(00:57:40-)
(岩上氏)蓮池さんは、ご自身働いている時は当然、原子力というものに肯定的な気持ちがどこかにないともちろんできないとおもうんだが、どういうお気持ちで当時仕事をなされてたのか?そしてお辞めになったり、今日のこういう事態になって、受け止めの変化があると思うが、あの当時はどうで、今はどうお感じなのか?
(蓮池氏)まぁ三十数年居て、前半は発電所原発関係、後半は核燃料サイクル関係・・・
(マエキタ氏)もうずっとそうじゃないですか!
(岩上氏)ヘビーなところを歩いてらした
(マエキタ氏)じゃ、就職してからずっと原発?
(蓮池氏)原発は足を入れたらもう抜けられない。
(マエキタ氏)じゃ、最初新入社員で入って、福島第一の3号機に配属された時点でもう社員としての人生は決まったようなもの?
(蓮池氏)「決まった」ですね。
(岩上氏)どういう気持ちで当時は仕事をしてらした?
(蓮池氏)当時は電気を作らない発電所だった。私が行った頃は。オールグッショク割れSCC??というなんか略語ばっかりで嫌になっちゃうんだけど、そういうトラブルがあって・・・
(岩上氏)どういうトラブル?SCCって?
(蓮池氏)オールクッショク割れっていって、重要な配管にひびが入っちゃう。原子炉に繋がってる配管にひびが入ってるていうのは、交換せざるを得ないので、全部止まっていた。建設中もあったし。とにかく「発電所じゃねぇじゃん」「なんだここは?」と思ってた。徐々に稼働率が上がってきて、「まぁ、必要悪なんじゃないの」くらいは思っていた。原発の推進に心血注いだっていう記憶はあまりない。後半核燃料サイクルをやりだしてから、「再処理はうごかねぇわ、廃棄物どうすんの?」という問題があって「これ、自滅するんじゃねぇか?」って・・・
(マエキタ氏)どんどん「出来ます」って言っている年代が先へいってしまう・・・
(蓮池氏)だから、「自分で発電して再処理して出たごみも始末できないのに、まだ建設するかよ!?」と思ってた。
(マエキタ氏)じゃあ、蓮池さんがそう思ってらっしゃるということは、うすうす東電の社員皆そう思ってる?
(蓮池氏)思ってないですよ。一生懸命、原発推進、推進で頑張ってますよ。それで、廃棄物処分だっていずれどこかの自治体が手を挙げてくれるって思ってる。手を挙げるわけない。あれ、手を挙げたら1億もらえる。自治体の組長が。手を挙げて1億。分権助成になったら3億。でも手をあげたらリコールになっちゃう。だから、下流側からどんどん詰まっていっちゃう。
「ごみ捨てられない、再処理できない、使用済み燃料だせない、ってことは新しい燃料いれられない、じゃぁ発電できない」
ってどんどん止まっていってしまう。だからほっとけば止まる。
 <会場苦笑>
(岩上氏)今みたいな話、「おかしいじゃねぇかよ」って飲みながら話したりしなかった?こうやって今飲みながらみんなで話してるんだけど。同僚の人たちと。
(蓮池氏)同僚はみんな優等生。やっぱり「東電のためには命を」くらいの人が多い。
(岩上氏)そうなんですか。なんかちょっと健全な懐疑精神というか健全な、ちょっとハスに構えた蓮池さんみたいな目線をしていた人は少ないですか?その社員の人たちっていうのは・・・
(蓮池氏)中には辞める人もいるけど・・・
(岩上氏)そかそか。辞めていっちゃうんですね。着いていけなくなったら。
(蓮池氏)でもまあ、この会社をなんとかしなきゃっていう人が多かった。
(マエキタ氏)今回の事故のあと、定期検査に13ヶ月ごとに入るじゃないですか。ていうことは、知事が再稼動しなければ、どんどん原発の稼動が少なくなていく。今17基動いているが、来年の3月にはゼロになる、という表を作る時に、全部の電力会社の広報に電話を掛けて聞いた。
 皆さんが言うのは、前の点検から抜けてから13ヶ月後だから、すぐに日にちは出るじゃないですか。それなのになかなか教えてくれなかったりしたが、皆が言うのは、「でもその日付よりも早く点検に入るかもしれないですから」というのを嬉しそうに言っていて、「あれ?この方たちは止めたいのかな?」と思っているのか「もう止まる」と思っているのか、なんかちょっとホッとしているような感触すら感じた。一体中で働いている人の気持ちっていうのはどうなのか?
(蓮池氏)私も突然54基ある発電所を全部止めたらどうなっちゃうのか?っていうのはある。私はフェードアウトしていくしかないと思っている。フェードアウトしていくんだったら、それに変わるエネルギーを開発・投入していかなければならないわけで、俺、節電反対です!なんで!!!???
