※この記事は、7月27日 【資料UP】児玉龍彦氏:7万人が彷徨っているときに国会は何をやっているのか!@衆議院厚生労働委員会に関連しています。

昨日、あの児玉先生の対談があったと聞いて、すぐさま文字起こし体制に入りました。
国会では時間制限が15分ほどだったので、今回穏やかに話される児玉先生の話は、未来に向けて私たちに希望を持たせてくれる内容になっています。

是非ご覧ください。

なお、資料は追ってUPする予定ですので、ぼちぼちお待ちを・・・(笑)
【追記資料UP】
児玉龍彦国会発表詳細
http://www.slideshare.net/ecru0606/ss-8725343
※後ほど児玉先生の話にあわせて資料を貼っていこうと思いますので、少々お待ちを。

では、どうぞ。

8月5日 児玉龍彦(東大先端研教授)×津田大介(ジャーナリスト) @現代ビジネス
Recorded on 2011/08/05  (66:26)
http://www.ustream.tv/recorded/16442790

【以下、時間のない方のために内容を起こしています。ご参考程度にお願いします。】
大変お待たせしました。本日は津田大輔さんをお迎えして、児玉龍彦先生と対談をお願いしたいということで、急きょセットさせてもらった。児玉先生は皆さんご存知だと思うが、前回国会参考人として出席され、非常に冷静かついろんなデータでいろんな問題点を指摘された。その熱い情熱がYoutubeなどで話題になって、皆さんもっと話を聞きたいという声がすごく多かった。国会も実は限られた時間しかなかったので、まだまだ話せないこと、また国会で実際には資料を配ってそれを元にお話されたが、Youtubeで見た方はその資料が見られなかったので、お話が分かりにくかったところもあると思う。そこも含めて、本日は津田大輔さんが児玉さんにお話を聞いてくれることになっている。
(津田氏)そうですね。だから対談という形ではなくて、どちらかというと一般市民代表っていうわけではないが、聞き手としていろいろ話をもっと、国会で言い足りなかったことをお伺いできればと思う。
まず、細かい話になる前に、あの国会に出席されてYoutubeなどで相当広まって話題になって、反響とかはいかがでしたか?相当あったと思うが?
(児玉氏)いや、びっくりした。国会でわいわい言うっていうのは、いろんな食の安全懇談会とか、子供の遊び場の会とかで毎回言っているが、国会の実際のでいくと、ちょうどあの日子供手当てがあって、議員の出入りも多いし、なんていうか、ずっと集中して聞いているわけではないから、内部で言いたいこといっぱいあって、自分で勝手に盛り上がっていくのを抑えながら、話してやるので大変だった。やってみても、結局そのとおりで、これで帰るっていう、また普通の仕事に戻っていた。そのうちに、息子から「大変なことになってる」って。それでも翌日農林省の会議とかにも行っていた。その時から急に1時間に100通くらいのペースで友達からツイッターでなんとかっていうので。たくさんの方から励ましとか、心配とか批判とか頂いて、やっぱりすごくありがたいと思う。考えて一つのことでいくっていうよりも、僕ら????こういうことでいろんなものが出てきて発展していくというのが、???急に乱気流に入ったように感じて。いい人と勘違いされているかもしれないが、たいしたことないですから。だいたい友人に言わせると、「賞味期限2週間くらい」だから。機会があったらいろいろゆっくりと。
(津田氏)なるほど。僕も児玉先生の質問、答弁というか参考人のを見て思ったのが、なるほどと。結構、科学に対して深い理解がない、我々はどうするのかっていうと、「放射線が漏れてきている、放射能が来ると、放射能をたくさん浴びるとガンになる」というものすごくざっくりとした理解をしてしまう。
児玉先生の説明だと、今回は放射能というものが、分裂期のDNAに損傷を与えて、それがガン抑制遺伝子に障害を及ぼす、それがつまり増殖の時に変化をもたらして、それがガンになるんだってことを、すごく丁寧にこうやって議員の先生たちに分かるように説明されたと思う。多分だから、今回児玉先生がずっとやられている震災以降、ずっと問題になっている、所謂「科学コミュニケーション」というか、科学者の人がデータを下にいろいろな見解を述べるということに対しての、それとやっぱり一般の人の理解には差があって、そこを埋めることの重要性がすごくしていると思う。それを浮き彫りにしたのかな?と思う。
