ようやくまとめができました。
内容的には、中盤、Bochibochiにはついていけない理系的要素が満載で、途中でギブアップしようかとも思いましたが、後藤さんの言いたいことを少しでも判りたかったので、なんとか最後まで辿り着けました。
前半で、後藤さんがおっしゃった、「菅さんは、原発対応については、その行動を見る限りしごくまっとうだ」という話、Bochibochiもそう思います。いろいろ他に問題はあれど、結果を見れば浜岡をとめ、ストレステストを導入し、脱原発依存を会見で発言しました。その流れを見るに、菅さんの発言を実現できるように支えていけば、道筋くらいはできるんではなかろうかと思っています。甘いとは思いますが、やはり今までの首相が誰もいえなかったことを言ったという点は少なくとも評価したいし、支持したいと思います。

では、少し長いですが、どうぞ。
2011/7/13 ストレステストについて 後藤政志氏 (83:05)
http://www.ustream.tv/recorded/15967362

【以下時間のない方のために、内容をおこしています。ご参考までにどうぞ】
(澤井氏)今日も後藤政志さんから原子力について解説してもらう。今日のテーマは、ストレステストについて。
最初に、今話題になっているストレステストについてヨーロッパで考えられているストレステストの概要について後藤さんから解説していただく。
その後に格納容器の耐性評価についてお話をいただく。
このストレステストを日本で行うということを2段階で行うということだけが決まっていて、その内容がよく判らない。実質今内容を作っているところ。ヨーロッパで考えられているものと、日本で予定されているものが同じになるということではないが、一応ヨーロッパの今公開されている使用に基づいて後藤さんから解説していただく。
では、後藤さん、よろしくお願いします。

(後藤氏)こんばんは。後藤です。
しばらく前からストレステストという言葉が出ていて、私もよくわからなかった。EUの出しているストレステストがどういうものか。一つは、内容。どんなことをやるのかサラっと見てみる。それと各新聞でも発表されたように、ヨーロッパのEUのストレステストとそれを日本でどう扱うかという議論があって、11日には、原子力安全委員会が斑目委員長がインタビューを受けている。その話も交えて、私なりの見方を紹介する。その上で、ストレステストでイメージを見てもらうために、私自身がやってきた研究が、格納容器の耐性評価だった。ストレステストという言葉は、日本語でどう訳すかというと、「耐性試験、耐性評価」そういう言葉になっている。耐性っていうのはどこまで持つかということ。それは、意味するところは、設計でやっているものと、何が違うかということを理解してもらうことが一番早いので、私の具体例で、実際にはいくつか今までお話しているのだが、きちんとパラメータがどうでるとかそういう背景を話す。だいたい1時間くらいで終わるよう話をする。よろしくお願いします。
<00:03:00->
 それでは、早速ストレステストという英文のものをお見せする。
 EUのストレステストだが、英語で書いてあるが私が説明する上で忘れてしまうといけないので、これを見ながらお話しする。
要は、EUでやっているストレステストの仕様、中身について簡単に書いている。
1

 ここにDefinition=定義だが、ストレステストというものがどういうものかということ。これは原子力プラントにおけるSafety Margin=安全誘導、余裕という意味、それをReassesiment=既に安全評価しているが、改めて評価する、そういう意味に取れる。それがやはり福島の事故を受けているということと、Extream Natural Event=非常に特に厳しい外的条件というか津波であるとか地震、ハリケーンのようなものを主に見ておく。それと同時にプラントの外的事象が元になって、シビアアクシデントに行くということ、これを問題にしている。だから、私はこれの限りにおいては、当たり前のことだと思っている。当たり前のことを受けて、この手のことをやらずに評価をしたとは何もいえない。中身はまだ判らないが、当然のこと。むしろ日本は何でこういことを自ら言わなかったのか不思議。
 実は、運転再開の話で、その辺についても私は非常に違和感がある。それは、また後で話す。
 要は、今のストレステストの中身を見ていきましょう。
 このReassessment=再評価するというのは、原子力プラントが特にいろんな外的Extream situation=厳しい状況に置かれた時に組み合わせて、原子力プラントがどういうふうに機能するかを言っている。非常に技術的な範囲。
その評価の考え方だが、Preventive and mitigativeと書いてあるが、preventive=予防、いろんな事故を厳しい状態になった時にその事故の状態にならないように予防すること。それをVerify=確認する。つまり予防できるかどうか確認する。津波に対して予防できるか、地震に対して予防できるかと、そういうことを言っている。同時にさらに、mitigative=予防したつもりだけど突破されちゃった、地震に襲われた、或いは津波にやられてしまったが、その影響を限定する、つまり被害を最小にするという意味。一般的な事故の考え方はこういうことを言っている。
 最も重要なことは、Defence in depthなんです。つまり多層防護、多重防護。これは私が前から言っているとおり、例えば地震が来たら、同時に故障が起きて突破されてしまう。普通には何かシステムが一つ駄目になったら、次のものが働いてガードする。それが駄目なら次のものが、というふうに何重にもガードする。これによってDefence in depth=多重防護が成立するのが基本。
 Severe Accident、多重防護をやっているが、この安全機能が阻害されて、つまり安全機能が駄目になってしまった時には、シビアアクシデント、accident management、これは、プラントとしては駄目になったが、何とかしなくてはいけないから、電源車を持ってくるとか、水を入れようと、そういう発想になる。これが、このシビアアクシデント、アクシデントマネジメントと表記されている。
 それで、これについての評論はまた後でする。
<00:08:00->
2

