(マエキタ氏)あの、トラブル隠しの時に、日系のアメリカ人の方が内部告発して、保安院はそれを2年間ほったらかしにした上に、東電にそれをリークしてたということを同時に言った佐藤栄作久知事(元福島知事:Wikipedia:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E6%A0%84%E4%BD%90%E4%B9%85)が気がついて、佐藤栄作久さんはリークとか嫌いというか、内部告発を奨励するとてもめずらしい、学生のときにファシズム研究をされた人らしいので、情報公開にとても熱心な知事だった。その方の内部告発をちゃんと真に受けて、公開の場でその方に会い、かつちゃんとヒアリングをしたら、ものすごい量のトラブル隠しというか偽装が発覚し、それで柏崎刈羽とか当時持っていた東電の原発が全部止まったというのがあったが、あの時は蓮池さんはいらっしゃった?
(00:45:45-)
(蓮池氏)居たけど、あれもひどい。トラブル隠しの公表のブレス発表を小泉訪朝の日に合わせた。
(岩上氏・マエキタ氏)(失笑)
(マエキタ氏)なんか蓮池さんに寄せられてる・・・。
(岩上氏)そう!?現代史が重なり合っている。あぁ、それは知らなかった。
(蓮池氏)9.17に発表したんです。トラブル隠してましたっつって。
(マエキタ氏)なんでまたその日に・・・?ビックニュースだから?
(蓮池氏)そりゃあ小泉訪朝が一面になって
(岩上氏)新聞は書かないでしょう。上等手段。
(蓮池氏)各紙はちょっとした記事になって収まる。ひどいことするなと思った。私はその頃そんな感じじゃなかったが・・・。
(マエキタ氏)今日のような日が来るとは思いもよらなかった?
(蓮池氏)そうですね。
(マエキタ氏)「さすがうちの会社やるな」と思っていた?
(蓮池氏)そんなことは思わないが、「ずるいな」と思ってましたよ。
(マエキタ氏)さっき「やるな」って言ったじゃないですか(苦笑)
(蓮池氏)いや、ある意味でやるなって言った。「やってくれるな」って。
(岩上氏)これって、官僚機構と民間資本と、メディアと更には検察機構まで巻き込んで、今の佐藤栄作久さんは、プルサーマルに反対するということをやったがために、間違いなくやったがために、検察に冤罪で挙げられるわけ。そういうこのコングロマリット、このどうしようもない利権複合体のようなもの、それが暴走して国を破滅に導き、或いは国民を犠牲にしている構図。これは第二次大戦の時の国の破滅に導いた軍産複合体というか、軍の暴走と同じような構図じゃないかと思う。
 と、言って伊勢崎さんを話しに引きづり込もうとしたんですが・・・
(マエキタ氏)マイクを持とうとしてない?あ、持ってる。良かった。
(岩上氏)ちょっとサボっているようだったので・・・、伊勢崎さんに話を聞きたいんだが、こういう一つの大きな利権としての戦争みたいなものがある。おそらくそういうものがあって戦争が遂行され、むやみやたらにくだらない理由で人が殺されていくという現実があって、それと今回の原発の暴走というのは、一種敗戦にも似ていて、『原発敗戦』とでも言うべき事態ではないかと僕は思う。これを止めるというのが、「戦争」を止めるのが「平和」だとしたら、同じようなものを大変な努力をして、この軍事機構にも似た原発機構、原発利権複合構造体みたいなものを止めなくてはいけないと思う。
 どうでしょう?何か通うあうもの、或いは平和学的な見地から参考になることはあるか?
(伊勢崎氏)負の遺産がある。今この福島原発のことも多分これは非常に????、戦争がどういう風に起こるか、で、大衆が、民主主義だから、その民主主義が戦争という選択をする、もしくは、全く人類が扱えない原子力に走る。これは民主主義の選択ですから。これを解明するという意気込みで僕とマエキタさんは「ヒケシ」ってことを始めた。
 相手は金を持ってる。こっちはない。どうやって対抗するのか。それで問題意識だけはあるんだが、わかんないですね。(苦笑)
(マエキタ氏)いや、「わかんないですね。」って、諦めてるわけじゃないですよ。
(伊勢崎氏)今これだけ反原発と盛り上がっているじゃないですか。「脱原発」というのか。
(マエキタ氏)前と比べたらっていうね。東電の株主総会見てると、全然そんな感じではなく、今朝なぜ大銀行が計算もできないのか?というヒアリングをした。伊勢崎さんの後、それは話す。
(伊勢崎氏)この間Youtubeで第5福竜丸の時の、あの時まだ共産党も強くて社会党も強くて、あの時ハンパじゃない反対運動が起こった。
(マエキタ氏)そうですね。原水禁。
(伊勢崎氏)あれ見ると、本当に日本って熱かったなって思った。あれが封じ込まれるわけですね。やっぱ敵はすごいですよ。
(マエキタ氏)あの時代は特にそうだと思う。学生運動もそのようにして封じ込まれて、でそれが何か?なんですよ。今の時代は違う。だからあの記憶が鮮明に残っていて、そういう国だと思うことは止めたほうがいいと思う。状況は随分違う。メディアも違うし、メディアの状況・マスコミも変わってきたし、インターネットもあるし、連絡はマシにはなって来ていると思う。
(伊勢崎氏)だからね、だから今僕もマエキタさんとずっと友達だから、自分の意見表明をどういう風にしたらいいのか。もっと敵が強大で金を持っているから、こちらはもっとシャウトに近い『反原発』を掲げてガンガン運動すべきかどうかずっと迷っていて、とりあえずバランスが取れないから。それでも負けちゃうだろうから・・・。だけどどうしても僕、国際紛争を専門にして、特にアフリカなんかにえらく関わったので、今回もし日本が「脱原発」のほうに向いたとして、仮にね?先進国が急に、(時間を考えないといけないが、)急にエネルギー政策を大転換して、その影響がVOP、またアフリカ人が貧困でバタバタ死ぬような状況にならないといいなと、それをいつも思っている。
(岩上氏)ちょっと待ってください。日本がエネルギー政策を転換すると、アフリカの貧困層がバタバタ死ぬという因果関係というのは、風がふけば桶屋が儲かる的な感じもして、ちょっと遠く感じるのだが、それあどういう因果でなるのか?