(マエキタ氏)そうですよね!なんで節電反対暴動が起こらないのか!?
(蓮池氏)なんで節電反対運動が起きないんですか?!反原発運動は起きて・・・。それは、原発反対の人は、節電反対というと、電力抑えておいたほうが原発いらないって言いやすいんです。橋下(大阪)知事なんかは、「節電が霊感商法だ」って言ってた。
(マエキタ氏)「脅迫だから脅しに乗らないように」って。
(岩上氏)僕は断言しますが、節電してません。一切節電してないし、節電すべきとも言っていない。節電しようとする人には、「電力足りてるから、いらない」と「僕たちのライフスタイル変えよう」「いらない、かえる必要ない」と言い続けている。だってどう考えても電力は足りている。できるんだもの。
(蓮池氏)だって東電が悪いんでしょ?なんで「法律で破ったら百万以下」とか?節電しない人を低く見る?だって夜中にキンキンにひやして寝たい人だって一杯居る。なんでそれやっちゃいけないの?
(岩上氏)僕は冷やしたいですよ。こんなとこで蓮池さんと気が合うとは思わなかった。
 <会場笑い>
(岩上氏)エアコンかけてください、皆さん。
(蓮池氏)ピーク部だけカットすりゃいいんですよ。
(マエキタ氏)そう!ピーク部だけカット、企業がやればいいのは前々から。
(岩上氏)昼寝してればいいんです。その時。
(蓮池氏)夜中とかガンガンエアコンつけて
(マエキタ氏)そう、夜中とか余ってる。
(蓮池氏)ネオンサインとかバンバンつけて、真っ暗な銀座なんて誰が喜びます?
(マエキタ氏)ま、揚水発電もあるし
(岩上氏)私、この間『とくだね』首になったばっかりだが、そのちょっと前にフジテレビが「大停電SP」をやったらしい。ツイッター上でものすごい評判悪かった。僕はそれを見られなかったんだが、さもありなんと思ったので、「おかしい、こんなの」ととくだねに出たとき言った。
「こんな停電を煽って、その恐怖感を放射能よりも停電の怖さ・節電の必要性など。これは明らか。どこに向いて世論を誘導していこうか。これはもちろんフジテレビだけじゃない。ほかのメディアも皆おなじようなことをやっている。それはやるべきではない。おかしい。間違っている」
と申し上げた。生だから言ってしまえばね、言ったが勝ち。
(蓮池氏)言ったもん勝ちですね。
(岩上氏)言ったもん勝ちですからね!首になるあと2回目くらい。
(蓮池氏)誰が言い出したの?節電のこと。
(01:05:55-)
(マエキタ氏)私も一つ暴露することがある。東電のCO2ダイエット宣言という委員を今もやっているんだが、それが事故が起こったあと最初に、「節電って言ってください」って言われた。私が直接言われたのではなく、委員長が言われたらしい。
(蓮池氏)何の委員長?
(マエキタ氏)CO2ダイエット宣言っていうのをやっていて・・・
(岩上氏)ちょ、全然見えない。CO2ダイエット宣言て、あ、CO2を減らそうって言う意味でのダイエット宣言ってことか!
(マエキタ氏)東電が年間3000万円くらいを出してCSR活動の一環としてNPO団体を作って・・・。だから東電がやっているわけではないけれど、CO2を減らしましょうと環境省がやっているようなものです。
(岩上氏)それは、東電のプロパガンダの一役買ったということじゃないですか。
(マエキタ氏)昔ね。事故の前にやっていて、なるべく電気のスイッチを切ってとか、フードマイレージも入れようかとか自転車も入れようとか、バリエーションを豊かにとか、やってたんですよ。
 で、事故が起きた後、委員長の人がどうも委員会全体で節電を呼びかけてほしいと言われたらしい。そしたら、委員長がピンときて「マエキタさんに聞いてみて。マエキタさんはなんて言うかな?」と言ったらしい。で、私のところにも(委員長が)来て「節電って言ってほしいって言われた」と。「それはちょっとおかしいんじゃないですか?」と、だからそのときのセンスは蓮池さんと同じ。なんで事故が起こって節電をしようって呼びかけなくちゃいけないんだろう?ってものすごく謎に思った。
(岩上氏)「電力が本当にカツカツなんですよ」とか、ちょっと我々を痛めつけようとして、「あなた方困りますよ、いつもそういう瀬戸際にあるんですよ」ということを、日ごろから丹念に洗脳しているということ。それが効いてくる。いざという時に。
(マエキタ氏)それだけはきっぱり!お断りして、「そんなこと言うべきじゃない」と。委員会でCO2ダイエットと言ってきたのなら、自然エネルギーへの転換っていうのなら委員としてできる。だけど、どうしても嫌だというなら、私を首にしろと。首にするか委員会を解散するかどっちかにしないと、私は絶対にそんなことヤダって言った。
(蓮池氏)東電ってそういう小手先のことばっかりやってるんですよ。
昔は原発のセールスポイントは「安い」だった。「原発は発電原価が安い」だった。だんだん高くなってきた。
「原発たけぇじゃねぇか!」
「じゃぁCO2を減らそうぜ!」ってなった。そんなことばっかやってんですよ。
(マエキタ氏)「減らせてねぇじゃねぇか」ってなったら今度は?
