6月23日にストップザもんじゅの代表:池島芙紀子さんの講演があり、ようやく見ることができました。
京都はBochibochiの実家がある場所なので、とても気になっていました。

関西の状況を知るにはよい機会だと思いますので、是非ご覧ください。
中盤で紹介される「山のかなた」では、熊取7人衆の小林圭二さんや、「地雷原の上でカーニバル」の石橋先生が登場します。特に石橋先生は、3年前の講演で、まるで預言者のように今の現状を言い当てていらっしゃいます・・・。

では、どうぞ。

6月23日「危険な原発はいらない〜京都のすぐ北にも14基の原発が〜」池島芙紀子さん (99:54)
http://www.ustream.tv/recorded/15561860

【朗読劇:原発はいらない】
A:私、今まで原発は絶対安全、CO2を出さないクリーンなエネルギーだとばっかり信じていました。子供の学校の副読本にもそう書いてあったし、先生が子供に教えているので鵜呑みにしてきました。3月11日以来、原発がこんなに恐ろしいもので、どうにもならないものだと初めて知りました。
B:毎日テレビを見ていて、特に福島の人たち、放射能を浴びながら農民なのに○○も○めない、牛や豚を見殺しにするしかない、絞った牛乳は棄てるしかない、住み慣れた家や村を後にして避難生活をしているのを見ると、胸が痛みます。結局何の罪もない住民が全てを失い、犠牲になり苦しむことになります。
C:菅首相が「中部電力の浜岡原発を一時停止をする。関西電力に協力を。」と言ったら、関電の社長がほいほいと「精一杯努力します。」と言ってたよね?
B:冗談じゃない。ちょっと待ってよ。関西電力いうたら、反対運動を押し切って福井県の若狭に次々と原発を作った会社やで?
D:若狭ってどこ?
E:京都市の北、60kmほどの日本海に面した風光明媚なところや。夏には海水浴に行ったり、魚釣りに行ったりするところや。その一体には敦賀に2基、美浜に3基、大飯に4基、高浜に4基、それにもんじゅと全部で14基も原発があって、「原発銀座」と言われているところや。そのうちの一番西の高浜原発は、京都府の舞鶴のほんの近くで、綾部や宮津の人も20km圏内に入るところや。若狭の原発の下には、何本もの活断層が走ってるっていうことを国も認めてるようなところやで。
C:私は福島原発の事故を聞いた途端、琵琶湖の北の橋は原発から20kmも離れてない。琵琶湖に放射能が降り注いだら、ぞっとしました。
B:水道の蛇口をひねったら、琵琶湖の水。京都府民や大阪府民1500万人の水がめが放射能で汚染されたら大変やがな。
E:原発の耐用年数、所謂寿命は30年や。敦賀や美浜の原発は、40年をとうに過ぎて老朽化している。しかも美浜は7年前に事故を起こして、5名の作業員が死亡する大惨事を起こしている。福島の原発事故は決して人事ではなく、明日の若狭の姿やで。
D:それに原発作業員の人たちは、事故が無くても日常的に被曝して、使い捨てにされるのを前提にしている。そんなことも初めて知りました。
A:何もしらないとか、政府や電力会社の「原発は安全だ」という宣伝を鵜呑みにするのは大間違い。大事故が起こっても、政府や東電は本当のことを言わないし、メルトダウンしていても隠し続けるなんて、ほんとふざけてるわ。自分で努力しないと、本当のことを知ることができないっていうことが、よくわかりました。
C:そうや。私たちも昔々、戦争中に何も知らされないで、東洋平和のため、お国のためやと信じて戦争に協力させられた。学校教育もそうやったし、今もおんなじや。私は戦後になって、「私たちは騙されてたんや。もう二度と騙されんようにしよう。」と自分に言い聞かせて、自分の頭で考え、ものごとの本質や真実を知るよう心がけて戦後を生きてきた。
A:何も知ろうとせず何も考えずにいるうちに、戦争になったり大事故になったり、昔からずっと繰り返してきたんですね。
D:原発ってあんなに恐ろしい、どうしようもないものだと初めて知り、地震の多い国に作ってはいけないものだと判りました。
A:私もそのことがよう判ったわ。けどな、原発廃止したら今みたいな生活できんのと違うやろうか?それも嫌やしな・・・。
B:心配せんかってええ。今、全国ではそう電力の30%が原発で作った電気や。関西電力は一番多くて50%、それは原発の電気を使うために火力発電なんかを抑えて止めてるからや。火力発電や水力発電をフル稼働して、風力や太陽光など自然エネルギーを使う方向に進み、私たちも皆でちょっとだけ節電したら、大丈夫。いけるいける!
A:ほんま?子供たちも放射能の心配がない電気やと安心や。
D:そんなら皆で原発廃止や!全国の54基、全部廃止や!日本に原発はいらない!
全員:そうだ、そうだ。日本に原発はいらない!
B:即時廃止や~!
(終了)

