※この記事は、
8月15日 現地対策本部:3km圏内の避難住民が26日と9月1に一時帰宅へ
8月17日 東電:工程表の改定発表【毎時2億Bq、人材確保、建屋カバー、現場からのビデオ】
8月15日 菅首相:児玉先生を召集【菅首相だからこそできること】
8月17日 原子力対策本部:小児甲状腺被曝の説明会で『問題となるレベルではない』と説明【その根拠は?】
8月14日 めぐる汚染がれきの処理-福島におくべきか【玄葉担当相と細野担当相】に関連しています。

今日もたねまきジャーナルを聞くことが出来ました。
子どもたちの甲状腺検査、やっぱりそういうことですよね・・・。ですよね・・・・。

どうぞ・・・。

20110818 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章



【以下、時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】

今日は毎日新聞論説員の藤田さんと一緒にうかがう。
まず、今日は福島県の子供を対象にした甲状腺の内部被曝検査で45%で被曝が確認されたことが明らかになった。0.01μSvが26%、0.02μSvが11%、最高が0.10μSvだったということだが、この福島県の子供を対象とした検査で45%の被曝が確認されたということで、この数値を小出先生はどう御覧になる?
(小出氏)私はその報告自体を見ていないので、どうも正確にコメントできないかもしれないが、今千葉さんがおっしゃった0.1μSvとか、その値は恐らく1時間当たりの甲状腺の被曝線量を言っているのだと思う。
それは事故後から積算していって、採取的に何ミリシーベルト、何十ミリシーベルトになるという、そういう評価だと思うが、この評価はとっても難しくて、いつの時点でヨウ素を吸い込んだのかということに関して、かなり大きな仮定を設けない限り、この評価は出来ないと思う。
そして、今回の事故の場合には、事故がおきた当初、11日~15日、あるいは16日に大量のヨウ素が出ているはずで、甲状腺を調べたのは20日、或いは25日以降・・・

はい、調べたのは3月24日から30日までということで伝わってきている。
(小出氏)ですよね。ですからヨウ素は当初に出たものは減ってしまっているし、どのような仮定でその最終的に全体の被曝評価をしたかということは、かなり誤差の多いというか、不確かさの多いことだとまずは思う。
それから、45%というようなことも、ほとんど意味のないことを言っていると思う。それは、要するに検出できたものがただ45%だったということであって、もっと厳密に測定をすれば、恐らく100%の子どもたちが被曝をしていたということになるはず。

時期の問題も大切だし、検査のあり方というのも、今ひとつクリアになったという感じではないということですね。
(小出氏)そうですね。事故対応が後手後手に回ってしまったので、結局ヨウ素剤を使うこともできなかったし、甲状腺の被曝線量を正確に評価する、その機会もかなり失った段階でようやくにして測定をした、そういうデータ。

では、本当に何かの判断基準として、はっきりと明らかにわかるようになったという検査結果ではないということ?
(小出氏)少なくともそういえると思う。

判りました。
それから、こんなニュースもある。
政府と東電の発表だと、最近2週間の放射性物質の推定放出量は、毎時およそ2億ベクレルだということ。
これは3月の事故直後からすると1000万分の1に減ったと政府と東電は言っているが、ちょっとイメージしにくい。2億ベクレルというのは、先生一体どれくらいの量?
(小出氏)それが本当だとすれば、かなり少ないと言っていい。事故当初にはそれの100万倍というものが毎日放出されていたわけだから、随分本当だとすれば、減ったと思うが、ただ、これはこの値は空気中に出ているものだけであって、それ以外に液体で汚染水のほうに出ていっているものもあるので、単純にその2億ベクレルと言ってはいけないと思うし、空気中に出ていっている量というものを正確に評価すること自身がまず難しいと思う。
要するに、発電所全体がもうボロボロになってしまっていて、そこらじゅうから空気中、汚染水に出ていっているわけだから、それをすべて漏れているものを測定するということ自身が、実際上はできなくなっている状態。かなりこれも様々な仮定を取りながら、こんな程度かな?というくらいの値だと思う。

こういう値が出てきたからといって、厳密にどうこうというところまでは、いっていないというような状況だと考えたほうがいいということですね。
(小出氏)随分と放出量が減ってきたということは、多分本当だと思うし、これ以上増やさないという努力を続ける、そのことが大事であって、数字自身にあまり重きを置くべきでないと思う。