(伊勢崎氏)多分一時的にも、原発をやめたから化石燃料に依存が高まって、原油価格が高まる。そうすると、中国はアフリカをもっと搾取するだろうし、石油をもっている非常に脆弱な国の政情がもっと悪くなるかもしれない。そういう意味。
(岩上氏)でもシェールガス革命【シェールガス:Wikipedia:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%B9】みたいなものが起きている。つまり枯渇性の資源という中でも石炭・石油ではなく天然ガスへの期待が高まりつつある。天然ガスをどういう形で取り出すか、そういう技術は一つ進歩している。それによってアメリカが実は非常に天然ガスを豊富に持っているというよりも、採掘しやすくなったという環境になった。ということで、かなりの埋蔵量があり、アメリカにとっても好都合。敵対的な国が多い中東に石油依存している状態よりは自国で何百年もまかなえるのだったら、それに越したことは無い。それはもしかしたら、原油価格の高騰を招かない可能性も大いにあると思う。だからそんなに悲観しなくてもいいんじゃないかと僕は思う。
(伊勢崎氏)悲観はしていない。あくまでも注意いなきゃいけない。さっき僕が米軍の撤退にあわせて言ったのは、「責任ある撤退」ということに引っ掛けて、「責任ある原発」にしたいとそれだけの話。
(岩上氏)あぁ、なるほど「撤退」に引っ掛けてね。そこの力の空白みたいなものが、余計な紛争やアナーキーを生んではいけないと、なるほど。
(マエキタ氏)あと一つ、ジャズヒケシでJust Informationですが、軍事評論家の田岡俊次さんという人が原発推進派だったんですが、「石油で戦争が起こっているんだから、戦争を止めるためには、原発の悪いところには目をつぶって、脱石油をしなければいけない。脱原発より脱石油のほうが大事なんだ」とずっと言っていた人が、今日さっき朝日ニュースターの収録が終わったらしいんだが、どうやら完全に脱原発になっている。「なんで?」と私が聞くと、「自然エネルギーでエネシフジャパン呼びかけ人になってください」っていったら、その田岡さんは「ぼくね、ヨットに乗るから潮流ってすごいんだよ。黒潮の潮流で発電できないかな?」て言うから、番組プロデューサーが黒潮の潮流発電の人を見つけてきたらしくて、今日その会社の社長さんがしゃべったらしい。「見事な転換ぶりです」っていうお知らせが来て・・・。
(岩上氏)まぁでも僕はね、転向を揶揄するということはよくあるんだが、全然いいと思う。
(マエキタ氏)もう『賞賛』したほうがいいです!
(岩上氏)こんな未曾有の経験をして、「考え方が全然変わらない、私の今まで生きてきたとおりだ」なんて言っているのがおかしいんだと思う。本当に新しいインパクト・事件があったらば、素直に受け入れて「これはもしかして自分の考えていたことが間違っていたんじゃないか?」と考えることは必要なこと。原発懐疑派から強硬な反対派になろうとなんであろうと、それはいいんじゃないかと思う。僕なんかも「原発にいいことなんて一つもないな」と思っている。そういうことを言ったりすると、時々揶揄されるわけ。ツイッターなんかで毎日罵倒されてるから、全部スルーして答えないが、でも中には「昨日今日言い出したんだろ?」的なことを言う人がいる。
 昨日今日でもない。僕は80年代に原発について批判的なルポを書いているが。確かにずっとエネルギッシュに書いてきたわけではない。「ま、致し方ないところもあるのかな」くらいでそれ以上思考を深めてこなかった事実はある。現実は。「でもこれはしょうがないのかな・・・、でもものすごく怖いな。真面目に考えると大変なことで、特に核燃サイクルのこと。こんなもの後始末はどう考えたって無理。」僕はそこで考えを止めていた。それに気づいた。考えてみると、これは無理。これを機会に止める方向に本気でシフトしていくために考えなきゃいけないこと、調べなきゃいけないことを調べようと。それでいいんじゃないかな?と思うんですけど。
(00:56:40-)
(マエキタ氏)いや、私だって本当にそう。釜中ひとみさんとは友達でここでもトークはやったけれども、そのミツバチが出来てそのあと上関からSOSが来てモラトリアム上関の記者会見をやったところくらいから。だから本当に地震の9日前くらいから。記者会見のこちら側に立って、皆に説明をしたなんて。だから全然前から活動してたなんて言えない。「なんでほったらかしにしたの?」って言われて然るべきなんだけど、だからこそ!だって中曽根康弘さんだって小泉純一郎さんだって、今は脱原発、自然エネルギーって言い出したくらいだから・・・
(岩上氏)その辺が言い出すとうさんくさいんだよね。全然信用できない。
(マエキタ氏)でも言わないよりはマシなんだから!(笑)
(岩上氏)自然エネルギーの背後に絶対利権・・・
(マエキタ氏)だって勝間さんと話されたんでしょ?
(岩上氏)ま、したけど、彼女ほとんどしゃべんなかったから、僕がずっとしべってて。
(マエキタ氏)なんだ・・・。

【その③】へ続きます。