ヨーロッパでやられている内容は、全部は話しきれないが、ぱっと見たところは、一応期限を決めてライセンスレポートとナショナルレポートという部分があり、それが途中経過と最終レポートという風になっていて、8月の中と9月の中にレポートを一回出して、ファイナルレポートは10月末、12月末というこんなスケジュールで進められていると理解される。
 ヨーロッパのほうは、新聞情報等を見ると、非常に厳しい内容になっていると言える。一応今話したようないろんな外的な条件も普通に考えられるような地震・津波だけではなく、航空機が衝突した場合とかそういうことも考慮している。また付近のガスタンクが爆発したらどうするか、そういうことも含めて、総合的な評価の仕方。
 私は以前から、事故というのは複合事故、特に高度に発達した社会においては、事故の複合性が一番問題だと考えていた。
 例えば??タンカーがどこかで爆発したとする。??タンカーはものすごく被害が大きいが、それだけではなくて、近くのコンビナートと誘発、爆発する。近くに大きな橋があったらそれもやられる。そういう複合的なことになる。それが巨大事故の一つのあり方。原発はそれのまさに極地。
 そうすると、この手の評価をするのは、ある面では当然だと私は思う。このことを無視して、ある限定をつけてこの範囲であるはずだということでやるのは、原発については全く間違っている。それが今回一番学んだこと。
 今回、津波という現象、地震であったが、それは一つの前から話しているように、原子力プラントにはきっかけなんです。そうすると、そうじゃないきっかけもいっぱいある。確率が小さいということでは、済まされない。つまり、それは起こったときに仕方が無いとお互いに我慢しようといえるものであれば、私もそれはいいと、仕方がないと思う。経済もあるから。けれど、本当に取り返しのつかないものに対して、そういう考え方はとれないというのが原則。そういう面でEUでやろうとしているものは、非常に中身があるように見える。
<00:10:40->
3

 具体的には、こういうことが書いてある。
 技術的な範囲のことをやるかということで、ストレステストの内容が書いてある。その起因事象、きっかけになることは、中心に書いてあることは、「地震と津波」。
 その後、電源が喪失すること。これはStation Black-out=全電源喪失に至るということ。Heat sink=冷却機能を失う。Loss of Ultimate heat sinkだから、極限まで冷却機能を失った状態。それから、Combination、つまり両方が重なる。まさに福島の事故をそのまま言っている。
 それと同時に、Severe accident managementについて言っている。
 Core cooling function=炉心溶融に対する対策をどうするかという防止方法とか、コレは使用済み燃料の冷却について。さらに、Containment integrity=格納容器の耐性評価、つまり格納容器の機能喪失について、説明している。
4

