※この記事は、6月22日IAEA:国際的補償の取り決めについて国際条約の1本化と閣僚会議で農産物や水の国際的安全基準設置を検討へに関連しています。


【IAEA閣僚級会合】信頼回復に一定の成果 「核の番人」に限界も
(共同通信)2011/06/24 21:57
 福島第1原発事故後の原発の安全強化策を話し合った国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合。日本は、事故の経緯を世界に説明する初の機会となった会合で、不信を募らせていた国際社会から一定の理解を得ることに成功した。一方、世界共通の安全対策の義務化を示唆した事務局に対し、異論を唱える国が多いなど、原子力の安全向上は道のりが険しいことも浮き彫りに。核の番人であるべきIAEAの限界を指摘する声も出た。

 ▽経産相は自賛

 「事故への取り組みを国際社会にアピールする重要な会議。(天野之弥(あまの・ゆきや))事務局長にわれわれの方策を最良のものと評価してもらうなど、目的は達成できた」。20日の閣僚級会合を終えた海江田万里経済産業相は、成果を自賛した。

 日本にとって今回の会合は、情報発信や汚染水の海への投棄などをめぐり、各国に不安や不信を与えたことを「謝り、信頼を回復することが最大の目的」(経産省幹部)。

 会合では、原発の安全性向上策に関する議長総括づくりに参加できないなど“日本外し”の動きもあったが、日本の事故後の対応に目立った批判はなく、一定の理解は得られた形となった。

 5日間の会議中、IAEAや151の加盟国からの参加者は、原発の安全性を高めるためのさまざまな方策を提示。
  (1)専門家チームによる抜き打ち検査
  (2)IAEAの安全基準の強化
  (3)原子力規制当局の独立性確保
―などを今後の課題として検討することになった。

 また、十分に議論はされなかったものの、飲料水や食料の放射性物質汚染に国際的な防護指針がないことに、「早急につくるべきだ」との提案もあった。

 ▽冷めた見方も

 ただ、フランスが「原発の安全対策の責任は各国にある。対策導入は各国の判断に委ねるべきだ」と主張するなど、安全対策の受け入れをすべてのIAEA加盟国に強制するのは難しいというのが、ほぼ一致した意見。

 フランスの原発問題の専門家、マイクル・シュナイダー氏は、「こうした(加盟国に強制できない)対策では、問題の解決にはならない」と指摘。「日本人が事務局長を務めるIAEAが、原発のリスクを減らす重要な機会を逸した」と批判した。

 会合参加者の中にも「核開発疑惑が指摘される国への査察のような強い権限を持たないと、大胆な取り組みはできない」、「フランスやロシアは自国の原発が世界に売りやすくなるように安全対策を改めようとしている」と冷めた見方もある。

 ▽何年も必要

 IAEAは会合で出た意見を踏まえ、原発の安全向上に向けた具体的な行動計画を9月の加盟国会合に報告。直後にニューヨークの国連本部で開かれる予定の、原発安全に関する国連の首脳会議では、潘基文事務総長が行動計画の早期実現を世界の首脳に促す考えだ。

 天野事務局長は「効果的な対策をできるだけ早く実施することが何よりも重要」と早期の取り組みを訴えており、来年後半に日本で開かれる原子力安全の国際会議までに「具体的な安全対策をまとめる考え」(外交筋)だ。だが、最終的な安全対策づくりには「今後何年も必要」(同)で、原発安全の国際的な議論は今後も続くことになる。(ウィーン共同=池内孝夫、森岡隆)
http://www.47news.jp/47topics/e/214437.php

IAEA閣僚級会合が閉幕しました。
いろいろな提言や意見が出されたようですが、具体的なことはまだよくわかりません。
しかし、9月には安全向上に向けた具体的な行動計画が報告されるようなので、それを待ちたいと思います。

何度も言います。
安全な原発なんて、世界中どこにもありません。

失礼します。