【動画で見る炉心溶融】
独立行政法人・原子力安全基盤機構が事故前に、原子力防災専門官向け資料として作成していた、炉心溶融のシミュレーション画像。



恐らく、このシミュレーションの内容が、現実に少なくとも1号機で起こっているのだとBochibochiは思います。
後藤さんもフランジから漏れるという点、ほぼ同様のことを事故後の検証でおっしゃっていたと記憶しています。

いろいろなことを総合して考えると、これが現実なんだと思います。
そして、最後の一文が物語っています。

「最悪の事態に至った場合でも、
住民の方々に安全・安心していただけるよう、
日頃から、防災担当者への訓練を通して、
原子力災害時の対応能力の習熟に努めております。」

何一つ、できていません。

【追記】
動画で見る炉心溶融 求められる実態の解明
BPnet ECO Japan 2011年7月22日 中西清隆(日経エコロジ-)

 政府は全国の原発でストレステスト(耐性調査)を実施する。第1段階として、定期点検を終えた原発から順次、地震や津波にどの程度耐えられるかを調べ、再稼働の可否を判断するとした。

 菅直人首相による突然の表明は、原発の再稼働問題を大きく混乱させた。政府の混乱について問われた日本経団連の米倉弘昌会長(住友化学会長)は「政府統一見解を発表せざるを得ないなんて、ばかな話は考えられない」と批判した。

 一方でストレステストの実施自体は国際的な流れになっている。欧州連合(EU)は福島第1原発事故を受け、域内14カ国にある143基を対象に6月からすでにテストを始めている。国際原子力機関(IAEA)の閣僚会議でも加盟国の実施で合意した。こうした中、事故当事国の日本は電力不足という事態を前に安全確認の議論がこれまで後手に回っていたとも言える。

 ストレステストは、原発がぎりぎりどこまで耐えうるかを評価する。限界がどの程度かを把握するのが目的で、決められた安全基準への適合性をチェックする通常の安全審査とは異なる。EUでは地震、洪水、航空機の落下などを想定し、全電源喪失、冷却手段喪失などへの対処能力を評価する。

 災害など大きな異変に見舞われたとき、最も重要なのは原発を安全に止めること。次いで冷却途絶による炉心溶融の回避だ。炉心溶融は燃料棒内に封じられている放射性物質の漏出につながる。福島第1の1~3号機では実際に起こってしまったわけだが、不測の事態が発生したときもこれをどう食い止めるかが、すべての原発でテーマになる。

 ECO JAPANでは、独立行政法人・原子力安全基盤機構が事故前に、原子力防災専門官向け資料として作成していた、炉心溶融のシミュレーション画像を入手した。電源喪失や冷却機能喪失により原子炉内部で何が起こるのか。そこには、目視不可能な炉心溶融のプロセスが見事にCGで再現されていた。

 CGは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が基本設計をしたマークI型の沸騰水型原子炉(BWR)で、炉心が冷却不全に陥って生じるシビアアクシデント(過酷事故)を画像化している。フラスコ型の格納容器とドーナツ型の圧力制御室プールを組み合わせた構造で、事故を起こした福島第1の1-3号機のほか同4-5機もマークI型だ。

 シミュレーションの想定は、事後発生後に制御棒が完全に挿入され、原子炉(核分裂反応)が停止した後、配管破断で冷却が不可能になったケースだ。電源喪失と配管破断の違いはあるが、炉心部分への注水失敗による炉心加熱は今回の事故と同じである。
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110622/106729/?P=1


圧力容器を突き抜ける溶融燃料
 核分裂反応が止まっても炉心は発熱を続ける。炉心は燃料の核分裂反応で生成した膨大な放射性物質(放射能)を蓄積している。放射性物質が放射線を放出して熱(崩壊熱)になるためだ。一番内側にある圧力容器への注水が遮断されると、炉心温度は上昇し、冷却水が蒸発して水位が下がり、炉心がむき出しになる。炉心温度は自身が発する熱でさらに上昇し、千数百~3000℃という高温空焚き状態の中で炉心溶融が始まる。

