ものすごく毒性が高いということなんですね。ですから、それをよくわかって、一番最初、4月の最初の頃多くの方に
「家の中を拭いてください」
と言ったんですけど、なかなかそれが浸透しなかったんです。
今でいえば『除染』なんですが。
除染という言葉もものめずらしかったし、なかなか拭いてくれなかったんです。その拭いてくれない原因というのは、お母さんの目に畳の上に載っている放射性物質が見えないんです。この見えないというのは、なぜかというと、形がないから見えないんじゃないんです。見えるくらい多かったら死んじゃうんですね。0.1mと言ったら見えませんから。
ですから致死量が見えないというところが、放射性物質の怖いところなんです。
見えれば、お母さんは必ず拭きますよ。畳の上に青酸カリの2000倍の毒物がある。そこを赤ちゃんがハイハイする。それは絶対に拭きますね。
だけど、なんとなく放射線っていうと、どこかから降ってくるような感じがして、目の前にあるように見えないんですね。これが一つの問題点になります。
だからやっぱりモノが見えるようにして、そしてそれに対処するというのが大切じゃないかと思います。

【これから事故の収束が優先か・・・?】
今後のこともご心配になっている方が多いので、原発のことは少しだけ触れることにしますが、今福島原発はそれほど危険じゃないんです。今でもどんどん放射線出てるんです。すごい量が出てるんです。二つの矛盾したこと言いますから。今すごい量が出てるんです。どのくらいの量かというと、一番軽水炉で大きな事故だと言われたアメリカのスリーマイル島事故があったんですけども、その時に出た放射線の量が今でもどんどん出てるんですよ。
だから、スリーマイル島事件で大騒ぎしたんですから、今でも半年経っても大騒ぎしなきゃいけないんですけど、実は今度は全然違うんです。
スリーマイル島で出た量の30万倍が3月に出たんです。
だから、非常にわかりやすく言えば、我々の地面には、一万円なんかが転がっているわけです。1万円がころがってたらいいんですけど、1万円くらい多い放射性物質が転がってる。
今、福島原発から出てるんですけど、継続的に。出てる量は1円って言うんですね。ですから、地面の下に1万円が落ちてて、日々あるところから、1円ずつちゃりんちゃりんと出てくるというのは、多くの人はどっちを注目するかと言ったら、1円ずつ出てるよりは1万円のほうを注目すると思うんです。
ところが、今は自分の身の回りにはあまり注意せずに、福島原発が気になってしょうがないという方がおられるんですね。それにちょっと調子に乗ってというか、作戦があるんでしょうけれども、政府が
『原発を収束させるのが一番大切だ』
と言っているんですね。この前長妻さんという前の厚生労働大臣と対談した時に、一生懸命言ったんですけれども、長妻さんは、
「違うんですよ。今から福島原発を収束させる、収束させないは何も関係ないんですよ。だって、1か月出し続けたって30円しか出ない。もうすでに我々の身の回りには何万円分の放射性物質が落ちてるわけですから。だから福島原発が収束しようとなんだろうと、我々の身の回りを除染せにゃいかん。もうすでに降ってきたものが、巨大に多いわけです。今度の場合は。だからそれに注意しなきゃいけない。」
ということなんですね。
ですから、通常の原発事故と全く違うんです。量が。
そういうことが一つ。

【放射性物質とDNA損傷の影響】
だから、せっかく今日来られましたので、私のブログにも多く福島原発の状態を心配する方がおられます。特に8月の中旬からお盆明けくらいの時に、ヨウ素がガーッと上がったんですね。それで、これは何かというと、お医者さんは医療用のヨウ素だって言うんですけど、数が合わないんですよ。それから、空間のヨウ素もありますので、今一生懸命調べているんですけど、福島原発から何か出たか、中国からの黄砂かわからないんです。
今、国立環境研の僕の友達と一緒に解析ずっとしてますけど、だけども、これ怖がらなくていいんです。今頃ヨウ素が出てくるなんておかしいんですよ。ものすごくおかしいから、原因は追究しておかなければいけないんだけど、8月のお盆明けにでたヨウ素は3月のヨウ素の1万分の1くらいなんです。ですから、確かに高いことは高いんだけど、我々はやっぱり3月の量に気を付けれなければいけないんです。
ですから、そういうことに惑わされず、ひとつ行動しないといけないと思います。

それから、2番目の被ばくですね。
これは皆さん、原発のことはもちろん国全体のことを考えるときは、原発のことを考えるのは非常に重要なんですが、我々の日々の生活では原子力発電所のことよりは、むしろ子供を中心とした被曝のことですね。
私はもう『子供だけ』のことを言っているんですが、なんでかというと、放射性による被曝による病気というのは、0.5歳から7歳が一番厳しいわけです。そこが一番感度が高いわけです。
その3分の1くらいが今度は胎児とかに行くとか、少年、ちょっと10歳くらいになるわけです。
それから若い女性になって、それから若い男性になって、それから僕らみたいな50歳以上の男と。
そうすると、幼児さえ守れば、割合と頭の中簡単なんです。幼児さえ守れば、妊婦と胎児を守れて、そして若い女性を守れて、若い男性が守れて、我々が守れるということですので、一本だけにしぼったらいいんですね。
それが、『子供の被曝』なんです。
子供は、感度が3倍くらい大人に対して高いんですけど、なぜかというと、いろいろことが起こるんですけど、一応遺伝子の病気とすると、私も恐らく3歳の子供も、遺伝子のやられ方は同じじゃないかと思うんです。エネルギーが高いので。
ところが、私はもう遺伝子を読みにいくチャンスが少ないんです。背も伸びないし、髪の毛は生えるばかりじゃなくて、抜けていくほうですからね。何もないんです。
あ、私ね、「真面目な話を笑って言う」というので、いつもテレビで注意されるんですけども、これは癖でありまして、ちょっと明るい性格なんでいつも笑ってしまうんで、これは笑うっていうのは、深刻な話をバカにしてるっていう意味じゃないんですね。大体なんでもいつもテレビとかラジオに出ると、
「武田先生はいつも上機嫌ですね」
って言われるんですけど、いつも上機嫌なものですから、だからちょっとそうなっちゃうっていうことで、非常に皆さんが深刻だということはよくわかっておりますので、そこはお断り。いつも家内に怒られているんですね。
「深刻な話の時は、深刻な顔をしなさい!」
というんですけど、なかなかできない時があるので、あれなんですが。

【その②】に続きます。
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