伴さんの報告を見ることができました。
放射能汚染地図のような活動をされています。
そんなに長くはないので、是非ごらんいただいて、福島の状態をご確認いただければと思います。

2011/6/10 15:30- CNIC News 伴英幸 放射線量測定報告 (32:41)
http://www.ustream.tv/recorded/15281006

放射線量測定 福島市~いわき市

空間線量調査 5月11日~12日

私が5月11日、12日の今から1ヶ月前に福島市からいわき市まで、空間線量の調査と現地の視察を兼ねて調査に行ってきたので、その報告をする。
11日は福島市に向かい、東北自動車道を北上し、福島へ向かった。
福島市には、県が測定している測定ポイントがある。まずそこにいってそこを基点としようと考えた。当日福島に着いたときは曇っていた。測定を始めてまもなく小雨が降ってきた。小雨の中でずっと測定をすることになった。。
5月11日の行程
 ・測定器はアロカ社製ガンマ線測定器(TCS-171)
 ・福島市から、国道114号から東へ→399号から南へと走りながら、いわき市に入った。
 ・福島市→川俣町→浪江町→葛尾村→田村市→川内村→いわき市
 ・3kmごとに空間線量を測定(高さ約1m)
(02:50-)
福島県北保険事務所
ここに県の測定ポイントがある。この写真を見せたのは、見えにくいが地面がガサッと落ちていて、コンクリートのたたき台が浮き上がっている。そういう状態だった。だから、ここまで非常に強い地震の揺れがあったことが判る。
これは駐車場の事務所の脇にある測定ポイント。放射線測定中ということで、囲いがして車が止まれないようにしてある。ここにある棒の上についている、これが県及び国の測定器で、積算線量と時間当たりの線量が出るようになっている。
私はアロカ社製の測定器を使った、隣に棒があるのは、1mの高さを作るため。
ここは非常に高くて、空間線量が2μSV/時くらい。福島は割りと高い感じ。それで私はマスクをしたが、市内の人たちは、マスクをしている人もいるが、マスクをしないでごく普通に生活している人が多かったように思う。
(05:00-)
測定結果地図

