※この記事は、8月20日【内容起こし】岩上安身×飯田哲也×岩井俊二×松田美由紀 in 小田原ウィーク【その①】の続きです。

<22:00>
(松田氏)あの、私たちの、例えば投票とか、すごくいろんな署名とか皆さんも多くされたと思うんですけど、一体それは何か多少は何かになってるんでしょうか?
(飯田氏)えーっと、直接はほとんどなってないと思いますね。
ただ、世論が圧倒的に脱原発を支持しているということは、はっきりと政治を動かしていて、例えば自民党をみればはっきりしますが、自民党は4月終わりから5月頃にとんでもない、「地下原発議連」とか立ち上げて、やっぱり未だに強面の古い人たちが仕切ろうとしてたんですけど、「それじゃもたない」いとうことになって、その後も世論調査をするたびに脱原発派を指示する人が増えた。で、河野太郎さんが中心となって、地下議連に入っていた西村やすとしさんと所謂「河野太郎議連」というのを作って、そのブリッジがベースとなって自民党のエネルギー政策は、これまで電力と全く無縁だった山本一太さんと瀬古さんを軸とする所謂「山本一太特命委員会」で、西村さんも幹事で入っているけど、河野太郎さんも幹事で、幹事というか顧問として入ると。
そこを今回最後、話が飛びますけれども、全量買取制度を結構いい方向に押し戻してくれたんです。もう全く当初は想定してませんでしたけれども。
これから原子力も出てくると思いますが、一応そこでも塩崎さん、川口さん、斉藤さんという中堅の実力者が大体揃って、原子力はこれからは減っていくんだということをコンセンサスラインになって。それは、やはり国民全体の顔をよく見ていて、特に自民党の若手は、次の選挙を戦う時は、第2マニフェストを作って戦いたいと言っているくらいです。自分たちは、縮原発か卒原発かなんていうかわかりませんが、そちらでやるんだ、と。そこまで変わってきたという感じ。
(松田氏)なんかね、たまにそのツイッターとかで「松田美由紀さん、どうか政治家になってください」って言われるんですけど、恐ろしいことを言う人がいるんdすね。それでまさかそういうことは無いんですけど、「どうせ反対してくれるんだったら、松田さん責任取ってくださいよ」って言われちゃうわけなんです。
責任とか、駄目じゃない、そんなの無理ですって私は言ってるんですけど、本業もあるので。だけど、これは、本当にどんな職業であろうとも、これは全員、皆さんの、それこそ東電の人であろうが政治家のひとであろうが、どんな人でもふりかかってくる恐ろしい問題で、それをなぜ今目先の利権とか立場とかよくわからないですけど、そのところで話し合ってるのか?っていうのが、本当にあほらしくてしょうがないなと思ってるんですけど。
例えば一般市民、私達国民が、こういうことにすごく怒りを覚えてて、一体何をしたら、例えばデモをすれば本当に社会が変わるのか?何をすれば?っていうふうな皆イライラしてる方がすごく多いと思うんですけど、それには、何て答えますか?
(飯田氏)えっと、まず、何で変わらないかっていうのは、あそこにいる人たちが本当に自分たちの向き合っている永田町政治とか、霞ヶ関政治とかすごくミクロなもので物事を判断してるので、今起きてる事態っていうのが、日本の近代史の百年に一度の大転回をやらなきゃいけないことなんだという意識とか認識と、実際に手を動かす措置というのは、すごくミクロな目の前のことをやる。そこにすごくギャップがあるっていうことがまずあると思う。
市民は何をやればいいかというと、
『デモを政治家とか官僚は恐れている。』
これは絶対間違いない。だから、それこそドイツのような10万人、何十万人というデモが日本で実現したら、それは絶対に政治は動くと思いますね。
(岩上氏)脱原発のデモ、パレードをいくらやっても何も動かないじゃないか?と。一見はそうなんですよ。
ところが、ちょっと原発から離れますけど、こないだ高岡なんとかさんというタレントさんが、韓流のタレント、ちょっと多すぎるんじゃないかと某フジテレビを批判したら、ねぇ。あれ?何か言った?そしたら、降ろされちゃったとかなんとか・・・。私あまり詳しくないんですけれどもね。そしたら、それに対してネットで反対意見、随分沸きあがって、ネット中心でお台場のほうの某フジテレビにですね、デモに行ったらしいんですね。
ものっっっすごくビビッたらしいですよ。全然判らないと思います。多分ものすごくビビッたんです、内部で。経営陣が震え上がりました。どうして嫌がるのかいろいろ考えたんです。
ビビるというよりは、ちゃんとした対応をすればいいんですけれども、それが出来ないでいて、日頃そういうことを感じないようにしてるからこそ、本当に怒りや抗議をぶつけられると本当におろおろとうろたえるんです。それは起こってるんです。皆さん気づかないだけ。