【池島芙紀子さんの講演開始】
司会:池島さんは「ストップ・ザ・もんじゅ」の代表をされている。福井の敦賀半島にある高速増殖炉もんじゅの危険性を大阪で長年訴え続けてこられた。池島さんの話の後に、質疑応答の時間をとる。
(07:00-)
ストップザもんじゅの池島です。今日は昼間猛烈に暑く、外に出ていたらたちまち日焼けしてしまい、こんな真っ赤な顔になって、別に酔っ払ってるわけでありませんので、あの、申し訳ありません。
実は戦争時、6歳の時母親を亡くしている。京都の丹後半島に疎開していた。年配の方はご存知でしょうが、疎開してきたよそ者に対して、食糧の配給などでいじめられたりした。子供が多かったのでまともに食べ物が無かった。(母親は)産後の経過が悪く風邪を引いてしまい、薬も食べ物も無くやせ衰えて半年ほどで終戦直前の7月2日亡くなった。私は小さかったため詳しいことは覚えていないが、一定の年齢になって図書館で調べたり、当時初めて出た原爆の写真集を見てすごい衝撃を受けた。
「なぜあの時大人は戦争を反対できなかったんだろう?」
ずっと子供心に強くあった。それは時間が経って、学生時代に60年安保に直面し、すぐにわかるようになった。
さっきの朗読の中にもあったが、やはり国民がうかうかしていると、国の思い通りの方向に乗せられてしまうことがはっきりわかる。
私自身、偉そうには言えない。原発の危険性を知ったのは、退職してすぐ。若年退職だったが、30年ほど前に最初、反核運動をスタートさせた。枚方で何人かの市民と一緒に活動している中で、初めて原発の危険性に突き当たった。そこから猛烈に勉強した。反核運動はある一定の市民権を得ているとかなりの人が言うが、こと原発に関しては、ごく最近まで脱原発団体ということだけで随分差別を受けた。運動団体からすらも白い目で見られた。
「原発を反対するのはおかしい、そんなこと言う人は電気を使うな」
散々いろいろ言われた。そんな中でもめげずに30年間工夫して活動してきた。
原発を一言で言うと、「手に負えない化け物」のようなもの。
それが今や一匹ではない。54匹も全国にいる。その中でもとりわけ巨大な怪物が「もんじゅ」。もんじゅの危険性を知ったのは21,2年前。それまでは全国片っ端から応援に行っていたが、「やはり関西に住んでいるなら、もんじゅの危険性を中心に若狭の原発のことを関西、或いは全国の人たちに伝えたい」という強い思いで、ストップザもんじゅを作った。それから21年。
今から見てもらう映画は、過去にもんじゅに関する(ビデオ)、最初は「問われている叡智」というビデオを作った。吉永さんにも応援いただき、これは随分好評を得て全国で見てもらった。2作目は「明かされた真実」。DVDにしたものを持ってきたが、高裁判決で勝訴した時の様子を中心にまとめた。ただし残念ながら判決は最高裁でひっくり返され敗訴になった。
その頃ちょうど、地震の石橋先生の講演を聴いて、「日本が神戸の震災を経て活動期に入ったから、原発は地震に襲われる確率が非常に高くなり、それを『原発震災』と呼ぶ」という内容で講演された。私にとっては大変なショックで、それ以来私自身の大きな課題として、
「もんじゅと原発震災、この二つの目の前に迫ってくる大きな危険性を何とか止めたい。」
という強い思いを持つようになった。
いよいよ「映画を作るしかない」と思い、無謀にもいろんな監督にお願いしたが、残念ながら3000万円掛かるとか、あるいは日程が合わないとか、いろんな理由で断られた。「もうこれは自分でやるしかないわ」と思って作ったのが、今から見てもらう『山のかなた』という映画。素人が作ったものだから、音声にしても何にしても未熟な点ばかりだが、思いだけはいっぱい詰め込んでいる。今日配った『山のかなた』のチラシには、表に「巨大地震が原発を襲う時、一瞬にして全てが奪われる」このキャッチコピー。
裏にはキャストや
1章から2章が「再処理」
3章「被曝問題」
4章「地震と原発」
5章「代替エネルギー」でまとめた。今日は時間の関係で、1章の途中、もんじゅの一番恐ろしいところと、4章の地震と原発の石橋先生の講演の抜粋、これを先に見ていただけたら、後の話が理解しやすいと思う。上映をお願いします。
(16:20-)
この部分は見てください。【約25分程度です】
主な出演:
小林圭二氏[熊取六人衆、元京大原子炉実験室助手、2003年定年退職]
石橋克彦氏[地震学者、神戸大名誉教授](30:00-原発震災の講義スタート)]