これはどこをどう通ったのかを地図に落とした。
3kmごとなのでもっとたくさんあるが、書ききれなかったので主だったところ、高いところをプロットした。
福島市が2.01μSV/時
その時の私の機械ではそうだった。
114号を通って福島原発に近づいていくのだが、値は1.03に下がり、また1.98にちょっと上がり、浪江町のところで最高の10.1μSVを計測。これも飯舘村など高いところに比べれば低いのだが、私の今回行った調査の中では一番高い値だった。その後2.53と下がり、実はこの赤い線は20km圏内なのだが、20km圏ギリギリのところを通ったのだが、むしろ値は0.49、0.30と下がり、そして南に来てちょっと高く2.27になり、それからいわきに入ってくると0.29、0.27に下がっていった。こういう結果だった。通常、日本のどこでもだいたい0.1以下です。ここだと0.05~前後だと思われる。それに比べると一番低いところでも4~5倍くらい高い。
ちょっとここで薄くなっているのは、東北自動車道が走っているのだが、白河市、須賀川市、郡山市、本宮市、二本松市となっていて、高速道路を走りながら、路上で時々止まりながら測ったのだが、郡山も2μSV 近く観測された。そういうふうな結果です。
(07:44-)測定値のグラフ
測定値
これを測定ポイントごとに全部ならべたのが、この数値。単位はμSV/時。
福島市から114号を南下する間に、2~1くらいになっている。川俣町に入って、ちょっと上がり(2くらい)、浪江町で非常に高い値(10くらい)。疎葛尾村(2くらい)田村市(1くらい)川内村(1くらい)で、先ほどいわきに入る時はちょっと高いと言ったが、高い地域(2くらい)があって、後は低くなる(0.3くらい)。
ところどころ、上がっている箇所があり、ある種非常に複雑な結果になっている。ホットスポット的にポツポツとあるようなイメージをもってこれを見ていたが、それはまた後で触れたいと思う。
(09:00-)
翌日(12日)は、いわき市議の佐藤和良さんと一緒になり、いわき側の30km圏内は北部でちょっと引っかかっていて、20km圏内にはいわき市は入っていないが、20kmと30kmの間に市の一部が入っている。そこを彼と一緒に測りにいった。もちろん、東京から行ったのは私一人ではなく、ななつもり所管のなかざわ社長とか、労働情報のあさいさんとかライターのおんださんの4人のチームだった。いわきでは市議の人とさらに2名に参加してもらい、途中地元の方にも入ってもらった。
これはいわき市内から北のほうに向かうのに、海岸沿いを行ったので、その途中の四ツ倉というところ。この辺は全部津波のあと。家が壊れずに建っているところでも1階は全部やられているということで、ここはトタン板が貼ってあるという形だった。まるっきり家が壊れて無くなっているところもあれば、倒壊しているところ、倒壊していなくても1階は使い物にならなくて2階で暮らしている。こういう状況。
(10:52-)
これは同じく四ツ倉の道の駅四ツ倉港で漁協のあるところ。すぐ海岸ぞいなので、津波で1階部分が全部やられている。実は柱がなくなっていて、急ごしらえの棒のようなもので支えている。
一緒に行った人の話によると、水だけだったらこんな風にはならないのだが、駐車してある車が全部流れてそれが壁に当たって、自動車も壁も柱も壊れた。
この日行ったのは、いわき市内の東の北のほうの一角。30km圏内はもう少し上のほうなのだが、時間との関係があって、いけたのはこのあたりの一角。それと田人という地区が高いそうなので調べようということになり、2ヶ所だけ選択的に行ってきた。当日は小雨。この時、市議の佐藤さんはアメリカ製の測定器GMカン型を持っていて、一緒に平行して測った。
(13:30-)
いわき市測定値
これが調査結果。金ヶ沢~よつくら港まではつながった塊。
この時は、地上1mと地上1cm2ポイントずつ測った。地上1mが高いところは、割と1cmのところも高く出て、それほどでもないところは、割とその差は近い。コンクリートの上はあまり変化がないが、下が地面(土)であったり草が生えていると、差が激しく出た。
いわき市長合同庁舎で測った。1階も地震で壊れていた。立派な鉄筋コンクリートの1階部分がでこぼこして使えない状態。ここで0.27くらい。それに大して北側のほうは1を超えるところ(金ヶ沢)や0.5を超えてよつくらまでは高いところが続いた。田人に行ったのだが、測った4箇所については、合同庁舎に比較すると高いが、そんなに激しく高いという状態ではなかった。結構グラフがでこぼこしているのは、場所によって随分値が違うんだというふうなことが判った。
(16:10-)放射能の広がり
放射能の広がり文科省
これは文部科学省とアメリカのDOEによる航空機のモニタリングの結果で5月6日に公表されているもの。これによると汚染の広がりとしては、赤いところが一番高い。
 赤は19~91  (μSV/時)
 オレンジは9.5~19まで
 黄色は3.8~9.5まで
 緑は1.9~3.8まで
 水色は1.0~1.9まで
 青いところは1.0以下ということ。