実際には、官僚内部にもそういう政党、政党なんかもっと敏感ですからね、びびってると思います。
それから、ネットを介した世論の形成というのは、厚顔無恥な既存マスメディアもやっぱりものすごい動揺してるし、すごく真剣に見てますよ。
今原発の記事を扱っている記者で、松田美由紀を知らない人はいませんよ。<笑>
(松田氏)自慢になんない。
(岩上氏)いやいや、自慢じゃなくて、そのくらいすごく気にしてるってことです。それは間違いない。
ちょっとお時間がなくなっちゃうんで、絶対今日は!って言いながら、しゃべれなくなっちゃうといけないから、最後のさっきの質問にちょっと戻りますけれども、エネルギーシフト及び脱原発との関係、つまり、どういう代替エネルギーだったらよろしいんですか?本当に自然エネルギーって可能ですか?安定的に供給できるんですか?そこの未来は明るいものなんですか?ということと、それから、経産省の戦略では、自然可能エネルギーというものをある程度認めて、ガス抜きをしておきながら、実は原発の維持というものを両輪でやろうとしてたんですね。だから経産省はこんなことを用意してた。ということは、再生可能エネルギーというものに、一生懸命応援していながら、まんまと経産省の或いは原子力村の手の内、術中に嵌ってしまって、原発維持に手を貸すことになるんじゃないか?とこういう不安、疑念もあるわけです。だから脱原発っていうのを本当にやらないと、原発というものからの解放はないのかもしれない。このちょっと2点ですけど、重なり合いますが、エネルギーシフトとその未来ということと、脱原発の可能性、こういうことをまとめて10分以内でお願いします。
<30:00頃>
(飯田氏)わかりました。
あの、超超短期のことと、ここ数年と、その後くらいでやっぱ時間軸である程度分けて考えたほうがいいと思うんですが、いずれにしても長期的な方向性をしっかりと見ておく必要があるので、長期的に選んでいくエネルギーというのは、まず自然エネルギーしかないということですね。
今でも自然エネルギーが対して、可能性がないということを今でも言う人がツイッターとか見てるといるんですが、まず原理原則から言うと、この文明を数百年、数千年数万年営んでいこうとすれば、今、我々人類が使っている代表的なエネルギー3種類、化石燃料と原子力と自然エネルギー。
第一条件として、再生可能なエネルギーと資源を再生可能な範囲で使うという社会に辿り着かないと、絶対に持続可能ではないので、化石燃料と原子力は、入口と出口で最初からバッテンがついちゃう。今、仮に8割のエネルギーというと、原子力はわずか5%です。ほとんどが化石燃料で、8割をまかなっていても、いつかは自然エネルギーに変えなきゃいけないと。
入口と出口というのは、資源が有限であると、実際に石油はピークは越えたとIAEAですら言っているくらいで、価格もうなぎのぼりですし、原子力はウランも有限。出口は汚染ですね。環境汚染。原子力でいうと、汚染ですね、今回の事故のような可能性と、核廃棄物。化石燃料は大気汚染と地球温暖化。それを考えれば、長期的に目指すしかない。でもそれは見果てぬ夢ではないかというふうに思われるかもしれませんが、資源量からして、自然エネルギーの代表として太陽エネルギーだけでも、今我々人類が使っているエネルギーの1万倍が降り注いでいるので、1万分の1を今人間が使っているエネルギーの形に変えれば、よくエネルギー密度とか変動とかこういうことをいう人がいますが、それは本質的な問題ではなくて、まず変えれるんだということ。量的にはまったく問題が無いというのが二点。
三点目がさらに重要なんですが、現実が完全にそう動いてる。現実の産業と経済とお金がそう動いてるんですね。去年一年間で自然エネルギー分野に投じられたお金は、他のすべてのエネルギー分野に比べて多いんです。しかもそれは毎年30%の勢いで伸びて、去年22兆円の市場は、10年後には200兆円になろうとしてる。
これまで自然エネルギーの代表は、ダムと途上国型のバイオマスだったんですが、新しい風力、太陽光、クリーンなバイオマス、この三つの発電設備の量が、毎年30%から60%成長していて、ついに去年原子力発電の設備容量3億7千万を超えた。しかも尚且つ、毎年まだ30%増える。
あとは、特にこれらは、小規模分散型技術なので、普及すればするほど性能が良くなって安くなりますから、特に太陽光発電が今とてつもなく安くなりつつある。毎年10%くらい・・・
(松田氏)そこが一番皆さんが聞きたいところで、すごく自然エネルギーを使うとものすごく電気料金が高くなるんじゃないか?と。そこのところだけをいう人がいるんですが、そこら辺は?
