※この記事は、
8月25日 災害対策本部:除染なしで4割減の予測も、除染ガイドライン素案『全ての地区・対象の除染を同時に行うことは不可能』効果がなければ施設撤去も・・・
8月25日 小出氏:東電の10m津波試算、原発周辺4割減の放射能、がれきの最終処分所@たねまき
9月1日 小出氏:新政権誕生、東電の廃炉工程表、環境省の汚染廃棄物処理(クリアランス)、福島の『中間貯蔵施設』@たねまき
8月31日 東電:格納容器を水で満たして燃料取り出しを試案!?【水棺無理だったのに・・・?】
8月17日 東電:工程表の改定発表【毎時2億Bq、人材確保、建屋カバー、現場からのビデオ】などに関連しています。

今日は、小出先生の出演があったので、たねまきジャーナルをご紹介します。

音源が見つかり次第、追記しようと思います。
ひとまずどうぞ。

【追記】
20110908 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章



【以下、時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

今日は毎日新聞論説員、藤田さとるさんと一緒に伺います。
まもなく福島第一原発事故発生から半年になるが、この時点での原発事故の状況を番組なりにまとめてお聞きしてみたいと思う。
まず、現在事故対策の状態としては、東電としては最初の3か月、ステップ1で目指した原子炉の安定的冷却や放射性物質の放出抑制はほぼ達成したとしている。そして、ステップ2で原子炉を冷温停止状態にして、住民の避難解除を始め、中期的課題は3年程度を目安として使用済燃料プールの燃料取り出しに着手するという工程表を公表しているが、この工程表について改めて先生はどうご覧になるか?
(小出氏)残念ながら、意味のないものになっていると思う。

それはもうこの工程表通りには進んでいないということ?
(小出氏)はい。この工程表ができたのは、4月17日に始めのものができた。その時には、まだ原子炉の炉心というものは、半分まで水に浸かっていて形が残っているという想定のもとに作られた。そのために、なんとか炉心を壊さないように水を入れ続けて、圧力容器の温度を100度以下にするという冷温停止状態に持っていくというのが、工程表の目玉だった。
ところが、その後5月12日になって、少なくとも1号機に関しては、炉心の水位計を調整しなおした結果、もう炉心の中には水はない、つまり炉心は溶け落ちてしまっているということを認めた。溶け落ちてしまったということは、圧力容器という鋼鉄の底、圧力釜の底に溶けた炉心が落ちたわけだが、炉心というのは2800度を超えないと溶けませんし、全体の重量では100トンもあるというような大変重たいもの。圧力容器という鋼鉄の容器は簡単に穴が開く。
従って、溶けた炉心は、圧力容器もすでに突き破って、その下に落ちてしまっている。その下というのは、格納容器というもう一つ外側の容器だが、そこにまで落ちてしまっているというのが、現在の東電の説明。
そうすると、冷温停止というのは、もともと圧力容器も健全で、炉心もそこにあって、それを水で冷やすという専門用語だが、もうそんなことは到底ないのです。
始めから前提が間違えていたということだから、工程表そのものを本当であれば作り変えなければいけないと思う。

今の原子炉の状態なんですけど、報道では今の圧力容器の下の部分の温度が1号機が88.5度、2号機が112度で、3号機が96.1度となっているということだが、こういう温度を見ると比較的順調に冷却ができているというように見えるが?
(小出氏)例えば、圧力容器の温度が上がるということは、なぜ上がるかというと、そこの圧力容器の中に発熱体である炉心があるから。だから、圧力容器そのものの温度が上がっていくはずだというが、もうすでに炉心は圧力容器の中にない。
だからむしろ、温度が上がるというほうがおかしいと言わなければいけない。

なるほど。
では、温度に関してはそんなにいい方向に向いているというわけではない?
(小出氏)はい。その証拠には必ずしもならない。

先ほど私1号機の温度が88.5度と申し上げました。85.8度でした。
うーん、そうしますと、この原子炉の状態というのは、この半年で大きく変わってはいないということなんでしょうか?
(小出氏)これは、私自身も大変残念なんですけれども、正確な情報が得られないのです。それが原子力、原子炉と言っているものの本質的な困難さを示していると私は思う。
つまり、今壊れているものが火力発電所であれば、壊れた部分に人が行って、どのように壊れているかを見て、順番に補修をすればいいが、こと原子力発電所の場合には、壊れている場所に近づくことができない、中を見ることもできない、そういう相手。
だから、本当に今現在がどういう状況になっているかということを正確に知ることができないというものを相手に、苦闘が続いている。

半年経ってもまだどうなっているかを想像しながら、取り組んでいるという状況が続いているということですね?
(小出氏)そうです。少なくとも1号機に関しては、原子炉建屋という建物の中に入って、原子炉水位計というものを調整しなおすことができたが、2号機と3号機に関しては、いまだに建屋の中に入ることすらできない、そういう状態にいる。

