※この記事は、6月14日 東電:作業員の被曝線量と27日から建屋を覆うカバー設置を発表と汚染水の処理実績と思惑6月13日福島市:児童・生徒ら3万4000人に線量計配布へ6月8日発表:15日より都内100ヶ所で放射線量測定・・・しかし、、、に関連しています。


今日のたねまきジャーナルは、聞いていて耳を覆いたくなりました。
作業員の話もさることながら、福島市が線量計を子供たちに配るニュースについての解説が、完全に子供たちを「実験体」にしてしまっていることがわかり、心が痛んでしょうがありません。
子供たちは、選べないから・・・。

どうぞ聞いてください。

【福島原発】6/15/水★線量計(測定器)について (11:21)

※出だしが切れて、途中からです。
(小出氏)線量計を持たせないで作業員を働かせることは、絶対にあってはならないことだと思う。

このところ、社員の方で被曝している人がいるとか被曝限度250mSVを超えているとか伝わってきているが、持たずに入っているとなると、数字はどうなるのか?

(小出氏)そういうこと。持たない間が特に事故の初期で、一番被曝をしていたはずの時だから、その頃にないということは決定的な被曝の見逃し。

そうすると、ひょっとするともっと大勢の方が被曝限度を超えている可能性がある?

(小出氏)あるかもしれないというより、あるだろうと思っている。

こういった方々が出てくると、どんどん現場を離れなければならなくなるが、今後、作業員の数は足りるのか?

(小出氏)当初からそのことが心配だと伝えてきた。例えばチェルノブイリ原発事故の場合、収束させるまでに60万~80万人の軍人・労働者が派遣された。

60万~80万人ですか?!

(小出氏)そうです。日本で一体そんなことができるんだろうかと考えると、とてつもなく難しいだろう。これから一体どうやったら作業員を確保できるか、大変不安だ。

一般の人がすぐにというわけにはいかなですね?

(小出氏)もちろんできない。

特殊な知識や作業技術が必要?

(小出氏)そうです。

一方、そうやって線量を超えてしまった場合の体調や管理は今後どうやっていけばいいか?

(小出氏)場合によっては急性放射線障害が出る可能性がある。急性です。事故が起きた当時に「直ちに健康に影響はない」としていたが、直ちに健康に影響が出てくる人がいるかもしれないと私は思うようになった。それが一つ。「直ちに健康に影響が出ない」にしても、これだけの被曝をしたということは、ガンになる確率が非常に高くなり、当たりくじを引いてしまったということになるので、今後、そういった方々の健康をずっと調査し、フォローし、場合によってはきちんと補償をする責任があると思う。

ずっとというのはどれくらい?

(小出氏)何十年単位。

とすると、その方の人生ずっとですね?

(小出氏)そうです。いわゆる広島・長崎の被爆者の方と同じような重荷を背負うことになるだろう。

そういった状態になると、特殊な技能・知識を持った方が離れるわけで、その方々は仕事ができなくなってしまう。収入や、今後仕事をどうするかは、例えば他に作業の現場があったりするのか?

(小出氏)たぶんない。東京電力という世界でも屈指の企業が本来であればそういった方々のために今後の生活の補償をする責任があると思うが、東京電力が何回倒産しても購いきれないほどの損害が出てしまっている。一体そのような方々の生活をどうやって支えていくのか、こうなった以上、国として考える以外にないと思う。

そうですか・・・。一度働けなくなってしまった人は、あとは難しいということですね。一方で、福島市の話だが、市内の子3万4千人に線量計を配布することが決まったが、このことはどう見るか?

(小出氏)やらないよりは、やったほうがいいと思う。ただし、配る線量計にもよるが、恐らくガンマ線しか感じないものだと思う。子供は地べたに寝転ぶこともあるだろうし、内部被曝もするので、線量計を与えたからといって、線量を正確に測れると思ってはいけない。単なる目安程度のものだと思ってもらい、それでも福島の子供たちがどれくらい被曝をするのか、大人たちがしっかり監視をし、できるかぎり守る方策を考えるために使うべき。

9月から3ヶ月配ってみて、一ヶ月ごとにデータを分析するというが、このあたりはどうか?