(児玉氏)一番大きいのは、科学者が議論する時に、前提がある。それで、その上で議論している。ところが、前提が間違っていると、皆間違っちゃう。だから、最初ここに出ているやつとか・・・
(津田氏)では、資料を見ながら国会の時に足りなかったところを説明していただく・・・
(児玉氏)前提を切り替えるのは大変。これまでの議論って、皆放射線は安全というのは、マイクロシーベルトでやるとか、どこにいくつ出ているから安全だとか不安だとか言って、その数量で延々と何年もやっている。
 だけど、今回の事態の一番すごいのは、僕が最初に思ったのは、5μSvっていう値ではなく、出発点から100kmで5μSvだったこと。このすごい量が出ている。すごい量がでちゃうと、もうその平均は5μかもしれないけど、あるところは10倍100倍ってすぐいくと、あるところは500μSvかもしれないし、またすぐ傍でも0.5かもしんない。そういうふうな問題だと思った。
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そうすると例えば、文部省が子供の被曝っていうのを計算するときに、学校にいる時間の被曝を計算している。だけど、うちへ帰っても被曝するし、意味がない。それから食品一個食べる時に、「この食品を何百キロ食べたら被害が出ます」という言い方をするが、全部の食品に入る可能性がある。現実に起こっている。それから、思いもかけないところで濃縮されるということも起こる。
だから、問題の質がガラッと変わってしまって、今までの我々がやっている、ここにもいっぱいアイソトープの記録があるが、これは全部ある前提でアイソトープがあって、そこから距離を離せばいいとか、ここの濃度、身体についてしまったら、その点の濃度を見ればいいという話だが、今度は面とか空間で全部そこに出ちゃっている。だから、もう法律も駄目だし、あれも駄目だし、全部変わっちゃった。
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それで、ところがその変わってしまっているのに、学会の専門家も文部省だとかその他のお役人も政府の人も問題が変わっていることに気づいていない。だから、10代の子の障害防止法みたいにして、その辺を考えてしまう。
(津田氏)それくらいの規模のかなりイレギュラー、大きな事態が起こっているにも関わらず、平常時のもので対処しようとしたので、「直ちに影響はない」というような言い方でいろんな処理が遅れていく・・・
(児玉氏)今、出ている食の安全とかそういう議論、全部それじゃないですか。
(津田氏)それ以上にまず「収束が、」ってことばっかり言う。
(児玉氏)はい。だから今放射線被害を言う時に、あともうちょっと違うと思うのは、実際に我々がアイソトープを受け入れるとか廃棄とかやるときに、僕らは例えばP3T2というリン酸とI120というヨウ素を別々に扱う。ところが、マイクロシーベルトという議論だとみんな一つにしてしまう。アルファ線を出す、国会でも言ったが、トロトラストというのは、肝臓に溜まる。それから、ヨウ素は甲状腺、セシウムは膀胱がんになったりする。そうすると、膀胱におけるセシウムとか、肝臓におけるものとか、一つずつ違いますよね。普通病気とか汚染という時に、カドミウムでも水銀でも、例えば、同じ水銀でも有機水銀と無機水銀で全然違って、水俣病になったのは有機水銀。そうすると、今度例えば出てるのに、福島の場合、一番最初はやっぱりヨウ素。だけど、ヨウ素のときは、SPEEDIとか伝えなかった。半減期は8日。そうすると、もう1ヶ月で大体8分の1、2ヶ月で64分の1、3ヶ月でその512というふうに、もう全然検出限界以下になっちゃっているから、ヨウ素の問題は、本当は一番最初にここが避難しろというときに???、そのタイミングはもう終わってしまっている。それで、今は、セシウムですよね。セシウムの問題をやらなくてはいけない。