 炉心は核燃料を装填した多数の燃料棒の集合体だ。1本の燃料棒は直径約1cm・長さ約4mの細長いジルコニウム合金被覆管に、燃料である二酸化ウランのペレットを詰め込んでいる。炉心は2万~4万本の燃料棒で構成されている。

 燃料を被覆するジルコニウム合金は燃料の核分裂に必要な中性子の吸収が少なく、核反応を効率的に進めるのに適した素材だ(ちなみに、原子炉の停止は中性子の吸収が大きい物質=制御棒を炉心部に挿入する)。半面、1000℃以上の高温になると水と反応する。水から酸素を奪って自身は酸化ジルコニウムへと変化する一方で、水素ガスが発生する。これが今回、原子炉建て屋を吹き飛ばした水素爆発の原因だ。

 配管破断による冷却材流出と注水失敗を想定したCGでは、事故発生後約30分で高温の炉心中央部が溶け、1時間後には燃料支持台を突き抜けて圧力容器下部に落下する。圧力容器は厚さ12~15cmの鋼鉄製だが、容器下部に落下した高温の溶融燃料は約3時間後には容器を貫通し、容器支持体(ペデスタル)のコンクリート製中間床面に落下。やがて中間床面をも突き破り、さらに下部のコンクリート床面に落ちていく。コンクリートを溶かす過程で発生したガスが容器に充満し、圧力による容器破損を防ぐために、放射能を含むガスを外気へ放出せざるを得なくなる・・・。シミュレーション画像は炉心溶融のすさまじさを“予言”していた。
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110622/106729/?P=2

東電と保安院の食い違い
 今回の事故はCG通りではない。東京電力と原子力安全・保安院はそれぞれ、温度や圧力、放射線量などのデータ解析から初期の事故経過を推定している。

 福島第1原発は非常用交流発電機が失われた後も、バッテリーなどで駆動する冷却システムが部分的に動作したため、完全に冷却不能になったCGの想定よりは事故の進行に時間を要した。それらの条件が1~3号機で異なり、それぞれの圧力容器破損や水素爆発に至る経緯や時間の違いになって現れた。

 だが、事故経過の分析は東電と保安院の間でズレがある。

 地震発生で原子炉が止まったのは、1~3号機とも3月11日14時46分。津波により非常用交流電源を喪失したのが同15時37分から15時42分の間である

 これ以降の見解は東電と保安院で異なる。12日15時36分、最初に水素爆発を起こした1号機の場合、炉心溶融による圧力容器破損を東電は12日の6時ごろ(地震発生後約15時間)と推定しているのに対して、保安院の解析ではもっと早い段階の11日20時ごろ(同約5時間後)に生じたことになっている。15日6時20分、3つの中では最も遅く水素爆発が起きた2号機では、保安院が圧力容器破損を前日14日の22時50分と推定しているが、東電は爆発後の16日4時ごろとしている

 「事故の進行状況を知ることは、地震や津波に対して何が直接のきっかけとなり、どんな防備が欠けていたのか、東電や監督官庁の責任を含めて事故対応はどうだったのかなどを検証するうえで極めて重要」と核燃料化学が専門の舘野淳・元中央大学教授は指摘する。

 設定条件で解析結果は変わるものの、両者のズレは事故の実態や真相が十分に解明されていないことを意味している。

 当初の事故に対する認識にも問題があった。東電は5月になるまで、多くの専門家の指摘にもかかわらず炉心溶融自体を認めていなかった

 事故発生前に作成したシミュレーション画像は、同じ型の原発が冷却不全を起こせば、短時間に炉心が溶融し、圧力容器を突き抜ける可能性を明瞭に示していた。早い段階から炉心溶融を想定した行動がとれていれば、その後の事故や放射能などへの対応は違っていたかもしれない。

 政府はストレステストの詳細を詰めている最中だが、実施すると決めた以上、安全審査としての高い有効性が求められる。不測の事態が実際に起きたときの対応の詰めも必須だ。放射能が外部に漏れ出た今回の事故プロセスと事故対応の解明と検証は欠かせない。
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110622/106729/?P=3

失礼します。

にほんブログ村 環境ブログ 原発・放射能へ
にほんブログ村

【追記】
12月9日 原子力安全基盤機構:『ICが正常に動いていれば、メルトダウン回避』との解析結果を発表の記事をUPしています。