今日のたねまきは、リスナーからの質問でした。
私も質問送ってるんですけど、なかなか選ばれませんね(笑)
いつか読まれるかもしれないので、また送ります。

では、どうぞ。


追記】
仲間が教えてくれたHPをご紹介しておきます。だん吉さん、教えてくれてありがとう!
放射性廃棄物スソ切り処分の問題点:http://homepage3.nifty.com/ksueda/waste0409.html

【以下、時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
毎日新聞論説員池田さんと一緒にうかがう。
今日もスタジオにリスナーの方からの質問がたくさん来ているので、それを順番にお聞きしたい。
まず最初は、神奈川県から。
夫婦で金属化工業を営んでいます。
加工に使う金属の材料は産業廃棄物で出た金属ごみを集めて再生することができる。屋外に放置された産業廃棄物を再生して作られた金属の中に放射性物質が入ってしまう可能性があるのではと心配している。金属に含まれる放射性物質は、ガイガーカウンタなどで計測できるのか、いい計測方法があるなら教えてほしい。
(小出氏)方法はある。
これまでにも、所謂スクラップの中に放射性物質が紛れ込んでしまったという事故は、世界中何件も起きていて、スクラップを製鉄業者が自分の敷地に運び込む時、トラックごと放射線を測定して、異常な放射性物質が入っていないかということを既に実施している。すでに大手の取り扱い業者だと思うがやっているし、技術的にはもちろん可能。ただし、本当にそれをやろうとすると、中小企業の方にとってはかなりの負担になるだろうと思う。

かなり大きな装置を買うということが必要になってくる?
(小出氏)それはそのどこまでの汚染をしらべるかによる。猛烈な汚染だけ判ればいいということであれば、比較的簡便であってもいいが、売るときの製品にちゃんと問題なく売れるようにしようとするなら、かなり精度のいい測定が必要になると思う。

(池田氏)その影響の度合いは?強さはあるだろうが。
(小出氏)これまでは、例えば原子力発電所を解体すると1つの原発を解体するごとに60万立方mというごみが出るという試算になっている。大部分がコンクリートだが、中にはもちろん鋼鉄というものもある。それを全て放射性廃棄物としてお守りをしようとすると、大変なことになるということで、国のほうは汚染の度合いごとに仕分けをする考え方を作った。
 汚染がある程度低いものは、放射性廃棄物の適用をしないで除外してしまう。だから一般の廃品回収業者に渡ってもいいと。それが例えば「家庭のフライパンになってもかまわない」という制度を作った。それは、クリアランスと私たちが呼んでいる制度。その制度で許されていた放射性物質による汚染というのは、こと細かく決められていて、セシウム137だったらこれだけ、コバルト60だったらこれだけ、他の放射能だったらこれだけと決められている。セシウム137とかコバルト60という代表的なものは、1kg当たり100ベクレルという数字。
ところが、今福島第一原発の事故で周辺に猛烈な汚染が広がっているわけだし、がれきは多分それをはるかに超えるものが山ほど出回ってくると私は思う。

では、そういったものを集めて再加工する場合に、中小の業者さんの場合には放射線を測定するというのは、なかなか難しいということ?
(小出氏)はい。何か新しい制度を作ったほうがいいだろうと思う。中小の業者が集まってトラックをどこかに検問所のようなものを造って、そこで集中的に測定するとか。なにか新しい仕組みを作らない限りは、もうこれからは乗り越えられない世界に変わっている。

(池田氏)つまり新しい仕組みを作ったうえで、許された基準値というものがもし設けられるとすれば、その中で我々は生きていくという覚悟をしないといけないということ?
(小出氏)そうです。もうそれしか生きる方法がなくなった。