(飯田氏)コストは、基本的に言うと、今、我々の目の前に3つの山道があると思ってください。
原子力をこのまま使い続ける。
化石燃料におもいっきり依存する。
自然エネルギーをおもいきり増やす。
目先のコストで言うと、化石燃料と自然エネルギーの二つを比較すると、実は化石燃料の上り坂のほうが激しいんです。自然エネルギーを入れると、自然エネルギーの上乗せの部分が上がる代わりに、自然エネルギーが入った分だけ、化石燃料が節約できるので、上がり方は化石燃料依存型のほうがまず大きいんです。
これは我々、最近アイジェスとの共同研究で計算結果を出しました。
その上、自然エネルギーはゆくゆく、ドイツは3年から5年と言っていますが、上乗せコストがいらなくなる。上り坂を越えて、下がっていく。
化石燃料この先、過去10年で5倍も上がってるので、化石燃料この先どこまで上がるかわからないので・・・。
(松田氏)それが例えばどのくらいのスパンで・・・
(飯田氏)今、一応言われているのが、10年で上乗せコストが経産省の価格で、1ヶ月一世帯あたり200円くらい。経産省の倍のペースで増やすと500円くらい。実際のところ、恐らくそんなに上がらないと僕は思っています。
太陽光発電がボリュームが多いと、どうしても上がり方が多い計算になってるんですけど、太陽光発電のコストは本当に驚くほど安くなっているんです。日本で気rワット今、50万とか言って、一世帯に3kw入れると、150万とか。パネルのコストでいうと、去年アメリカの平均コストは1kwで10万円くらい落ちてる。それに施工費がのっかるから、もうちょっと高くなりますけど。
先月スウェーデンで私が見てきたのは、パネル価格がkw60円か50円、60セントって言ったから、今75円になったから、まあ50円くらいでできそうだというような感じで・・・。
(松田氏)例えばソーラーとか自宅でソーラー発電をしたほうがいいのか?とか、例えばそういう個人でできる問題みたいなものでは、例えばすぐに出来る問題では、何かやることはある?
(飯田氏)自分自身が自分のためにやることという意味では、すごくいいと思います、ソーラーできる人はやったらいいし。或いは住宅を自然エネルギーだけじゃなくて、超高断熱住宅にして、エネルギーを使わない住宅にしたり。個人が出来る人は、め一杯やるということですけれども、社会運動的にやるんだったら、もっとh社会に働きかけることも同時にやって。例えば小田原だったら、小田原市電力構想に参加するとか、社会を現実に変えていく働きかけも同時にやったほうがいいです。
(岩上氏)もう一回質問を整理して繰り返したいんですけど、原発の問題と再生可能エネルギーの問題、ちょっと先ほども言ったようにややこしくて、きっぱりどっちかを選ぶようにならない、もしくは、ならないようにしようという企みが国にはある、経産省にある、あったわけです、少なくとも。今現在そうだと思います。
再生可能エネルギーを他方で入れていって、ある程度人々のガス抜きをする、だけれども原発も手放さない。そして、「再生可能エネルギーはなかなかコストも高いよね」だとか、或いは「安定供給できないよね」っていうマイナス部分も少し見せるわけですよね。「安定で勝負なら、原子力はいざというときに、このマッチョな原子力は必要だよね?」という「両輪で行きましょう」これが基本的な戦略だと思うんですよ。
だから、実際には原発のコストというのはとてつもなく高い、滅茶苦茶高いです。再生可能エネルギーどころの話ではないです。さらには、今回わかったように事故が起こると、とてつもないコストが掛かります。
除染をまともに福島でやったら、イタイイタイ病の除染のペースと同じようにやったら、800兆かかるということになります。
例えば、自然のエネルギー、あるいは火力発電所、事故を起こしても、そんな被害は撒き散らしません。回復の費用もそんなにかかりません。
事故はありうるでしょう。どんなことをやっても。でも原発のように一回起きたら取り返しがつかない。それを回復させるために途方も無いコストがかかるなんてことはないんですよ。
だから論外なんです、原発は。
論外の原発を止めさせる為に、どうしたらいいのか?という問題なんですね。そこの時に「再生可能エネルギーを早くやるんだ」という考え方と、「とにかく脱原発を果たして火力、再生可能エネルギーを含めて、原発というものを一旦やめないと」ずるずる禁煙するんだっていいながら、タバコの本数減らしてるっていう言い訳で、本当にタバコやめられるのか?っていう話ですよ。
こっち側の言い訳のように、「でも僕ジョギング始めたもんね」みたいなこと言ってたって、本当はそれタバコをやめることに繋がらないわけですよ。そういう問題が残りますよね。そこにごまかされやすいトリックがあるんですね。
ここについてズバリ飯田さんはどうお考えなのか?つまり、再生可能エネルギーのシフトしていくことにまずドライブをかけるべきなんだとお考えなのか、脱原発をとにかくやりきりましょうよ、それからですよねというか、同時に考えましょうねということなんですけれども、そのあたりどういうふうにお考えですか?
