今日もたねまきジャーナルをオンタイムで聞けたので、先に内容をUPします。
後ほど音源を追記します。

どうぞ。
<追記>
【福島原発】7/7/木★福島第一原発3号機窒素注入の作業難航


【以下、時間のない方のために、内容を起こしています。ご参考まで】
朝日新聞解説員の落合さんと一緒に伺う。

ではまず、大きなニュースになっているこれだが、玄海原発の再稼動問題で、テレビで放送された国の説明番組に対して、原発再稼動を賛成する内容でメールを送るように九州電力の社員が関連会社などに依頼したという出来事があった。このやらせメール問題について、小出さんはどう思うか?
(小出氏)相変わらずだなと思う。

相変わらずですか?
(小出氏)はい。昔から良くあったことなので。

よくあったことなんですか!?
(小出氏)はい。

でも、あのそれはにわかには信じがたいんですが、結構こういったことって本当に行われていたんですか?
(小出氏)私は内部からずっとその聞いていたので、原子力を推進する人たちはそういうことをやってきたということは、昔から知っていた

慣習といってもいいんでしょうか。
(小出氏)そうですね。慣習だったし、ごくありふれた出来事だったと私は思っていたし、なぜ今それが問題になるのかなと不思議だった。

今は、福島第一原発の事故を起こしている状況で、こんなやらせを要請するって言うのは、ちょっと感覚がわからないんですが?
(小出氏)今だからこそむしろやらなければいけなかったと思う。

そういう感覚なんですか?
(小出氏)いや、聞いてみてください。彼らに。

これに絡んでもう一つ、ニュースが入っていて、鹿児島県議会で先週4日に、この問題について追求されたが、その時は九電は事実を否定したということで、それが一転して今回事実を認めるということになった。いわば嘘をついていたということになるが、このことについて小出さんはどう感じるか?
(小出氏)国会で追及されて否定することが出来なくなった、だから認めたということだと思う。

ではもうそうでなかったら、このまま嘘をつきとおしていこうと・・・。
(小出氏)もちろんです。これまでもずっと嘘をつきとおしてきたのだから。

それと全く同じ形で隠蔽??して、今回の問題に対応したということですか。
これを受けて地元の玄海町は原発再開の判断を撤回したんだが、法的には定期検査からの再稼動に地元の自治体や議会の了解手続きは定めはないということを聞いたが、これについて小出さんはどう思うか。
(小出氏)ありませんね。もちろん法的には無いが、自主的にはやっぱり地元がお金がほしいからといって誘致したわけですし、その地元がやっぱり了解できないというのであれば、なかなかそれを突破することはできないだろうと思う。なんとしてもやっぱり地元に「うん」と言わせるということが、最低必要条件だと思う。そのために地元を困窮させて、お金で飲ませるということをやってきたわけだから、それでももうできなくなっているというのが状態だと思う。

今回、立地自治体以外の集落の市町村が再稼動について、かなり反対というか否定的な立場をとっているが、これについてはどんなふうにお考えか?
(小出氏)地元はものすごい交付金を貰って潤うわけだが、その周辺の自治体の人はあまり潤わないままきてしまったわけだし、今回のように事故が起きてしまうと、何の補助金ももらえなかった、交付金ももらえなかったところまでが、離村しなければいけないということを目の当たりにしたわけだから、やっぱり反対せざるをえなくなってるのだと思う。

これからの対応としては、法的にもしっかり地元自治体の了解はしなければいけないとか、そういったようなことをきちんとしていく必要があるわけですよね。
(小出氏)まぁ、でも、これまでの状態でいえば、地元の自治体はとにかく金をつかませられて了承してきたという歴史があるわけだから、地元の了解を法的に義務付けたとしても、もちろん(今までも)出来てきたわけだから。地元だけでこんなことは決められるかと、そのことをまず問わなければいけないと思う。

