オンタイムで聞いていたのですが、ようやくお越しができたので、ご紹介します。
バズビー氏の話を聞いた後、小出先生の話を聞くと同じ考えをもっていらっしゃるのがよくわかります。
東電と政府が何をしているのか、よく見てみましょう。

どうぞ。

【福島原発】7/20/水★政府:Step1達成しました⇒「私も分かりません」


【以下時間のない方のために、内容を起こしています。ご参考まで】
まず、福島第一原発の収束に向けての作業の工程表が改定された件で伺いたい。
現状は、ステップ1で目指していたのが、安定的に冷却をするということだった。これが出来たという話のようだが、そこでリスナーから質問が来た。
ラジオネーム「変な国だよ、日本」さんから。
政府は原子炉の安定的な冷却を達成したと言っているが、メルトスルーしてしまった核燃料をどうやって安定的に冷却しているのでしょうか?教えてください。
(小出氏)私もわかりません。

小出先生もわからない。
つまり、メルトスルーしてしまった核燃料をいうのは、格納容器の中にも核燃料、溶けてメルトして、つまり穴から下に落ちてしまったという意味ですよね。つまり、格納容器の中にないということ?
(小出氏)ない可能性が高いと私は思う。

その核燃料を安定的に冷却したことに達成したということは、どういうこと?
(小出氏)ありえないですね。

そうですよね・・・。
(近藤氏)先生、その安定的にというのはどういう意味で使っているんですかね?
(小出氏)もともと工程表が出たときには、冷温停止をさせると言った。原子炉圧力容器が健全で、その中に炉心という部分が残っていて、そこに水を入れながら100度以下にする。それが冷温停止という概念。循環式の冷却回路を作ってなんとかそれを達成するというのが、ロードマップが出来た時の考え方だった。
 もちろん、私もそれをしてほしいと思ったが、なかなか難しいだろうと思っていた。5月になって東電は、炉心は全部溶けてしまっている、圧力容器にも穴があいてしまっていると認めた。もともと冷温停止などは、全くできなくなっている。つまり、ロードマップ自身が、はじめから意味を成さない状態になっている。そのことをまず政府・東電が認めて、やり方の変更を言わなければいけなかったと思う。

(近藤氏)廃炉という言葉を聴くが、この廃炉になれば、収束ということと言える?
(小出氏)廃炉というのは、核燃料を原子炉から取り出して初めて廃炉ができるというのが、これまでの概念だった。もう原子炉の中に炉心がない。どうすれば溶け落ちた核燃料を取り出せるかということすら全くわからない。

(近藤氏)これは、先生たちの技術的知識を以っても答えは出ない?
(小出氏)1979年にスリーマイル島で炉心が溶けた事故があった。その時は、圧力容器そのものは壊れなかった。幸いにして。原子炉の上のほうから、圧力容器の蓋を開けてみれば、溶けてはいたが、炉心は底にあった。だから、取り出すこともできた。

(近藤氏)その時は一基だけですよね?
(小出氏)一基だけ。でも、もう既に今回の場合は、溶けた炉心が圧力容器から下に落ちてしまっているのだから、もう見ることもできない。取り出すこともできんない。

(近藤氏)溶けるというのは、どんな状況?バターみたいになる?
(小出氏)もともとウランというものは、瀬戸物の形で固めてある。近藤さん、ちょっと想像してください。自分の家の茶碗や皿、瀬戸物がどろどろに溶けるという状態。

(近藤氏)そういう感じか・・・。
(小出氏)はい。要するに、溶岩のようですね。高温になって、光を発しながら溶け落ちていく状態。

それだったら、炉の下のところを掘って、溶けているものをスコップで掘り起こすような感じで出して、土やセメントなども一緒にしてプールに入れたらどうですか?
(小出氏)炉の下を掘るということ自身がものすごい危険。むしろ私はもし炉心が地面の中にめり込んでいるのだとしたら、めり込んでいる場所で封印するのが一番いいと私は思う。

めり込んだ場所を動かさず、そこそのものをセメントなどで封印するということ?
(小出氏)そうです。チェルノブイリの原子力発電所を封印したときもそうだったが、溶けた炉心は、チェルノブイリの場合も地下に流れ落ちていた。そこを含めて全部を石棺という形で封じ込めることをした。