(40:25-)
これを作り始めたのは、ほぼ3年ほど前。石橋先生の講演も3年前。
石橋氏:「起こる可能性のあることは、必ず起こる」
これを聞いた時、う~んと唸ってしまった。案の定、やはり起こってしまった。こういう事態をどうしたら防げるだろうという思いで必死になり、いろいろな取り組みの一環でこの映画も作った。
今回の東日本大地震と巨大津波。あれは地震学者でも想定していなかった場所。想定ゼロ。むしろ、東海・東南海・南海の太平洋側地震の連動で、30年以内に起こる確率が78%、非常に高い確率で起こると政府の学者ですら予測していた。今回の地震は誰も予測していなかった地域に直撃した。
最初に言ったように、こういう事態になった時に、
「いかに人間が愚かで弱いものか」
ということをまざまざと見せつけられた。今まで原発についてあまり批判的でなかった人でも、あの現実を見れば「もうこれはどうしようもないな」ということが、反面教師と言っては何だが、よく理解できたのではないか。
3ヶ月経ったが、未だに事故は収束していない。一時のように逐次どうなっているといろんな報道がされたが、ここのところかなりトーンダウンして、油断というか「もう収束しつつあるのではないか」という感じを持っている人が多いと思う。実は残念ながらそうではない。全然そうではない。メルトダウンした燃料は、格納容器まで漏れているかどうかはわからない。今は調べられない。しかし非常に高い確率で漏れ出ている。
では、どうしたらよいのか。
今、対策としては、そのままほっておくと、どんどん地面の下に流出。福島の場合は地下水の位置が他より高いらしい。一挙には行かなくとも、じわじわと落ちていき、地下水に触れたとき、これが大変。それを防ぐために、地下ダムとして巨大なコンクリートのダムを作るべきだということで、あまりオープンにはされていないが、1号から4号まで全部の周囲をぐるっと覆い、しかも深く掘って地下に巨大なプールを作らないと駄目。政府はそれを作れと言っているが、それに対して、東電はお金が掛かるから抵抗している。取り掛からない。だけどもそれは絶対に必要。元京大の小林先生に聞いたが、「最低限絶対に必要」と言われた。「では、シビアアクシデントと言う一番過酷な事故が今後ないのか?」と聞くと「ゼロではない。決してゼロとはいえない」そうだ。
ここはうまく説明できないが、「溶け出た燃料自身が自分自身で溶けて水と分離する」のだそうだ。「水溶液になっていくので、ストレートに高濃度の放射能を持った燃料ではなくなるので、最悪の水蒸気爆発にならないとは言えないが、確率はかなり低くなる」という話だった。でも「ゼロではない」とおっしゃっているので、まだ決して安心はできない。
もう一つは、既に冷やすために大量の水を入れたので、高濃度の汚染水が既に10万リューベを超えている。これをどうするか。ほっておくとじわじわと建物周辺に出て、海に出て汚染させてしまう。なんとか汚染水を浄化して、冷却水に使って循環させる方針でスタートしたが、これもたちまちトラブッてうまくいかない。2,3日前からこれも止まっている。どうなるか?本当に浄化できるのかも疑問。
この二つとも、今手に負えない状況。
さらに、もう既に大勢の作業員が被曝している。作業の体制そのものも、すごく問題がある。今までで、作業員だけではなく、福島県を中心に大勢の人たち、子供たちを被曝させてしまった。チェルノブイリを見るまでもなく、今後、4年、5年経てば、子供たちに甲状腺ガンが現れてくるだろう。非常に悲しいこと。
さらに最近になって、ホットスポットというものが遠く離れたところに見つかり始めた。放射能が綺麗な円形で広がるわけではなく、その日の風と雨と気象状況によって、どこに集中して落ちるかわからない。チェルノブイリでもかなり離れたところでホットスポットが出たように、今回もはっきりといろんなところで出始めている。
こういう事態を見ていて、本当にまだ関西の人たちは遠くのことのように思い勝ちだが、最初に言われたように、私たち関西に住む人間は、全国でも一番の原発密集地にいる。もんじゅをはじめ14基も抱えている若狭から、京都は隣接県だし、滋賀もそう。兵庫も大阪も50km、100kmという距離。決してこれは人事ではなく、