(落合氏)地元という地域がもうすこし広がって、県とか九州とか日本中とか…
(小出氏)日本のそれこそ電気を使っている消費者の人たち、東京の人たち、大阪の人たち、玄海でいえば福岡の人たちが、本当にこんなことを認められるのか?ということをきちっと考えられるようにならなければいけないと思う。

なるほど。では、福島原発の事故のニュースに戻る。
福島3号機の原子炉建屋の窒素を入れる配管をつなげる現場を確認する作業が行われていて、これが失敗したというニュースが入ってきた。
窒素を入れるということは、3号機はまだ水素爆発の可能背があるということ?
(小出氏)はい。東電はその可能性がまだ捨てきれないと思っているんですね。

今、汚染水、冷却水のことが報道の中心になっているが、メルトダウンをした燃料やそういった問題はまだ何も前には進んでいないですよね?
(小出氏)はい。事故というか原子炉の中がどういう状態になっているかということが、東電すら正確にわからない、それほど困難な状況が今ある。東電は、1号炉に関してはすでにメルトダウンをしてしまったということを認めたわけだが、メルトダウンをしてしまったということを認める限りは、水素爆発の心配はもう不要。だから、1号炉に関してはそうなんだが、2,3号機に関しては、今原子炉がどういう状態になっているのか、わからないという状態で、苦闘が続いている。だから、あらゆる可能性を考えながら事故に対処しなければいけない。メルトダウンをしてしまっているかもしれないし、まだメルトダウンしていなくて、これから水素爆発が起きるかもしれないということも考えておかなければいけないという、大変困難な状況にある。

特に3号機には、プルトニウムがはいったMOX燃料が使われていたと思うが、これはもし水素爆発したら、大変なことになる?
(小出氏)プルトニウムというのは、人類が遭遇した物質のなかで最悪の猛毒。それを燃料に使うということは、もちろん本当はやってはいけないが、でも原子力発電をやる、つまり原子炉を動かすかぎりは、膨大な核分裂生成物をとにかく生むということがある。その膨大な核分裂生成物から比べると、MOX燃料として使っているプルトニウムの危険は、まだ小さいと私は思う。だから、MOXでやっているからというのはもちろん危険だが、そのことによって付加される危険はそれほど大きいとは私は思っていない

問題が大きいところに現在でも直面している状態だということですね。
もう一つ、これから何十年にも渡って私たちはこの事故の対応をやって、廃棄物を管理していく必要があるが、これからこそ、原子力の専門家が必要だと言う時に、学生の原子力離れというのが懸念されていて、優秀な学生が原子力の研究を避けるのではないかということだが、このことについては、どう思うか?
(小出氏)今から60年70年前まで多分日本という国は、大日本帝国という国だった。その国には、帝国大学という大学があって、北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州という風に7つあって、その7つの帝国大学には、1960年台にすべて原子力工学科とか原子核工学科という学科ができて、原子力を伝えようとした。そのころは原子力が無限のエネルギーだと皆思っていた。おかげで、私もそうだったわけだが、皆その原子力をやろうと夢に燃えていた時代だった。ただ、やってみたら、実際にはそんな夢は実現できそうにないということが次々にわかってきた。もう20年も前から原子力工学科とか原子核工学科という名前をつけてしまうと、学生がもう誰もきてくれないという時代に入ってしまい、7つの帝国大学から、原子力工学科もすべて消えてしまった。つまり、原子力ということに夢を持てるような時代ではなくなったわけだし、そういう時代の中では、優秀な学生はもう誰もこないということになってしまっている。だから、原子力を進めるという人たちにとっても、大変こまった状態で、文部科学省などはなんとかして原子力の人材を確保しようとお金をばら撒いてきたわけ。なかなか来てくれないし、彼らは困っていると思う。私自身もこれから原子力発電を止められたとしても、膨大に作ってしまった核分裂生成物の始末が何万年、何十万年と残るわけだから、何とかやっぱり原子力の専門家は残さなければいけないと思う。しかし、どうしていいかわからない。

深い問題ですけれども…。
ありがとうございました。

【以上】

失礼します。