 細かくは、組み合わせとか福島の事故での地震と津波に起こったそれらのことだが、それに限定するなと言っている=will be included regardless of its origin。つまり、福島の事故を考慮しながら、さらにもっと悪い状態を付け足すという表現になっている。それは私はぱっと見た感じでは当然のことだと思った。極当たり前のことが書いてあるとしか読んでいない。
 さらに、安全機能がずっとどういう風に阻害されるか、これは、電源のことも書いてあるが、こんなことも書いてある。forest fire=森林火災。火災です。これは、日本でもないとは言えない。アメリカでは相当すごい、有名。森林火災が起こってこの前も、逃げましたよね?原子力関係の研究機関が非難している。そういうときどうするのかな?と思った。airplane crush=航空機衝突。これは、テロと事故と両方ある。どちらも考えている。テロであるか事故であるかはかかわらない、航空機がぶつかってしまった時にどうするかを考えている。これ自身は、議論もあって、特に格納容器が持つかどうかが一番焦点になる。
 そういうことで、ライセンスを出す出さないとあって、こういう評価をしていきますよという、流れ。これが一応ストレステストなるものの、ヨーロッパで考えている概要。細かいことはちょっと除くがそういうふうにやろうとしている。
 ちなみに、新聞によると、EUは福島第一原発の事故を受けて、EUとして稼動中の原発143基の安全性を総点検するという作業に入っている。で、先ほどのようないスケジュールでやっているそうだ。
 そういうふうに見ていくと、非常に新聞情報によると、一部には過度に厳格になってしまうと、原子力プラントを運転できなくなってしまうと、そういう表現もある。
 ただ、私は全く逆だと思う。
 つまり事故とは、ありとあらゆる考えられる、人間が考えられる限りのことを考慮してそれに対する対策をしないと、原子力プラントというのは運転してはいけないと思う。
 それが、概要。
<00:15:30->
 一部日経新聞にちょっと出ていたものを元に話させてもらう。
 原発のストレステストっていうことは、こういう表現になっていた。
『原発の設備が安全基準で決められた水準をどの程度上回っているかを調べる評価作業である。大きな地震や津波などの際の安全性にどの程度余裕があるかが判る。個々の原発の弱点を明らかにし、補強につなげて安全性を高める狙いもある。東京電力福島第一原発の事故後に実施を決定したEUでは、中間評価までに約3ヶ月かかる』
と、先ほど話したような、こういう表現になる。
 つまり、地震・津波ということだけ言っているが、本来はそうではなくて、EUで言っているようにあらゆる自然現象、外部事象。本当は内部事象というのもあるので、これは外部事象だけを取り上げているというのが特徴だが、外の自然現象によって安全性がどの程度保てるのかという実力を見るということになる。
 そんな感じで、抽象的にはそんなふうに理解できると思う。
 ただ、これではあまりに意味がわからない。
 実は、マスコミに出ていた原子力安全委員会の委員長、斑目氏のインタビュー。斑目委員長が11日に記者会見されている。そこでずっとやりとりがあって、10ページくらいに渡っている。ちょっと読ませていただいて、印象なんだが、斑目委員長は、
「今回のテストの在り方をストレステストというものに相当する、そういうものが必要である」ということは認識されていたように見受ける。
「しかし、それが運転の条件であるとかそういうことではない。つまり、法的なところでは、原子力安全委員会は一旦、一番最初の安全審査の段階で評価するのであって、それ以上のことではない。それから先は、保安院がやるべきことであるし、政府が政治的に決定するのだ」
と、そういう表現になっている。だから法的にそうだと言っている。
 ただ、私は非常な違和感を感じている。なぜかというと、電力会社にしろ、保安院にしろ、今回の事故をもとに、事故原因であるとか、安全性の問題の根幹にあたるところに対して、何ら対応していない。原子力安全委員会も、やらなきゃいけないということはおっしゃるが、まだやっていない。
 その段階で、「これは評価としてやるけれども、運転とは関わり無い」というポジションは、日本の原発は誰が安全性を担保してくれるんでしょう?これは、本当に私は信じられない。
 法的にそうなっているっていうこと、枠組みが決まっているということとは別に、非常にまずいと思う。やはり、本当にこの今の日本の原発に対する安全性について、どこまできちんと対応、中身を見られるかということが勝負。それを受けて運転再開云々の話がある。
 その面では、私は菅さんがある程度有無を言わさず、多少強引なところでやって、例えば浜岡を止めたりした。その運転についてのいろんな問題、ストレステストを提案したりしている。
 私は菅さんが一番まっとうだと思う。
 最近の発言を見ても。菅さんのやり方全体がどうこうっていうのはありませんが、それは別に、菅さんが言っている原子力に関して、安全性をどう見るかというものの見方については、少なくても私は今、表面に出ている中では、菅さんが言ったものだけが、はっきり言って信じられると思う。菅さんの中身がどこまでかというと、それは別だけれど、そういう印象を持っている。だから、それをきちんと原子力安全委員会は、それを受けて腰の引いた評価ではなく、きちんと中身のある評価をして、駄目なものは駄目だと、これでは安全を保てないということをはっきり言うべき。それを言わずして、もし安全委員会が、そういうところに対して腰が引けた状態でやるとしたら、これは福島の事故をどう思っているかというとんでもない話だと私は思う。そんな安全委員会なんか要りません。
はっきり申し上げます。
<00:20:30->
 それで、さらに今の枠組みについては、どうしても保安院というのは経産省の中にあって、どうしても推進機関という要素がある。それは、早く変えろと言っているが、現状変えていない。そしたら、どうするのか?私はここのところが一番問題だと思う。政府はその状態を理解したならば、その状態の中でどうやったら最善の安全の確認が取れるかということを、超法規的にでもやるべき。それをやらなければ、また二の舞をやる。私はその法的なことはわからないし、細かいことはわからない。ただ、一点あるのは、技術的な面で考えた時、非常に問題があるということは理解しているつもり。技術的に問題があると理解している。
 その中身について、若干話をさせていただく。

その②に続きます。