「今日の福島は、明日の我が身だ」
というふうに思ってこの問題を考えるないと、決して他人事ではないと思う。
(50:30-)
次に私自身、長年もんじゅについて取り組んできたので、もんじゅの現状について話す。
ちょうど今日、6月23日に去年8月に落とした炉内中継装置という巨大な装置(長さ12m、重さ3.3トン)を引き抜く。去年5月に15年ぶりに運転再開を強行し、さまざまなトラブルを起こし続けずるずると運転し、去年8月に落としてしまう事故が起こった。資料のとおり。
これが炉内中継装置で、原子炉内で燃料棒の取替えをするのに使うもの。これをしている時、去年の8月26日、ごく単純な装置で東芝が設計したのだが、上で掴んでいて掴みきれずに一つずるッと外れてドスンと猛烈な音を立てて下へ落下した。炉内にものを落とすなどということは、絶対にあってはならないご法度。なのにこんな巨大なものを落としてしまった。当然下の下部ガイドというラックに当たり、粉末状の何かを作ったに違いないと私は思っている。中がナトリウムで不透明だから、人間の目で見られない。誰にも中がどうなっているのか、損傷具合がどうなっているのか全くわからない。引き上げてみないことには判らない。一番心配しているのは、そんなままでもし今日の引上げ作業が成功し、順調に「このくらいの傷なら大丈夫だ」と40%出力で運転再開しようとしているが、もしまた運転ということになれば、その細かな傷やかけら、くずが炉心の間に挟まって紛れ込んだりしたら、これは大事故につながってしまう。
今晩のニュースでどういう風に作業が進んだか、何らかの報道はあるかと思う。
もう一つ心配なことは、ナトリウムの性質が、水や空気と絶対に触れてはならないということ。今、どういうことをしているかというと、引き上げる上部を窒素封入器(?)でナトリウムではないもので覆い、その中で引き上げ作業をする。もしその装置がちょっとでも傷ついて破れ、外部の空気が入ってきたりしたら、たちまち火災になる。だからこの工事は本当に難工事で、どうなることやら、さぱりわからない。
もう一つもんじゅがやっかいなのは、燃料にプルトニウムを使うということ。プルトニウムは先ほどの映画で(小林)先生が言っていたとおり、「人類が作ってしまった自然界にはない猛毒」なのでほんのひとかけらでも吸い込んだら、大勢を殺せてしまう恐ろしいもの。
もんじゅがいろいろな特性がある中でも、私が今の状況下で、福島の事故を踏まえて怖いと思うのは、「地震に弱い構造」であること。
どう弱いかと言うと、普通の原発・軽水炉は配管がかなり分厚く(7cmとか)作ってある。ところがもんじゅは、熱対策を優先させるために、地震対策を二の次にした。だから非常に薄く1cmくらいしかない。大変薄くて、しかも直径は80cmほどある大きな管。薄くて大きくて、それが猛烈に長い。例えば大きな体育館を想像してください。その中を80cmもある薄い配管があちこちに曲がりくねって宙吊りに吊り下げられている。それを支えるのが金具で、天井や壁から引っ張って辛うじて支えている。
そんなものがほんのわずかの地震に直撃されたらどうなるか。
ちょっと考えてみてほしい。素人でも、すぐにポキンポキンと折れるだろうと想像できる。そして配管が傷ついて破れたりしたら、中には高温のナトリウムが流れている。たちまち大変な大事故になってしまう。
なので、これだけ地震が頻発している、しかも活断層が次々に発見されている、この敦賀半島と若狭地域。もんじゅが作られたのは、「(資料の)直下に活断層が日本も」の箇所を見てください。安全審査をパスした時には、まだこの活断層は見つかっていなかったし、さっきの映画でも言ったように地震の静動期だった。だから審査員たちも安易に考えて「大丈夫だ」といってはんこを押してしまった。ところが今や次々と活断層は見つかっている。
もう日本は今回の東日本大地震、M9を経て石橋先生に言わせると、
「活動期などと言う生易しいものではない。天地大動乱期だ」
と表現されている。
この若狭湾もいつなんどき地震に襲われるかわからない。そんな中でも、今言ったもんじゅの構造なので、これは本当にぜっったいにやめていただきたい。

その②へ続きます。