(津田氏)SPEEDIに関して言うと、当初公開が遅れてしまったっていうところで、いろいろ問題が指摘されているが、一方で科学者の中でもSPEEDIみたいなものを公開しても、それを一般市民が見ても、正しく読み取れる人が少ないからむしろそれで混乱を招いてしまうんだから、公開しなくていいんじゃないかという意見を持っている方も多いと思う。児玉先生は、その辺はどうか?
(児玉氏)その前に、科学者の人も勘違いしている。
(津田氏)というと?
(児玉氏)昔の人は、疫学とか統計学が好き。今コンピュータ世代の研究者は、予測とシミュレーションが好き。それで、疫学と統計学と、予測とシミュレーションを我々がやると全然違う。
(津田氏)どう違う?
(児玉氏)疫学とか統計学をやるのには、パラメータが多いほど正確になるという考え方。だから、僕の専門は生活習慣病だが、よくメタボリックシンドロームというじゃないですか。お腹の周囲が何センチとか中性脂肪、コレステロールがいくつとかという人は、心筋梗塞になったという統計処理をやって、これで病気のシンドロームを言う。こういうのは、プロスペクティブにやるときは、パラメータを増やすほど、ある因果関係が見えたように思うじゃないですか。ところが、予測、プロスペクティブにあてると、パラメータが多いと外れる。パラメータは少なくしないと駄目。少ないパラメータでメカニズムで予測しないと駄目。
それで、SPEEDI問題も、結局僕が見てると、文科省とか原子力安全委員会が、シミュレーションというものを全く理解していない。経済産業省とか原子力保安院の報告書を見ると、「SPEEDIはデータが足りなかったから、発表しなかった。」
(津田氏)足りないんだったら、むしろするのが正しいわけ・・・
(児玉氏)予測って、データが全部あったら、実測であって、そんなものシミュレーションじゃない。
(津田氏)確かに。
(児玉氏)だから、今発表したらパニックになるとか言っている人は、「予測」というのを全く理解していない。だから、「予測」というのは、少ないデータでやるわけだから、少ないデータの中で一番正確な予測がSPEEDIなわけ。それ、僕はコンピュータをいろいろやっているが知っているが、SPEEDIは民間企業が動かすんです。はっきり言うと。国なんてできない。それで、SPEEDIを動かしているところは、フルに動かしていた。だってそれで後でデータが足りないってシミュレーションだから、当たり前なわけ。
だから、多分コンピュータとかネットの人はすぐ分かると思うが、統計とか疫学っていうのはある意味古い。なにかというと、我々が今やろうとしていることは、未来の予測をやろうとしている。予測やろうとすると、計算量もすごくなるし、コンピュータもフルに使えないと駄目だから、そういう予測をどんどん出さないと駄目というのが、いろはの「い」。
だから、今おっしゃっていた議論の「予測」が何とかだったら不安になるんじゃないかっていう議論は、要するに過去の疫学とか統計を知らない人で、予測の仕方でより正確なものを出したら不安になるっていう議論が変だと思う。
だから、予測って難しいんですよ。
(津田氏)天気予報だって100%あたるわけではないですし。
(児玉氏)でも、天気予報、けっこう当たってきて、地球シミュレータとか出来て、すごく良くなって来ているじゃないですか。だから、その国会で言いたかったのは、「なぜ21世紀の日本なのに、19世紀みたいな議論やってんだ?」と。
(津田氏)なるほどね。
(児玉氏)だから、一つの数値にして、マイクロシーベルトがどうこうとか、測りもしないで議論してる。それで安全だと言うたびに、どんどん皆不安に思ってしまう。
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(津田氏)なるほど。ほかに国会でまだまだ時間が足りなくて言い足りなかったこととかあれば伺っていきたい。