(飯田氏)運動論的にいうとというか、運動戦略的にいうと、運動選択的にいうとですね、前者、自然エネルギーのドライブを多分7割くらい、後者を3割くらいかなと思っています。というのは、物理的なエネルギーの選択として、自然エネルギーが増えるのは、やっぱり時間がかかりますよ。多分10年20年。ただし、自然エネルギーの普及というのは加速度的に早いんです。
今の全量買取制度ができて、電力会社の送電線の問題とかいくつかクリアしていけば、来年から日本のマーケットも例えば太陽光は去年は100万kwですけれども、来年から、うまくいけば、10倍増という可能性もある。風力も一気に増える。
それで、まず経済セクターをそこ雪崩を打って参加させると、それを経験した多様なセクターが発言できる。プレイヤーを増やすということが大事ですね。そのことが、これまで原子力村とか経産省とかがとってつけたような屁理屈で封じ込めたものを現実に事業をやったり、或いはそこに地域から市民参加をして現実に動き始めた人たちが、よりリアリティを持った議論をぶつけれるようになるので、プレイヤーを増やすという意味での運動論的に、自然エネルギーを早めに多様なプレイヤーがどんどん一気に参入するというのが、これがまず非常に大きな力になります。
同時にもちろん今の再稼動問題をはじめとして、国がやってるのはあまりにもデタラメ破廉恥なロジックで、それに対してはきっちりとした安全性をちゃんと担保してからやれよというようなロジックをこっちから突きつけるという脱原発というよりも、安全性をきっちり突き詰めるロジックを、匕首を突きつけるということですね。こっちの勢力を蓄えて、というか軍勢を増やしながら、向こうには匕首を突きつけるというような、そんなバランスじゃないですかね。
(岩上氏)原発の推進でも、何が何でも原発派っていうのと、安全性を確認しながら、安全推進派というのも居るんだという考え方もあるんです。そうすると安全推進派と脱原発派の中のやや穏健派というのは、手を結びうる可能性がある。つまり、「安全性が確認されたら、そんなにあわてること無いよね、ゆっくりやっていけばいいじゃない」気がついたとたんに、原発の維持、存続しているという状態になるという可能性が。これまでだって、原発やってきた人たちは、結果としてはひどいことやってたんですけど、でも安全に十分留意してますと口では言ってきたんです。だから、そういう状態がまた延命するだけじゃないか?という気がしないこともないんですね。そこに対する厳しい態度で臨まないと。
特に再稼動問題。この夏のピーク、電力不足が起こる、ものすごいキャンペーンが張られた。この裏側には間違いなく、この夏原発が必要なんだよという意識を植え付けて、再稼動の道を開いて、再稼動さえ出来てしまえば、あとは済し崩しで「原発動いてるんだから、急に閉じることは出来ないだろう」という論調に持っていくだろうというタカのくくり方があると思うんです。
という意味では、本当に原発をどちらにするのか?という意味では、分かれ道になる夏なんではないかという気がするんですけれども、ここに重きをおかないでもいいのかな?と思うのですが、この点はどうお考えですか?
(飯田氏)そこはきちんと、まず安全性ももう向こうが言っていたのは口だけの誤魔化しだったので、今でも安全性を高めて原発は慎重に使うって言っている人が今でも口だけの人ばかりですよね。だから、そこはきっちりともちろん突き詰めなきゃいけないんですが、今のところボールが向こう側にある以上、なかなか決め手に欠いている。新しいこれから首相になるのも、大して期待はできない。
もう一つ、それに加えて重要なのは、経済的面からもしっかりと切り込みを入れるということ。つまり、次に仮に事故を起こしたら、今回の東電も本当はそうなんですが、それもやんなきゃいけないんですが、全部経営の自己責任で面倒見ろよと。だから、これは某経営者が言ってましたけれども、事故処理終わったあとの東京電力を、或いは他の電力会社を仮にもし買収することを想定したら、原発一個、次に事故を起こしたら、全財産を失うから止めたよという話を聞いたことがあって。
そういう会社が無くなるんだというリスクをもっと突きつけなきゃいけない。その安全性の話は口だけじゃなくて、もうちょっと真剣に彼らが考えられるような。安全性と経済性、本当の意味での経済性。この二つできちんと突き詰めて、その全体を推し進めるエネルギーというのは、国民の怒りであり、声でありですね。それがもっとそれを真剣に考えろという圧力になる。
(岩上氏)飯田さん、1時半までということで、もうちょっとこれが限界ですね。一言だけ岩井さん、もし飯田さんが居る間に一言ありますか?