このように発表されている。値は福島市内は緑のところもあって、1.9~3.8の高いところ、伊達市も入っている。私たちのルートと重ねると、大まかな傾向は示されているような状態だと判った。特に一旦少なくなってから峠を越えると少し高くなり、いわき市に入ってまた下がる。二日目に測ったのはこのあたり。ホットスポット的に高くなっているところもある。よく見るとあらわされている傾向は、それを追確認してきたということになるが、しかし、実際に走ってみるとホットスポット的にポツポツと高いところが感じられた。
(19:15-)
【質問】
ここに書かれているのは、茨城県の土浦市で4.84μSV/時という非常に高い、さっきの地図で言うと黄色に相当するような汚染が土壌測定で検出されているが、これについてどう考えていったらいいか?この数値が正しいのかどうか?
【回答】
正しいとか正しくないとは、これだけでは言えないが、一つは、地上と地表の違い。土壌測定といっているので、恐らく地表を測るとやはり地面のほうが値が高い。もう一つは測定器。ちょうど佐藤さんはGMカンという測定器でベータ線・ガンマ線両方同時に拾ってくる測定器。例えば金ヶ沢のところで情報室のガンマ線だけを計測する測定器が例えば2だったとして、GMカンで測るものは、倍以上になっている、あるいはもっと多いケースもあった。だから測定器の問題は結構大きい。何で測っているかは特定していかなければならない。ベータ線だと飛距離はそんなにないし、靴をはいてそこにいる分には、被曝ということは考えなくていいと思う。ガンマ線についてはそれは全部透過して人間のところに飛んできて全身貫いていく。だから、ガンマ線は気になければならない。泥んこ遊びはベータ線も気にして対応していかなければならない。計測機械の名前や計測地点(高さ)などを教えてくれると比較しやすくなる。そうではありながらも、この数値は高いと思う。土浦まで飛んでいったということはヨウ素とセシウムだと思われる。昨日の報道では福島市内からストロンチウムが約80ベクレルくらい/kg検出されたということで、ストロンチウムは割りと遠くまで飛んでいったことが分かった。実は私には意外でショックだった。そんなに遠くまでいかないだろうと考えていた。自分の認識が甘かった。土浦にストロンチウムが飛んできているということは考えなくてもいいんだろうと思う。やはりヨウ素とセシウム。セシウムは2種類あって、セシウム134と137。ヨウ素も131と132があるが、131ですら半減期は8日で、3ヶ月経つと大体2000分の1に減るので長期的に見た場合にはセシウムによる。セシウム134は半減期2年。137は30年。今後将来に渡って、地面に落ちた場合には、影響が出てくる。
チェルノブイリの経験及びその後の調査から、粘土質の土壌ではセシウムは地表から20cmくらいのところに8~9割くらい移動しないで地表にとどまっている。砂地だと違うと思うが、地質によるところもある。そういう報告がされている。雨と共に降ってきて家庭菜園を汚染している高い4.84μSVという数値の現況になっているのはセシウムだと思われる。作り続けるのなら、何らかの対応策を講じたほうがいいのではと思う。どれだけセシウムが野菜に移行していくかはあまりよくわかっていないようだ。厚生労働省は濃縮についてのある指標を出していたと思うが、関心がある人はそれをご覧ください。どうなっていくかわからないところがあるが、もし家庭菜園を続けるとするなら、地表から5cmくらいは削って測定器で測ってみる。削った土はビニール袋に入れてもう一度埋めるか保管する。
対応策としてはこのとおりだが、野菜になると特に有機農法とか薬品を使わないで育てている人にとっては地質が命。それを削らなければならないのは、非常に心苦しいのだが、食べ物の安全、人の安全を考えるならば、高い地域では表土を削って安心して食べられるようにするのが良いのではないかと思う。
(28:45-)
放射能汚染の広がりというのは、広範囲に渡っていて、それぞれ地域によって異なる。郡山市については、学校の表土を削った。削って数値が大きく減ったところと、半分くらいしか減らなかったところと、一様に減るというわけではないようだ。今回2回目に表土を削ることもやっているようだ。大変な作業だとは思うが、子供の安全を考えれば、避難するのが一番いいかもしれないが、避難できないで残っている子供の安全を考えるなら、そういう対応をこまめに学校単位でやっていくことは重要なことだと思う。それだけでよいかというと、そうではなくて公園は手付かずのところもあるようだし、順次広げていく必要がある。福島市でも同様の取り組みが必要だと思う。削った土をどうするのかとよく聞かれるが、一番いいのは福島第一原発で受け入れることだと思う。あるいは高度に汚染された場所、赤いところで原子炉に近いところに県の所有する土地があれば、一時的にそこへ持っていくことは十分考えられる。地元の人にとっては心痛いことかもしれないが、この赤い地域には比較的長い間、汚染状況からすれば「住めない」場所と言える。それを考えれば、県が独自で判断できるよい手段だと思う。もちろん地元の人たちと相談もしなければならないが。そういった方法を講じていただければと思う。学校の端に積みっぱなしというのは、あまり合理的な話ではない。今のところは止むを得ないかもしれないが、解決策を探ってほしい。
これ一回で終わらずに、また漏れているところを探って行きたいと思う。北のほうの調査もしたい。
【以上】


失礼します。