わかりました。
では、次の質問。
埼玉県に住む主婦です。世間でこれだけ話題になっている放射能汚染だが、子供たちの小学校、中学校では全く原発や放射能について、ホームルームでさえ取り上げられたことがないそうだ。埼玉だって汚染されているはずなのに、全く原発の話が先生からないというのは、やはり文科省が学校も原発も仕切っているから?でも子供にはちゃんと教える対応をしてほしいというのが親の本音。個々の家庭で子供に教えるしかないのか?
(小出氏)もちろん学校で教えるべきだと私は思う。ただし、長い日本の原子力開発の歴史の中で、原子力に関してきちっと教えたことは未だかつて無かったと私は思う。やはりこういう事故が起きてしまっているわけだし、きちっとちゃんとした情報を子供たちに伝えるべきだと思う。

やはり学校というものが原子力に真摯に向き合ってこなかったということ?
(小出氏)そうですね。国が原子力を進めるということにしたから、文科省でも何でも原子力を進めるということを大前提に教科書を作ってきた。学校で原発が危険だなどと先生が発言することは到底許されないまま、ここまで来た。

その結果がこの主婦の方がもつ疑問となったわけですね。
続いて、こちらは、
朝日新聞の報道で福島の原発が10日後に2度目の炉心溶融を起こしていたと伝えられた。一度、溶けて圧力容器の底まで落ちていた燃料が、一度固まったのに十分に冷やせなくて、また溶けて今度は格納容器まで落ちたという話だが、これについて、先生はどうかんがえられるか?
(小出氏)私も新聞で読んだ。ありうることというか、本当にどうだったかということは、私が確信を持っているわけではないが、現在の推移、新聞に載っていた推定によると、それまでなんとか溶かすのを防いでいた炉心が、注水量が減ったがためにまた再び溶けてしまい、遂に圧力容器の底を溶かして下に落ちてしまったということが、3月22日に起きたという、そういう推測が発表された。
それは、確かに裏付ける証拠がいくつもあって、3月22日に大量の放射能がまた空気中に出てきたということが、周辺のモニタリングで観測されている。だから事故が11日に起きて、15日くらいまでは水素爆発等がたびたび起きて大量の放射能が出たが、また22日にかなりのものが出てしまったということ。

質問はまだ続いていて、これがもし本当ならば、2度目の炉心溶融が本当なら、事故直後に東電が社員を全員引き上げさせてくれと言ったのは、もう手のつけようが無く、逃げるしか処置なしと思ったのではないか?
(小出氏)事故直後は皆、というかかなりの方が「これはもう手が打てないので逃げたい」と言ったと思う。それでも逃げてしまえば、あとどうにもならなくなるので、もちろんたくさんの方々が、というか、かなりの方が踏みとどまって現地に残って事故の収束のために働いてくれた。ありがたいことだと思う。

やはりこの2度目の炉心溶融というのは、そう思ってもおかしくないような危険な状態だった?
(小出氏)そうですね。
例えば1979年のスリーマイル島の原発事故が米国で起きた。その時にどんな事故が進行していたかは、よくわからないままだった。炉心が溶けていないのではないかというのが、米国の原子力委員会、原子力規制委員会等の推測だったし、産業界もそういう期待を持っていた。事故後7年半経って、圧力容器の蓋を開けてみたら、炉心が実は既に溶けていたということがわかった。その時に、発電所の会社の人が言ったことは、
「もし、事故が進行しているときに、そのことが分かったなら、運転員はみな逃げていただろう」と言った。
(池田氏)先日、東電が福島第一の1号機と2号機の原子炉建屋の間の配管で、10Svですか、配管あたり。とてつもない数字を検出したということだが、先日もその意味合いについておっしゃっていたが、これは、もう例えば放置するしかない?
(小出氏)多分近づくことがまずは難しいので、防護壁、遮蔽壁を作って少しずつ近づいていって、強烈な放射能がある部分、ダクトの中らしいが、そこを切り離して何かまた容器につめる作業を1年後か2年後か、いつかの時点でやらなければいけないと思う。
(池田氏)原発というのは、ダクトというのは、複雑に入り組んでますよね?
(小出氏)そうですね。

わかりました。ありがとうございました。
【以上】

失礼します。

にほんブログ村 環境ブログ 原発・放射能へ
にほんブログ村