今日のたねまきジャーナルは、リスナーの質問に答える形でした。
やはり、被ばく関係の質問ばかりです。

どうぞ。

20110721 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【以下、時間がない方のために、内容を起こしています。ご参考まで】

今日も、リスナーの質問がたくさん来ているので、順番にお聞きしたい。
まず、一番たくさん来ている質問。
大阪から。
半減期が8日の要素131などは、とっくに不検出になっているはずだが、東京都下水道局が発表している下水の脱水汚泥中の放射性物質はセシウムだけではなく、未だに要素131が検出されている。最近の検出結果では、息子の家族が住んでいる府中市や足立区などは、要素131の検出量が増加している。これは一体なぜか?
(小出氏)問題はヨウ素だけの濃度を見るのではなく、セシウムとの比を見たほうがいい。もともとは、事故が起きた当初は、ヨウ素はセシウムの10倍くらいあった。今は、約4ヶ月、130日くらい経っているでしょうか、そうすると半減期の10倍から15倍くらいたっていると思うが、そうすると1000分の1にはもちろんなっている。3万分の1くらいにはなっていると思う。ヨウ素が。だから、もともとセシウムの10倍あったが、それが3万分の1になったとすると、セシウムの3000分の1くらいのヨウ素が存在していることは、もちろんあり得る。

半減に半減を繰り返して・・・
(小出氏)そうです。なくなっているわけではない。下水の汚泥にはものすごい濃度の放射性物質、ヨウ素、セシウムも含まれている。ヨウ素がまだ残っていたとしても不思議ではない。だからセシウムとの比をとって考えてみたほうがいい。

必ずしも、今こうやってヨウ素が検出されているからといって、継続してたくさんのヨウ素が原発から放出されているというわけではないということですね?
(小出氏)だと思う。今聞かせていただいたデータを見ていないので、正確に答えられないが、ヨウ素だけを見ているのでは駄目だと思う。

次の質問。イタリアのミラノから。
今月中旬から肉牛の汚染が話題になっているが、肉牛が汚染されていれば、乳牛も汚染されていると考えるのが普通だと思う。牛が汚染されているなら豚や鶏だって汚染されたえさを与えられた可能性を否定できないから、是非小出先生の意見を聞きたい。
(小出氏)もちろん。豚も汚れていると思うし、鶏も汚れていると思う。

それが、どのくらいのレベルに達しているかどうか・・・・
(小出氏)それは、計測してみないとわからないし、今問題になっている牛はいわゆる稲わらを食べていたという。豚とか鶏にどういう食べ物を与えているのか私は正確に知らないが、事故の当時国内にあったものであれば、同じ現象が必ず起きると思う。

やはり同じように放射性物質を含んだものになっているということですね。
(毎日新聞論説員・近藤氏)先生、この肉牛の対策だが、やはり全頭検査というのが必要なんでしょうか?するとすればかなり手間のかかる作業か?
(小出氏)結構手間のかかる作業です。ただし、肉牛って何百頭とか、精々千頭とかの単位で済むのではないか。

(近藤氏)そうですね。何百頭単位だと思う。
(小出氏)そうであればできると思うので、やったほうがいいと私は思う。

次は、千葉県から。
いよいよ夏になった。海の水温もどんどん上がり入道雲の発生から雨という夏の自然サイクルが始まる。福島から海に投棄された汚染水に含まれている放射性物質が、雨となって再び陸に戻ってくる可能性はあるか?
(小出氏)もちろん原理的に言えばある。海へ流れていっているわけで、海から蒸発したものがまた雨となって陸にふってくるわけで、例えば、流されている放射能の中にはトリチウムという名前の放射能もある。これは所謂水素。放射能をもった水素。それも海へ流れているはずで、環境に出ると水の形になる。H2Oという形になる。海水が蒸発して雲になれば、それがまた雨になって落ちてくる。もちろん循環して陸にもまた戻ってくる。

どこかだけに固まってというわけではないと思うが、広く、薄くという形で編めとして陸に戻ってくるということ?
(小出氏)そうですね。いろいろな形で一度福島から出たものは、汚染をあちこちに広げながらグルグル回るということになると思う。

放射性物質は基本的には無くならないですよね。
(小出氏)そうですね。半減期でなくなってはくれるが、自然にも放射能を放射能でなくする力はないので、結局どこかに回り続けることになる。

形を変えて、常にどこかにあるということですね。
続いての質問。
人口放射線核種と天然放射線核種の違いということで、ある方の話を聞いた。そしたら、放射線としては同じだが、人口は蓄積し、天然は蓄積しないと話をされた。今、福島から漏れている放射線は、自然放射線と同じだという話をされるが、やはり、人口と天然では動き方が違うのか?
(小出氏)要するに、私たちが放射能を呼んでいるものは、放射性物質のこと。物だから、身体に取り込んだときの人間の身体の代謝は、物質ごとに違っている。例えば、ヨウ素についていうと、人間にとっては必ず必要な元素。それを甲状腺というところに集めて、ホルモンを作り出す役割がある。天然であるヨウ素は、一切放射能を持っていない、そういうヨウ素だけが天然になる。そういうヨウ素を人間という生き物は、甲状腺に貯めてホルモンを作っている。でも、原子力発電所の事故が起きると、放射能を持ったヨウ素が飛び出してくる。私達人間側から見ると、放射能を持ったヨウ素なのか、持っていないヨウ素なのか、全く区別がつかない。だから、放射能を持ったヨウ素が環境に漏れてきてしまうと、それをせっせと身体に蓄積してしまう。それが甲状腺に集まると、甲状腺ガンになるし、甲状腺の機能を失うことになる。天然という状態で放射能を持ったヨウ素は無いところに、放射能を持ったヨウ素が出てきてしまうわけだから、それは人間にとっては、ある意味危険を抱えてしまうということになる。

本来、取り込むべきでないものを、身体の中に取り込んでしまっていっているということですね。
ありがとうございました。
【以上】

失礼します。

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