(岩上氏)壮大だね~。
(蓮池氏)言葉の使い方だけで、皆さん、「原発」って言うと「原爆」を思い出すから、「原子力発電所」と言ってくださいっていう。
(マエキタ氏)あ、それは、原爆に近いからなんだ。なんで嫌がるのかとずっと思ってたけど・・・。
(蓮池氏)マスコミの人もなんか守って原子力発電所とか言ってる。
(01:09:20-)
(岩上氏)いや、守るんだよね、コレが・・・。
 この間メルトダウンが発覚した時も、さきほどちょっと楽屋でも話した。「メルトダウン」という実は溶けちゃってましたっていう話を東電と政府がオープンにした時、「炉心溶融」っていう言葉で全マスコミがそろえた。なんで「炉心溶融」なの?「メルトダウン」でいいじゃない?その時もまたとくだねの話になって申し訳ないが、とくだねっていうのは11年間僕は出ていて、「こうしてください、ああしてください、こういうことは言わないでください」とは一切言わない番組だった。僕がディレクターにそういうことを言われることもない。ディスカッションはあった。でも規制は無かった。言いたい放題言ってきた。
 ところが前日、「うちは『炉心溶融』でいくので、『メルトダウン』は使いません」というから、「おかしいだろ?そんなの言葉狩りじゃねぇか。俺は使うよ」って言ったら、VTRの中に松本さん(東電広報)の「これが所謂炉心溶融が、いわゆるメルトダウンと言われることもある」的なことを言っているのを挿入してきた。で、僕はメルトダウンって言ったんです。ところが、その『メルトダウン』という言葉を絶対に使わせないという空気感というのは、一局だけではなく、横並び。新聞もテレビも全部そういう規制が掛かってくる。「ばかじゃない?」と思った。
 そのすぐ後に菅総理会見があった。その総理への質問に(僕が)当たった。質問の中に『メルトダウン』を多用した。そしたら、総理が「メルトダウン」を5回くらい使い出して。総理が使っちゃったんだからしょうがないでしょ?
 こうやって言葉っていうのは操作されていくし、逆にその操作もその程度のことで破れるっていうこと。使っちゃいけないなんてとんでもない。どんどん使おう。
(蓮池氏)言葉でいうと、「『被曝』っていう言葉はも止めましょう」っていうんです。
(マエキタ氏)今ですか?途中まで?
(蓮池氏)昔から。「『被曝』っていうと原爆の被曝になるから、皆さん、『受けた線量』といいましょう」
 <会場笑い>
(マエキタ氏)それ初耳~!
(岩上氏)それで「放射能」っていう言葉使わせないのかな?「放射性物質」っていう・・・
(蓮池氏)「放射能」は(聞き取れません)
(マエキタ氏)逆ばっかりにいけばちょうどバランスが取れるかもしれないね。
(蓮池氏)驚いたのが、ABWR(=Advanced BWR)を最初は『新型』沸騰水型原子力発電所と言っていた。ずーっと『新型』って言ってきた。
(岩上氏)でも今はいわないですよね?
(蓮池氏)今は『ABWR』って言うんだが、ある日上から指示があって、
「今日から新型じゃなくて、新型だと旧型と対比されるから、今日から『改良型』といいなさい」
 <会場笑い>
(蓮池氏)ガクッ。で、使用済み燃料を置くところがないから、貯蔵庫を一杯作っている。今、陸奥(青森県)に作ろうとしている。『使用済み燃料貯蔵庫』って言わない。なんていうかと思ったら『リサイクル燃料貯蔵庫』っていう。
(岩上氏)なるほどね~。
(蓮池氏)『リサイクル燃料』だよ?
(岩上氏)「リサイクル」って言葉、響きがいいからね~。
(マエキタ氏)『リサイクル』の『リ』が付いてる時と付いてないときがあるあれは何なの?
