※この記事は、再び、NHK ETV特集「ネットワークで作る放射能汚染地図~福島原発事故から2ヶ月~」に関連しています。

木村さんのお話、非常に聞きやすかったです。
とても勉強になったし、今後に希望が持てる内容で、すごく良かったと思います。CNICに感謝です。
特に【その②】では、お子さんの内部被曝予防についてアドバイスがありますので、お子さんがいらっしゃる方は是非ご参考にされてください。

では、どうぞ。

20110613 CNIC News 放射能汚染について 木村真三さん (133:29)
http://www.ustream.tv/recorded/15374693
http://cnic-movie.blogspot.com/2011/06/51565nhk-etv-2-nhk-etv-cnic.html
どちらも同じ内容です。

【以下、時間のない方のために、内容を起こしています。ご参考まで】

(00:48:35-)
(澤井氏)3.11当日はどうされていたのか?
(木村氏)研究所にいた。会議があったがサボっていた。
(澤井氏)2時46分に?
(木村氏)はい。尋常じゃない揺れに、一応机の下に入って身を守り収まるのを待って出てきた。大変な地震だと思ったので、家族に連絡しようとしたが、連絡が取れず、電車も動いていないので研究所に泊まり、ようやく連絡が取れたのが夜中の2時くらい。家族が無事で安心して翌日家族のもとに行った。そしたら、「原子炉が危ない」と、「これは遂に来たか」と。電源消失などということは、僕もわかっていなかった。柏崎刈羽原発のことが頭に浮かんでいた。小出さんからもセミナーを受けていたので、いつかくると思っていた。実際に地震が来た時すぐに「原発大丈夫?」て言った。原発は大丈夫だと第一報が流れた。
(澤井氏)制御棒が入って停止したというニュースが流れた。
(木村氏)だから、「おー、この震災に耐えたのか」と思って安堵していたら、翌日制御不能だという話で、12日だったか、1号機が爆発したのを聴いた瞬間に、「悪い。今から研究所に行って、いつでも行けるように準備するから」と家族に言って、準備している間にいくつかメールを打った。厚生労働省にも、「こういう未曾有の事態になった時に、陣頭指揮取れるのは経験者しかいない。チェルノブイリがわからなかったらできない。実際に中にはいって調査した経験者は僕しかいないので陣頭指揮取らせてくれるなら、僕がやります」とメールを出したが、その後返事は無かった。なしのつぶて。得意ですよ。
(澤井氏)じゃぁ、自分で準備っていうのは現地に行くという準備?
(木村氏)はい。自分ですぐに乗り込めるような準備をして、たまたまその日だったか、七澤潔さん(NHK ETVディレクター)から電話があり、
七)「大変なことになったが、一緒にやるか?」
木)「やれますよ」
七)「研究所どうするの?」
木)「それはちょっと落ち着いて」
翌日会って、放射線防護はこういうものだと全て実物を見せ、こういう風にすれば大丈夫だと七澤さんに話をして、翌日NHKに来てくれと言われて行った。その時に
「大丈夫か?」と言われて
「ご安心ください。辞表を出してきた」
月曜日14日にメールが来て、電車が来なかったので通勤できなかった。メールで通知文がきて、
「本省ならびに研究所の指示に従って動くこと。特に放射線関係の人は専門であろうが一切勝手な行動は慎みなさい」
このメールで「辞めよう」と決意した。
(澤井氏)もう何もするなということ?
(木村氏)「辞めよう。こんなところに居たって仕方がない」
それはあくまでも幹部が通達してきている。幹部の人たちが自分の保身のため。
(澤井氏)研究所の幹部?
(木村氏)そうです。幹部と言うのは、理事、理事長、企画の部長、主席の方々が決めたことなのでしょう。
(澤井氏)何もしないで、家にいなさいと。もったいないですね。
(木村氏)存在理由がない。東海村臨界事故でやってきたことが、フィードバックできないし、さらにチェルノブイリの中でも事故調査があって、どういうことがあってとやってきたにも関わらず、本当に知っている人間が現地に行かないでどうするんだ。もちろん国の組織・機関は緘口令がしかれるだろうと経験済み。正しい情報を発信しないととてつもなく大変なことになる危機感がある。だから、とにかく早く行きたかった。
(澤井氏)では、ひとりでも行こうとされていた?
(木村氏)もちろんNHKに助けていただいたご恩はあるが、無くても一人でも行くつもりだった。行ってサンプリングしたら、広島大の遠藤さんや長崎大の高釣さんに協力してもらう話はついていた。とにかく(サンプル)取ったら送るから測ってということになっていた。
(澤井氏)NHKの最初で東京の空気を測って、小出先生が測定されたところがあった