わかりました。
政府は、こういったことから、大量に放射性物質の放出が起きる危険性が低下しているというふうに、実は言っていて、緊急時避難準備区域の指定を9月にも解除する方針を決めている。
原発から半径3km以内の地域への一時帰宅も認める方針だが、これについては、小出先生は、どう思われるか?
(小出氏)緊急時避難準備区域というところは、1年間の被曝線量が20mSvにはどうもならなそうだという場所。
でも、もともと普通の人たちは、1年間に1mSvしか被曝をしてはいけないというのが日本の法律。20にならない、例えば19、18であるといったとしても、そんなところに人々を帰すなんてことは、法律違反に本当はあたると思う。
政府自身が自分の決めた法律を守らないで、法律破りをするということを言っているわけだから、そのために政府が本当に今回の事故に対してどういう責任を取るのかということを、まず明らかにしてからやってほしいと私は思う。

まだそれこそ事故が起きる前の基準から考えると、そんなに下がってはいないという状況のなかで、これが行われるということなんですね。
(小出氏)そうです。要するに人々に法律の規制値以上の被曝をさせるということを前提に避難準備区域の解除という話が進んでいる。

(藤田解説員)そうですね、この子供の被曝について、政府の原子力災害対策本部は、問題になるレベルではないというふうに断定的に言っているわけだが、こういう政府の捕らえ方をちょっと本当に信用していいのかな?という気持ちがするがいかがか?
(小出氏)一貫して駄目。要するに政府としては、「ただちに影響は出ない」「影響のでないレベルだ」とか言っているが、私たちが甲状腺被曝をいうことで問題にしているのは、後々のガン。それに関しては、「安全な量なんてない。大丈夫なんていう量はない。どんなに微量でもそれなりの危険が伴う」というのが、現在の学問の到達点。それを無視して、もう問題ないとかいうような説明をするというのは、私は論外だと思う。

(藤田解説員)なるほど。やっぱりその危険性をきっちり特に子供のことだから、将来いろんな問題が出てくる可能性があるから、危険性をきっちり説明することが本当に必要だと思う。
(小出氏)そうです。どの程度の危険があるということをいわなければいけないと思う。

小出先生、国は、緊急時避難準備区域の解除に伴って、除染、放射性物質の除去を行うと言っているが、学校などの場合は、校庭の土を取り除くというようなことである程度わかるかなという気がするが、福島県は山や森の多い県。例えば森林の除染はできるのか?
(小出氏)できない。
だから、今千葉さんがおっしゃったように、学校の校庭とかそういう場所はもちろんむしろやらなければいけないが、そうでない場所、森林とか、???とかそういうろころの除染などはできる道理がないのであって、あたかも除染ができるかのように言うことそのことが間違えている。

では、除染ができないということになったら、そこをどうしていったらいいのか?
(小出氏)もう被曝を覚悟でそこに戻るか、或いは、やはり1年間に1mSvという基準を守って、そこにはもう戻らずにそこを捨てるか、どちらかの選択をする以外にないと思う。
戻る場合には、最低限子供の被曝は少なくしなければいけないので、校庭とか、幼稚園の園庭とか、子供が遊ぶ場所だけは、とりあえず徹底的に除染をする。土を剥いだり、側溝とかの土を揚げるとか、そういう作業は必須だと思う。

でも、やっぱり森林のように除染ができないという場所は、確実に残っていくわけですよね。
(小出氏)そうです。広範に残ると思う。

はあ・・・。
では、例えば学校の除染だと、土をよけたりとか除染が出来る場所でも、よけた後の土の処分方法なども決まっていないわけですよね。広い地域でするということになりと、かなり大量の汚染物質が出来ると思うが、これはもうどう処理していったらいいのか?
(小出氏)『除染』という言葉を私たちは使うが、決して放射性物質そのものが無くなるわけではない。どこか別のところに移すということしか私たちはできない。
例えば、初めのころに、郡山市が学校の校庭の土を剥ぎ取って、市の処分場に捨てに行ったところ、処分場周辺の方々が嫌だと言って、断った。それでしょうがなくて、また校庭に持ち帰って山積みにしたということがあった。
そんなことは本当はしてはいけない。剥ぎ取った土は、本当はどこか人々が触れないようなところに持っていって、集めて埋める、或いはお守りをするということをしなければいけないはずだと思う。
では、それを一体どこにするのか?ということになってしまうと、本当にどうしていいかわからないという状態に私自身もある。

そんな状態のまま、いろいろと物事が進められていって、除染も語られているということですね。
(小出氏)そうです。私自身は学校の校庭の土とか、それは必ず剥ぎ取れと私は言っているので、やらなければいけないと思う。
やった後の汚染した土をどうするのかというところで、本当に難しい問題がまだ残るということ。

はい。わかりました。どうもありがとうございました。
【以上】

失礼します。

にほんブログ村 環境ブログ 原発・放射能へ
にほんブログ村

にほんブログ村 環境ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村