(蓮池氏)『サイクル』は丸ですよ。『リサイクル』はもう一度使う。
(マエキタ氏)あ、そうか。
(蓮池氏)だから、使用済みの汚ねぇ燃料なんですよ。でも「使用済み燃料
」とか言うと、ウケが悪いから『リサイクル燃料貯蔵庫』っていうんですよ。
(マエキタ氏)なーるほど。
(岩上氏)しょうもない言い換えですね。
(蓮池氏)言葉の遊びみたいなもんばっかですよ。
(マエキタ氏)でももうそれ見事に剥げてきてるわけじゃないですか。被曝は『被曝』、『使用済み燃料』も使ってるし、「使用済み燃料があんなにあるなんて思ってもみなかった」っていうのが、ふたこと目には事故の後皆が言っている。
(岩上氏)でもね、見事に剥げてるっていうけれど、まだどんどん言葉の魔術というか、やってくる。まず、大体原子炉内部の状況というのがわからなくなるように説明している。
(マエキタ氏)わざとね。
(岩上氏)我々わからないじゃないですか。
(マエキタ氏)水のレベルのことも、マイナス1200?
(蓮池氏)「今日の原子炉水位はマイナス1200mmです」って言う。
(岩上氏)どういうこと?
(蓮池氏)俺だってわかんねぇよ。
(マエキタ氏)あるべき水位から1200mmってことは・・・
(岩上氏)だから、自らちょっと飛び出してるよってこと。
(蓮池氏)私ずっと心配してたんですよ?心配してたのは、マイナス1200ってことは、約半分水が入ってないんですよ。ってことは冷えないぞって思ってた。「これはまずいな」って2ヶ月半くらい思ってた。そしたら、「全部溶けてました」っとかって話になって・・・。
(マエキタ氏)水も全然ないし・・・。
(岩上氏)ものすごい信じられない。毎日5時間くらい会見に出て、次から次へ出てくる膨大な資料を読みながら、必死で言ってることを、早口なんですよ、松本さんとかね。それを必死に聞きながら、この質問に喰らい付いて、「こうで、こうで」ってやってきた。それがある日突然、「ぜーんぶ嘘でした~」とか言われたら、「何をやってきたのかな・・・」って。
 あのね、僕らだけじゃない。僕らみたいな素人がなんとか喰らい付いて、そりゃあ自分の脳みその問題もあるけれど、そうではなく、あの小出さん。強大の原子炉実験所の小出さん。3回も4回も通ってインタビューし続けてる。小出さんは一生懸命考えて、一生懸命推測していた。
 ずーっと水を注ぐ。
 どーッと流れる。
 穴が開いているに違いない。
 だけども水位は常に一定だ。
 これはどういうことか?
真剣に考えていたわけ。真剣に彼は考えて、
 なぜ1m40cmだけ。
 それ以上でもそれ以下でもない。
 そこで保たれている。
 原子炉の脇のところに循環器系の配管があって、
 そこの高さから漏れているに違いない。
 だからここで一定なんだ
僕の2回目か3回目のインタビューの時にそう言っていて、その後「嘘だったよ~、じゃ~ん」の後、ものすごい凹んでいて、もう真面目に考えたのが、ばかばかしくなった。何出しても結局「全部嘘だったぴょーん」みたいな感じで。
「ぴょーん」て小出さんは言わないよ?
本当にでも気の毒。専門家をあんなに振り回して、かわいそうだと思ったな・・・。
(蓮池氏)私が驚いたのは、2ヶ月半以上経ってメルトダウンとかめるとスルーと判ったわけですよね。でも、意外に国民の皆さんの反応が鈍かったというか。「あそう、溶けてるんだ?でも水入れて冷やしてるからいいじゃん。来年1月までには何とかなるからいいよ。」そういう鈍感な空気が私はね・・・
(マエキタ氏)いや、そんなことはない。
(岩上氏)毎日やっているうちに、どういうことにだんだん慣れていっちゃう。
(蓮池氏)慣れてだんだん飽きてきちゃう。
(マエキタ氏)ごめん、そこは、私思うけど、「はらわた煮えくり返るけど、何て言っていいかわらかないから、とりあえず執行猶予だ」って思ってる人は多いと思う。
(蓮池氏)「メルトダウン」って聞いたら、ワーッと騒がなくちゃいけない。最悪のことが起きてるんですよ?もっとひどいことが起きた可能性があった。もうまさに九死に一生を得たっていうか、もう首の皮一枚でつながっているような状態なんですよ。
(マエキタ氏)そうか、やっぱり働いていた方からそうやって目を向いていわれたら、「あぁ」
(岩上氏)専門家ですよ?
(蓮池氏)どうなってるかわかってる人なんで一人もいない。誰も見られない。
(マエキタ氏)そうですよね。近づけないんですもんね。

【その④】へ続きます。