(近藤氏)40年経って、もうコンクリートもボロボロでしょ?
(小出氏)25年経ってボロボロです。今またその作った石棺をまたもう一つもっと大きな石棺で覆って放射能が出ないようにしようという工事が始まっている。

(近藤氏)そうすると今の日本の状態は、世界的に考えても人類初のケースですね。
(小出氏)まさに初めて直面している、大変な大惨事です。

(近藤氏)それを、ステップ1だの2だの軽々しく言うなという気がするが?
(小出氏)はい。近藤さんのおっしゃるとおり。私もそう思う。

でも、私はこのステップ1の目的が達成できたと言われると、細かいことは判らないので、「達成できた」という文字だけが自分の心に残る。そういう方が多いのではないか?
(小出氏)そうですね。

その「達成」という文字にものすごくこだわっているのではないかと・・・?
(近藤氏)そこに「安定」なんていう言葉がつくと、本当に皆ふるさとに帰ってこられるという印象すらある。
(小出氏)そうですね。でも、皆さんにもちゃんと考えていただきたいと思うが、東電と今の日本の政府というのは、今回の事故を起こした最大の責任者だし、最大の犯罪者。その二つがなんとか事故を小さく見せたいとして、今安定化であるとかロードマップを達成したとか言っているが、私から見るとちゃんちゃらおかしいし、そんなものを信用してはいけないと思う。

(近藤氏)さりとて見通しだが、どうなんでしょう?石棺にしろ何にしろ、廃炉に向けての実現性というのは、日本で無理か?
(小出氏)できるっというか、やらなけばいけない。それを米国に頼んだりフランスに頼んだりしたとしても、やるべきことは同じ。たいした力にならないと私は思う。

誰がその策を考えていくのかというと、原子炉の解体は、原子力委員会のもとで専門家が具体的な方法を検討するといっている。原子力委員会というのは、あの斑目さん、まだお辞めにならない、あの原子力委員会のもとで進めるということに対して、小出先生は・・・
(小出氏)今のままの原子力村の体制では全く駄目だから、抜本的に改革しなければいけないと思う。

まず、原子力村を改定することが必要なんですね。
(近藤氏)体制とか村とかいうレベルではなく、技術として不可能なんじゃないか?
(小出氏)要するに、人類始まって以来のことに直面している。本当にどういうやり方がいいのかよくわからない。だから、米国、イギリス、フランス、ロシアでもいいが、そういうところの専門家の知識を借りるということも大切なことだと思う。ただ、どこの国もやったことがないので、これだという決定的な方策は多分出ない。一つ一つやらなければいけないし、今やらなければいけないことは決まっている。めり込んでいく炉心が地下水と接触することを絶たないといけない。私は前から聞いていただいているように地下にバリアを貼る、地下ダムという言葉を使う人もいるが、それをやらなければいけない。さらに環境に汚染を防ぐために、溜まっている汚染水をなんとか漏れないところへ移さなければいけない。とにかく緊急にやらなければいけないことを、一つ一つ積み上げていく、その先にしか、多分方策は見えてこないと思う。

地下ダムという地下水に触れないように汚染水を遮断する壁を作るという話をすぐにやる話なのかと私は思っていた。小出先生が前からおっしゃっていた。でもどうやら工程表の中では、ステップ3でやることになっている。今から陣頭に着手する。考えるってこと。
(小出氏)あまりにも遅すぎる。

(近藤氏)その間、地下に汚水が流れているんでしょ?そのことを何も言わない。それはやっぱ、言わないかんわな~。
(小出氏)そうです。でも、この番組でもタンカーという案を本当に初期の頃に出したが、それもまだ検討しているという話は何度か聞いたが、結局それから動かない。さっきのラジオネームの方、「日本の国が」何とかという、本当に変な国だと私は思う。

(近藤氏)今そのステップ1が終わるということを総理大臣も言っているが、それは要するに窒素を入れていた、或いは大気中に放射性物質が出にくくなっているということで言っているわけ?
(小出氏)そのようですね。あまり本質的でないことだけを手柄話のようにしているふうに私には聞こえる。

まずは、冷やしても冷やしてもそこに冷やす対象の核燃料がないかもしれないというここの大前提を認めないと工程表全部を変えるということにはならないでしょうね。
(小出氏)そうだと思う。

ありがとうございました。

【以上】

失礼します。

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