(木村氏)そうです。あれは、たまたま東京にも来るかもしれないという話を今中さん(京都大)ともしていた。「現地でまずは、ヨウ素量がどのくらい出たかの推定値がほしいので、うちに一台あるから引っ張ってみるか?」「では貸してください」となって、送ってもらった。送ってもらって試運転しようとした。試運転した時に七澤さんから電話があり、
七)「今横浜だけど、0.3μSV/時あるけど本当?」
木)「えー!でも到達してます、多分。」
僕は自分で測定器があって、七澤さんには小型のほうを貸していた。大きい方で測定したら、家で1μSVあった。
木)「1μSV超えてます。これはいかん」
測定をそのまま続けて、1時間空気を測定したものを翌日(京都大へ)送った。
(澤井氏)小出先生もそれを発表しようとしたら、やめろと言われたと。
(木村氏)そうそう。小出さんにすぐ測ってくださいと。そういう連携は爆発した時点で七澤さんを含めて有志の人たちにはお願いしてあった。
(澤井氏)測る方がいなければ、資料をとってきても・・・。それはネットワークですね。
(木村氏)全く意味ないですからね。っていうよりは、取るのは簡単。測って分析するほうが大変。本当の主役は分析された方々。僕が出てきて必ず皆さんに話すのは、「(僕は)道先案内です。本当のメインの方は測定・分析して、解析をきちっとしてくれている方々で、この人たちがいなければ何もできなかった」ということ。
(00:58:00-)
(澤井氏)まず福島、最初に行かれたのは?
(木村氏)15日。常磐自動車道を走っていたが、守谷ICで3μSVあった。
(澤井氏)茨城県の守谷ですか?
(木村氏)はい。千葉県との県境。3μSV越えていたので、これはとてつもなく危険な状態ではないかと、近づけば近づくだけ高くなるのだろうと思っていたが、守谷を過ぎて中郷SAに入ったら、1μSVで「あれ?おかしいな?」と何が起こっているのか判らなかった。ただ、多分高濃度の放射能の雲が気団となって、いくつか通過していっているその最中に居るんだろうなという感覚はあった。
(澤井氏)放射能の高濃度のところがちょうど守谷にあったと?
(木村氏)そうそう。通過中に僕がたまたま測定したんだと思う。
(澤井氏)でもやっぱり14日15日というのは高い時ですよね?
(木村氏)14日はほとんど高くない。15日です。
(澤井氏)15日ですね。原発から出て流れたということですね。ずっと北上したということだが、常磐道をずっと行ったのか?
(木村氏)はい。NHKの方が機転を利かせてもらい、緊急車両の登録をしてもらった。高速道路が通行止めだったのを、貸しきり状態で通行できた。我々以外にいた車両は自衛隊だけ。いわき中央インターまで行き、いわきから国道399号線をずっと北上した。
(澤井氏)ずっと原発に向かって?そのときには相当の線量ですよね?
(木村氏)それでも、10μSVとかまでいってなかったのでは・・・。30km圏を掠めながら、ちょっと通過はしたが、20km圏も通過したが、そんなに高くなかった。
(澤井氏)原発の横で?
(木村氏)はい。まだ20km圏で。後になってわかったことだが、風の流れが北西だったということで、そこからズレていたので高くなかった。僕は宿を田村市の三春にとったので、すぐに三春に行った。三春が意外に低かった。2μSVとか1μSVくらい。守谷より低かった。
で、翌日いよいよ原発近くまで行こうとした。それは放送されていたとおり。10km圏に入る手前にトンネルが二つある。そのトンネルを越えた瞬間に10μ、20μとポンぽんぽんと跳ね上がっていった。それで、「あ、とてつもないところに来たな」と、その時少し緊張感が出てきたが、まだまだ僕の経験の中ではMax300μSV/時。東海村の時です。だから、まだまだと余裕があった。冷静に測定しながら、どこでサンプリングしようかと行って、原発から4km地点で針が振り切っているのに気づいた。300μ振り切っていた。「これはヤバイ」と初めて危機感を持った。車の中で300μSV/時を越えているということは、かなり高い。
(澤井氏)車の遮蔽はどのくらいか?
(木村氏)遮蔽は、今中さんが測定したのと、自分が測定した経験だが、遮蔽効率は2割。だから外と2割くらいしかかわらない。1.25倍したら外の線量になる形。
(澤井氏)中で300ということはもう・・・。
(木村氏)300振り切ってたので。外は大変だと思ったが、ここで取ることが一番意味があると思った。
(澤井氏)取ったのか?
(木村氏)帰りに取った。とにかく前に前に進もうと。今立ち止まったら、もし爆発したらもう行けなくなるから、爆発する前に行きましょうと言った。すると常磐線の高架が落ちていた。ここでどうしようとなって、見たら行けそうだから
木)「行けますよ」
七)「これは皆命が掛かってるんだから」
ディレクターに叱られ、