(児玉氏)はい。今のところで一番やっぱり大きいと思うのは、今、こういうマップが出ている。いろいろと線量の。データをたくさん取る場合に、どう取るかというと、例えば原子力学会なんかはすごく古くて、一キロメッシュでとるとか言ってる。でも今は、僕が思うには、アメリカ軍なんかは空からバーッとスキャンしちゃう。あのほうが全然早い。僕も現地で測定とか除染とかやってるから、ものすごく知りたいのは、今例えば300mとか500mとかもっと上から取った航空のものしかない。それで、「イメージングベースで」と繰り返し言っているのは、要するに空から取るには100mくらいの高さでなめるように取ってくれたら、どっかの小学校危ないかもしれない、どこかの幼稚園危ないかもしれない、この幼稚園はそんなに心配ないとか、さっきまだ同心円でどうとか議論やってるじゃないですか?だからなんでデータをバーッと。僕らの科学って「データドリブン」ていうもの。データで駆動される、データドリブンのサイエンスというのが、コンピュータを使って当たり前。サイエンスでは。ところがそういうのが全然入っていないから、私で1キロメッシュとか2キロメッシュとか、のん気なことで話がいっていて。
まず住民が求めてるのは、Google Earthみたいなもの。だから、政府から・・・
(津田氏)Google Earthで拡大していったら、「ここは線量高い」みたいなね。
(児玉氏)だから、Google Radioactivityを作って、クリックしたらうちはここですよっていうのが分かるのが当たり前だと。
(津田氏)そのためには政府がお金を掛けて、本当にこまかくモニタリングしていく・・・
(児玉氏)あれ、空間で空から取るイメージングなんて、NHKスペシャルでフランスのを借りてやっているとか言ってたくらい出回っている機械なわけ。
(津田氏)技術としては十分にある?
(児玉氏)そこは十分にあるんだと思う。だから、そういうものを徹底してつかって、まず被災地域の・・・。これはどこかネットに出ていたどちらかの偉い方がこういうマップを作ってくれて、我々も使えているが、やっぱりこういうものをもっとなめるように政府が作って、今出ているものは高いところが出ているだけで、もっと引くところから細かくとって、Google Radiationの解像度のいい奴を早く作っちゃいなさいという考え。
(津田氏)なんでそれができない?それを邪魔しているものは何?
(児玉氏)一番大きいのは、あの時にいろいろ提案したかったが、やっぱりある問題が起こって非常時のときに、いろんな情報を区分けだと無理。例えば、食品のスクリーニングのことでも私は随分申し上げたが、農産物を作っているのは、農林省。だけど食品の検査は、厚生省。それで機器の開発は経産省。だから、国会で翌日農林省に農林省の審議官と話したが、やっぱり『自分たちがいくら作っても、厚生省が「うん」と言わないと使えない』とか。
今回の非常事態の場合は、やっぱり従来の障害防止法より上位の法律が要るんじゃないかと。
(津田氏)完全に縦割り行政の弊害が・・・
(児玉氏)あの中でも自分も法律破ってますよって散々言ったのは、アイソトープを運ぼうとすると、これだけ法律がある。航空法、船舶法、車両法、何とか法。だから、アイソトープこっちに出ているのは、全部こっちに関わる法律。カメラで拡大できますか?そこに出ているが、細かいことはいいですが、アイソトープ、これだけの法律がある。そうすると、何かあいまいな新しい法律を作っても、きっと今までの法律とどっちが上位かっていう議論が延々と出る。それを一番感じたのは、5月の全国アイソトープセンター長会議をしたときに、私は東大のセンター長として行って、九州でやった。
「福島原発は皆アイソトープ統合センターだから、これはすごい熱い議論をやろう」と言った。文部省の規制室の方も来ていて講演されていたが、福島原発の問題を議論した時に、「僕らがこういうのやろう」と言った時に、規制室の方は非常に困っていた。僕も割りとおっちょこちょいだから、あの調子で
「規制室は国民の健康に責任を持とうっていうのではないのですか?」
って言ったら、
「私たちは、国民の健康に責任を持つわけではなく、今の法律に従って取扱者を規制しなくてはいけない」
と言って、最初は違和感を覚えたが、考えてみたら、僕は国会に出て「法律違反やってます」と言ったら、すぐにいろんな方からワーッと来て、実際に「放射線の取り扱いはどうなっているのか?」とか言われるわけ。こっちみたいに、ある程度、「あの人だったら、いろいろ変なことがあってもやりそう」って、打たれ強そう・・・
(津田氏)キャラ勝ち・・・(笑)

【その②】に続きます。

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