(小出氏)実際には3万何千人の子供たちを調べようと思うと、そういう線量計しか使えないと思う。

それはどういう線量計?

(小出氏)多分ガラスバッチかTLDという名前の線量計だと思う。一月なら一月装着させ、それを一月後に分析にまわし、一ヶ月間の線量を調べるという線量計。

技術者から見てその精度・機能性は?

(小出氏)機能的にいえば、大変小さなものなので、子供が持つのは苦痛にはならないだろうが、先ほどいったとおり、ガンマ線しか感じない。地面に寝転んでベータ線で被曝するとか、内部被曝をしてしまうと、そういうものに関してはほとんど無力。

持つことによって比較ができるということですか?

(小出氏)そうですね。どの都市の子供の被曝が多いとかどこの小学校が多いとかその程度のことはわかると思う。

それによって安心はできないということですね。

(小出氏)もちろん安心はできない。きっと濃淡が出てきてしまうから、被曝の多いところで生活してしまった子供たちに対して、ではどうやって低減できるかという方策に使う、せいぜいそのくらいだと思う。

一方で、東京都内で100ヶ所放射線量の測定が始まったというニュースがあり、地表から5cmと1mのところで大気中の放射線量を測定しようということで、100ヶ所1週間だそうだが、「測定する」ことが出てきたが、これについてはどうか?測る高さもいろいろあるようだが?

(小出氏)地上5cmと1mで測るというのはいいだろうと思う。できれば50cmで測れば、子供たちの被曝を知ることができる。しかし、5cmと1mで測ることは基本的に必要なやり方だと思う。

100ヶ所ということだが、素人考えだと、例えば今でも新宿の数字は出る。全国地図の上に落として数字が出ている。比較して低かったら安心してしまう。そうすると100ヶ所のトータルが仮に軒並み低かったとすると、そこからまた安全神話みたいなものが生まれたりする。100ヶ所というのは常に変えていかないと意味がないのではないか?

(小出氏)はい。ただ定点で観測することも重要。基本的には人々がたくさん居る、子供たちが集まる、そういう場所は必ず必要だと思う。そうでないところは定点ではなくて、順番に回っていくということもやったほうがいいだろう。

これまでのモニタリングは例えば地上から1.5mだったり80.3mという自治体もあった。これについては・・・?

(小出氏)全くばかげたことだと思う。

どうしてこんなことになっていた?

(小出氏)判らない。地上から80mって一体どんなところで測ったのかと思うが、高層ビルの上でやっていたということなのか?ほとんど意味のないことをやっていたと思う。だから、東京都でやり始めた地上5cmと1mとできれば50cmは、これを決めて全国でこれをやるという方向でいってほしい。

一般の人でも線量計を手に入れられる状況なのか?一般の人が測りたい時注意することはあるか?

(小出氏)まず、測定器の性能が大幅に違うので、自分が手に入れた測定器で測ったところが「小さく出たから安心」してはいけないし、逆に大きく出たからと言ってその数値だけにびっくりしてもいけない。その測定器の性能がどういうものかをまず十分に知っていただかなければならない。いずれにしても個人で入手できるような測定器は、本当に簡易型と思ってください。だから値自身にあまり重きを置いてはいけないし、自分で持ったら、例えば100ヶ所測ってみて、この場所は高い、低いと相対的な比較は出来ると思うので、まずそれをやって、自分の被曝をなるべく少なくする。子供たちに被曝を少なくさせる。その目安に使ってもらうと思ってもらいたい。

目安ですか・・・。
どうもありがとうございました。

【以上】

・・・失礼します。