※この記事は、6月29日 佐賀知事:玄海原発の再開を容認姿勢@海江田経済相との会談7月1日 各自治体の原発対応まとめ【佐賀知事、茨城知事、新潟上越市長UP】に関連してます。

原発安全性の根拠は? 佐賀知事に明確答弁迫る
読売新聞 (2011年7月2日  読売新聞)

議員の質問を聞く古川知事(左) 古川知事が玄海原発(玄海町)2、3号機の再稼働を容認する意向を明らかにしてから、初めて開かれた1日の県議会原子力安全対策等特別委員会。質問に立った議員は、同原発の安全性を認めた理由に関し、知事に明確な答弁を迫った。その様子を傍聴席に詰めかけた県民らは注視した。

 ◆知事
 特別委は午前10時に始まり、古川知事は、各会派を代表した3人から質問を受けた。休憩を挟みながら午後4時45分頃まで続いた。

 終了後、報道陣の取材に応じた古川知事は、再稼働問題の議論に関して「議会との間でかなり重ねており、深まってきている」との認識を明らかにした。

 知事は再稼働了承の判断条件として議会の動向を挙げている。「どのような状態になることが条件か」と報道陣に問われ、「こうだという明確な形はない。総合的にとしか言えない」と述べるにとどめた。

 8日に多久市で開く県主催の玄海原発の安全対策に関する県民説明会については、「登壇するかどうかは決めていないが、現地には赴きたい」と答えた。

 ◆議員の感想
 特別委の終了後、2人目で質問に立った徳光清孝議員(県民ネットワーク)は、「知事は『安全性はクリアできた』と述べたが、安全対策は不十分」と指摘。特別委で菅首相に来県を要請したことが明らかになったが、「海江田経産相と同じことを首相が言うだけ。安全性に責任を負うことと、安全性の確立は別問題だ」と語気を強めた。

 特別委で最後の質問者となった留守茂幸議員(自民)は「原発に関する県独自の防災対策で具体的な案が示され、安全性の問題はクリアできた」と振り返った。菅首相への来県要請については、「国のトップが知事と面会し、しっかりと説明責任を果たしてもらうことが必要」と強調した。

 特別委にオブザーバーという立場で出席した石井秀夫議長は「質問と答えが、かみ合わない部分もあったが、議論が深まってきている印象は受けた」と評した。

 その上で、「考えや思いの違いがあるので、議論が尽くされているかについては、各議員で受け止めた方が異なる。あとは知事が総合的に判断することになる」との見方を示した。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20110702-OYS1T00326.htm

玄海原発 再稼働は早すぎないか
信濃毎日新聞 07月02日(土)
  停止中の佐賀県の九州電力玄海原発2、3号機について、古川康知事が「安全性の確認はクリアできた」と述べた。最終判断は先送りしたものの、再稼働容認に向けた一歩とみられる。

 福島第1原発事故は収束のめどすら立っていないうえに、事故の検証も済んでいない。こうした段階で、なぜ安全性が確認できるのだろうか。

 県民への説明も不十分なままだ。佐賀県だけでは済まない問題でもある。再考を求めたい。

 福島第1原発事故の影響で、定期検査などに入っていた原発が停止したままになっている。現在、全国の商業用原発54基のうち、35基が機能していない。

 海江田万里経済産業相は電力会社の安全対策は適切に実施されているとし、停止中の原発の再稼働を急ぐよう地元を訪れて協力を要請すると表明していた。最初に訪れたのが、玄海原発のある玄海町と佐賀県である。

 玄海町の岸本英雄町長は「国による安全の保証」を条件に容認する姿勢を明らかにし、原発立地の自治体首長としては初めて再稼働を認めた

 一方、古川知事は▽安全性の確認▽県議会の議論▽立地自治体の首長の意向―に沿って総合的に判断すると述べた。安全性の確認はクリアしたと述べたことから、議会の判断を待つ段階に歩を進めたことになる。

 1日の県議会では、容認姿勢に転じた知事の姿勢に厳しい批判も出た。県民の不信、不安感は依然として強い。これでは再稼働は容認できないはずだ

 定期点検後の再稼働に地元の同意は義務付けられていないが、丁寧な合意形成が欠かせない。経産相が地元を直接訪れて意向を確認するのは、福島第1原発事故を踏まえてのことである。

 だが、今回の事故は、放射能汚染が広範囲に及び、深刻な事態を引き起こすことを見せつけた。玄海原発で大事故が起きれば、隣の福岡、長崎県にも被害が及ぶだろう。再稼働の是非を判断するためには、近隣県を含めた新しい枠組みが必要だ。

 菅直人首相はエネルギー政策の見直しに言及し、再生エネルギー特措法の成立に強い意欲を示している。中部電力浜岡原発には停止を要請した経緯がある。

 玄海原発の再稼働についてはもっぱら海江田経産相が前面に出て首相自身の考えが伝わってこない。原発の在り方を含め自らの言葉できちんと説明すべきだ。
http://www.shinmai.co.jp/news/20110702/KT110701ETI090010000.html


【長崎】玄海原発再開問題 中村知事「本県民にも説明会を」
長崎新聞 7月2日
 定期検査で停止中の九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働について、同県の古川康知事が容認する姿勢を示したことを受け、中村法道知事は1日、「運転再開には地域の理解が不可欠」と述べ、再稼働の前に、本県の県民に対しても住民説明会を開くよう国に求める方針を表明した。

 同日の定例県議会一般質問で、小林克敏議員(自民党)、堀江ひとみ議員(共産)の質問に答えた。

 玄海原発は、半径30キロ圏内に県内の松浦、壱岐、佐世保、平戸4市が入る。中村知事は「事故が発生すれば(原発の)立地県であるかどうかにかかわらず、重大な影響を被る可能性があり、地域住民は大きな不安を感じている」と強調。また再稼働を容認する発言をした古川知事からは、事前の連絡はなかったことも明らかにした

 一方、中村知事は、原子力発電の発電量が九電では4割を占めていることに触れ「安全確保対策が十分に講じられることを前提として、当面は原子力発電を維持せざるを得ない」との考えも示した。その上で、将来的には東電福島第1原発事故の問題点や、自然エネルギーの活用について検討し「方向性を見定めていきたい」と述べた。
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20110702/07.shtml

各社の立場や立地も違うので、一概に比較はできませんが、受けた印象はそれぞれ違うと思います。

この玄海原発の再稼動問題、本当に佐賀県議会と県民の方々が最後の砦となりそうです・・・。
Bochibochiは、6月29日 佐賀県知事へ玄海原発の再稼動について意見メールをしましたくらいしかできませんでしたが、何とか踏ん張ってほしいと、心の底から思っています。

続報を待ちます。

失礼します。