木)「じゃ、止めますか?でも、もうちょっと行ってみませんか?もうちょっとその先を見られれば、諦めもつく。とにかくもうちょっと前へ」
渡っていったら、どんどん線量が下がっていき、街中に入ったら40μSV/時くらいになった。大熊町。
「さっき300μ振り切ってたよね?完全なホットスポットですね」
「じゃぁ大丈夫です。行きましょう」
となった。
(01:04:40-)
たまたま長者原の道が壊れて先に行けなかったが、本当は中に行きたかった。もっと近づかないと見えてこないものがある。例えばプルトニウムが検出できないかもしれないという思いはあったが、それは周りのことも考えて止めようとなった。そこでは120μSV/時。
もちろん放射線防護に対して、皆さんは普通の花粉症のマスクをつけられている。あれでは、放射性ヨウ素がガス状になっていたら、全然トラップされないし、意味がない。活性炭五層構造で全部活性炭で吸着する形で、ドライバーさんなど全員やった。実はタイベックススーツも持っていた。タイベックススーツを使うかどうか迷った。
毎日使い捨てになる。ごみを増やしてもいけない。で、考えたのが、ゴム引きのカッパ=レインコート。なぜゴム引きかというと、ゴム引きは今ほとんど作られていない。天然ゴムのもの。ゴムは完全に空気を遮断させる。薄手でもある。そうやって働く人々のための店がいっぱいあるので、そこで購入した。
(澤井氏)もちろんゴム製を買って・・・。
(木村氏)それを着て、空気が出入りしそうなところは、ガムテープで縛って、入って来れないようにする。実は、カッパ着てやってるなんて思われがちだが、あれはものすごく効率的で、再利用も可能。よく計算した上で使っている。しかも空気が入ってこないので、内部被曝が起こらないように処理した上でやっている。放射線防護のプロから見ると、間違いない。
(澤井氏)今マスクの話があったが、福島の現地の方は5重構造のマスクなど手に入れられない。皆さん普通に花粉用とかが現状だが。
(木村氏)今はそれで大丈夫ですよ。
(澤井氏)今はね。でも15日16日とかその時は、もしかして中に取り入れてしまった、相当に・・・。
(木村氏)家に居てもあるから、それは避けられなかっただろう。今回の事故で僕が一番思うのは、中学生までの小さな子供たちのマスク、中学生は大人のマスクでいいが、小学生や園児などの小さな子供たちに対するマスクが少なかったこと。しかもそれ用の活性炭マスクさえあれば、かなり防げたのではないかと思う。
(澤井氏)全然子供用自体もなかったし、それは原子力防災の考え方が全く無かったということですかね。
(木村氏)そうですね。そこまで気が回ってなかったのではないか。
(澤井氏)それはあるのか?
(木村氏)知りません。
(澤井氏)ないのですか?子供用は。
(木村氏)僕の家族では、15日に自分で検出した時点で、あらゆる限り僕の知っているところ、小さな子供をもつ家庭へは全部電話をしている。
「とにかく自宅退避知り合いに伝えて。」
事故を想定して、妻に専用マスクを預けていた。子供には切って使うよう指示した。その上からマスクをしろと言った。そういうことをすれば、小さい子供でもなんとか耐えられる。しかしこれは、「避難をしなければいけない状況になったらそうしろ。家に居る時は我慢しなさい」と指示した。
(澤井氏)東京の場合は自宅退避である程度問題なかったと。
(木村氏)そう思いました。多分そういう気団が抜けていけば、必ず収束すると思っていた。現にどこかへ避難する必要はないと思っていた。
(澤井氏)場所にもよるが。
(木村氏)僕の住んでいたところ=測定地点はかなり他よりも高かった。それでも外に出て避難しているほうが危険だったと思う。動き回るより、家の中にきちんと居てじっとしていれば通り過ぎるから、感覚的には夕立と一緒。じっとすることが一番大事。
(澤井氏)東京の場合ですね。現地の調査で大熊町のホットスポットを抜けて町に入ってしまえば、下がってしまった。そのままずっと北上続けたのか?
(木村氏)いや、そこで道が壊れていたので引き返した。引き返したところのホットスポットで土壌や松のサンプリングをしてきた。
(澤井氏)やはり松は・・・
(木村氏)高かったですね
(澤井氏)吸引しやすいのか。指標になるわけですね。
(木村氏)はい。なる。松脂があるから吸着しやすい。指標としてよく使われる。コケも濃縮しやすいことを知っていたので、ついでに取ってきた。表面積が大きいほど吸着しやすい。
(澤井氏)いろいろなところにホットスポットは点在している状態か?
(木村氏)している。今でもしている。先週の木曜日にいわき市に調査に行った。TVとか関係なく個人で。今現在でも1μSV/時を超えている地点がある。6月5日の放送以外にも見つけた。対応をどうしようか考えているところ。

その②】へ続きます。