(岩井氏)そうですね。ふむふむと聞かせていただいたんですが、個人的には、再生可能エネルギーっていうのは、もっともっと莫大な可能性があるんだろうと思うんです。風力とか太陽光っていうのも、今まであった大学が研究してきた選択肢の一つで、ここまで本気で自然からエネルギーをちゃんともらおうやってことを、ここまで本気で皆が考えたことってないと思うんです。どんどん変化するし進化するし、っていうことが続くと思うので、意外とシフトでぽんとかわるもんじゃないと思って。だから、ユーザーからすると、今太陽光発電のパネルを買うと、2年後とかもっといいのが出るんじゃないか?とかそういうことも含めて、どんな未来像になっていくとお考えですか?
(岩上氏)今、みんな個々の、ミクロの関心が高いですね。一言その辺にアドバイスを。
(飯田氏)今の変化のスピードは、何に一番近いかというと、インターネットの変化のスピードに近いんですよ。だから10年前に想像できなかったことが、今インターネットで出来てる。FacebookとかTwitterとかSkypeでタダで世界中テレビ電話ができる。10年前想像できなかったことが、今できてる。
同じようなことがこれから、自然エネルギーで、同じようなペースで起きていくので、そういう加速度的というかこういう変化は、量もそうだし中身。そこに今GoogleとかSoftbankとかどんどん新しいプレイヤーが参加していくので、ますますそこの変化が早くなっていくということで、多分いま想像できる範囲をはるかに越えた、大きな変化がエネルギーの分野で、しかも分散型っていうか、我々に近い側で起きるというふうに期待を込めて思っていたらいいんじゃないかと思います。
(岩上氏)飯田さん、最後に一言だけ。行かなきゃいけないと思うんですけど、この間6.11の時には、「菅さんに期待を、菅さんに指示を」とおっしゃいました。菅さんはお辞めにならなければいけないでしょう。
その後、先ほど「あまり期待できない顔ぶれ」と。誰か期待できる人いますか?今回は居ませんか?
(飯田氏)今の顔ぶれは、残念ながらあまり居ませんね。
ただ、今しばらく回り道をするんだろうと思うんです。その回り道の結果、問題はより悪くなって、まずその東電のあそこの事故はますます収拾がつかなく酷くなって、汚染はどんどん広がって、我々、普段食物汚染を本当に心配しなければいけない状況がドンドン広がって、東電の救済スキームといわれる、独占原発救済スキームで、一般消費者の我々に電気料金を押し付ける、あのとんでもないスキームは間違いなく破綻するはずです。その全ての問題が悪化する中で、政権が絶対に行き詰まって、経産省も行き詰まる。そういった中で、特に放射能汚染に対する国民の不安と怒りはますます強くなるし、それこそインターネットを使った新しい皆さんの学習とそれに対する社会への働きかけというのが、それこそ3.11前だと、どちらかというと社会のマイナス部分に対する、落ち込んでいくような流れでしたよね。派遣切りとか自殺とか。それが変えないといけないというエネルギーのほうにどんどん向かっていくんじゃないか、向かっていかないといけないと思いますが。そういうエネルギーのマグマがちゃんと溜まっていけば、次の変化に問題がより大きくなったところで、また次に期待をしたいなと思いますね。
(岩上氏)判りました。事態は収束していない。その一言に尽きる。
政治に期待するんではない。我々市民自身のパワーに自らが期待するということだろうと思います。
飯田さん、お時間が来てしまいました。皆さん拍手でお送りください。
どうもありがとうございました。

【その③】に続きます。

飯田さんの最後のパートのお話、さらっとおっしゃっていますが、かなり厳しい内容です。これからどんどん悪化していくのを私たちは耐えることができるでしょうか・・・?
この飯田さんのシナリオですと、Bochibochiは日本という国家の存在も危うくなると思いました。もしかしたら、飯田さんも敢えてそのことはおっしゃらなかっただけかも知れません。

しかし、菅首相の発言にちゃちゃを入れる経産省の話やデモの圧力、とても勉強になりました。
ひとまず、失礼します。

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