それから、2号機と3号機に関しては、使用済燃料プールからの燃料取り出しというのが優先課題と言われているが、これは実現は難しいか?
(小出氏)できるならばやったほうがいいことだが、2号機も3号機もまだ原子炉建屋の中に入ることができないし、3号機の場合には、とにかく使用済燃料プールがあった場所が、猛烈に破壊されてしまっている。そんな状況の中で、使用済燃料プールの中から、どのように燃料を取り出すことができるのかというのは、たいへん難しい課題で、乗り越えなければいけない課題がいくつもあると思う。
もちろんなるべく早くやったほうがいいが、多分できるまでには、何年という時間がかかると思う。

どうしても私たちは、半年経ったからどこまで対策が進んだのか?という見方をしたくなるが、原子力発電所の事故にとっては、完全終結を考えると、半年という時間は長くはないんですね。
(小出氏)もちろん。完全終結ということを言うなら、何十年、何百年を待たなければいけないわけだが、とりあえず大量の放射性物質が、環境、大気中に出てこないようにするということが、今どうしてもやらなければいけないことで、それが本当に確信をもって「もう大丈夫だ」と言えるようになるにも、まだ何か月もかかると思う。

今までの対策というのは、あくまで応急処置に近いものが行われていると見たらいい?
(小出氏)そうです。追い詰められて、追い詰められて、それに向かって格闘しているという状態。

それが、もう事故の直後からずっと続いている状態であるということですね。
藤田さん、そんな感じで…。
(藤田氏)厳しい状況だと思う。
例えば、小出先生?今後、状況がさらに再び悪化するという、そういう可能性っていうのは考えられるか?
(小出氏)はい。私が一番初めからお伝えしているが、私が一番恐れているのは、圧力容器の中で水蒸気爆発が起こる可能性。
それは、原子炉の炉心がまだ、もとの場所にあって、いまだに2号機と3号機ですが、炉心という部分に何がしかの形が残っていて、これから冷却に失敗したときに、ドスンと下に落ちる。その時に下に水が残っていると、水蒸気爆発が起きる。
そうなってしまうと、圧力容器は多分破壊されるし、その外側の格納容器は比較的弱い構造体だから、それも壊れると思う。
そうなってしまうと、大量の放射性物質が大気中にまき散らされてしまうということになるので、一度は大気中への大量放出は収まったが、もう一度起こる可能性がある。それを私はずっと恐れてきたし、その可能性がないと自信を持って断言できないというのが、現在の段階。

(藤田氏)なるほど。要するに炉の中の状態がはっきりとはわからないと。
(小出氏)そうです。一番大切なのは、水がどこまであるか?という水位計のデータだが、それを調整することができないまま「わからない」という状況が、今日まで続いてきてしまっている。

(藤田氏)しかしその炉の中の状態を明確に知ることができる見通しも、今のところないわけですか?
(小出氏)シミュレーションという計算機の解析があるが、計算機の解析というのは、あくまでそれが正しいかを実証しながらでないと、どこまで正しいのかわからない。
どこまで正しいかがわかるためには、実際のデータがなければいけないが、そのデータを取ることができないという状況に、今ある。

とにかく、データが取れるような状況まで最低たどり着かないといけないということですね。
次ですけれども、次は放射性物質に対する汚染の対策。
汚染された地域の放射性物質を取り除く除染が、国は国の責任で除染して、避難した人が地元に帰れる時期の目安を2年としている。
この理由は、セシウム134は半減期が2年だから、被ばく線量は40%そこで減るので、あと10%人間の手で除染したら、今より半分になるからとしているが、これは実際どうなんでしょうか?
(小出氏)その通りです。セシウム134の半減期は2年ですから、2年経てば、セシウム134の濃度は半分に減ってくれます。ただセシウム137のほうは、半分に減るまで30年ということで、2年経ったところで全く減らない。残り頑張って少しでも除染ができれば、現在の汚染から半分程度まで減らせるということ。
しかし、今避難地域に指定されているのは、『1年間に20mSvを超えてしまう』というところが指定されている。
それが仮に半分になったところで、1年間に10mSv。それは普通の人が許されている1年間に1mSvの10倍に相当するのですから、そんなところに本当に人を返していいのかどうかということになる。

なるほど。
では、国が2年ということで目安で出しているが、それが必ずしもそこで帰れるという話にはなりませんですね。
(小出氏)もともとなんで国はそんなことを言うことができるのか、私には不思議で、日本というのは法治国家だと言って、国がいろいろな法律を定めている。その法律を破れば、破ったものを処罰すると国は言ってきた。
その国の法律の一つとして、日本に住んでいる人は、1年間に1mSv以上の被ばくをさせてはいけないし、してもいけないというふうな法律があった。
ところが、今回の事故があって、あっという間に日本という国はその法律を反故にしてしまい、20mSvまでは被曝をしてもいいということを言っている。
今も除染をして10mSvになれば、あたかも帰れるというようなことを言っているが、国家が率先して法律破りをしている、そういう状況だと私には思える。

わかりました。どうもありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】

ほっておくと、どんどん国民に被曝させる国、日本です・・・。

失礼します。
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