6月4日に行われた田中優氏の講演を見ることができました。
長かったですが、見てよかったと思います。ご紹介しておきます。
いつもどおり、内容を起こしてますので、時間の無い方はご参照ください。(①~④)

6月4日 田中優氏の講演@八王子市民講座①

http://www.ustream.tv/recorded/15154890 (177:38)

八王子市民講座②

http://www.ustream.tv/recorded/15157102 (12:28)

八王子から始める原発に頼らない社会(05:00-)

【現状の簡単な解説】

今、原発は青空原発になってしまった。

従来の原発事故と比較すると、チェルノブイリ、スリーマイル共に一基ずつだったが、今回は1,3,4号機は水素爆発が起こり、2号機は内側で爆発があったため建屋こそ残ってはいるものの、放射能が漏れてきている。この4基が一斉に放射能を出している。しかも5,6号機については、水素爆発の危険があったため、天井に穴を開けてしまっている。そこから微量ながらも放射能は出ている。


【このあとどうなるか】
まだ水蒸気爆発やメルトダウンと再臨界の危険性がないわけではない。確率は下がったと思うが。爆発の危険性はこれからも数年続く。放射能は、毎日飛んでくる。東電は9月ころに蓋ができればと言っているが、どんどん計画は遅れているので、今年いっぱいは放射能は漏れ続けるだろう。じわじわずっと危機感を持ち続けなければいけない事故。

最悪の事故に比べれば、まだましだと言えるが、それでも放射能は十二分に撒き散らされている。

【レントゲンと比較するナンセンス】(08:15-)

胸のX線の被爆量と比較することはペテン。

X線撮影で受ける被爆量は0.05mSV/時。

一日24枚、365日撮り続ける人はいますか?いない。


放射能の被害は、どのようにでてくるか。

政府のいう「ただちに影響の出るレベルではない」

では、ただちに影響の出るレベルとはどんなレベルか?

→放射線で焼き殺されるほど被爆してしまうレベル。広島や長崎のような。


では「ただちではないが影響はあるのか」

→これはある。日本が採用しているICRPによると、1mSVの放射線を浴びた場合、10万人あたり5.5人がガンで死ぬという被害。

では、10mSVだったらどうか。

→55人になる。

100mSVだったら?

→550人になる。

誰が被害が出るかはわからない。ただ確率だけの話で、後から被害が出てくる。

では、被害が出た人を病理解剖して放射能が原因であると立証できるか?

→立証できない。だから補償金も得られない。でも確実に浴びた量に比例して被害者が出る。

安全なレベルなどない。

浴びないに越したことはない。

どこまで浴びても大丈夫などという安全な閾値などない。

なおかつ、その被害は遅れて出てくる。

大人の場合は10年、20年後にガンになって死ぬ。

子供は10年あるいは5年。

胎児はもっと早い。


もともと放射能は放射線をだす能力があることで、被害そのものは放射線から受ける。光や携帯電話と同じで、電磁波の一つ。とても体に悪い電磁波。体を通り過ぎる時、そのとき遺伝子を傷つける。遺伝子は細胞分裂の時に必要。大人はあまり細胞分裂しないから、影響が遅い。子供になるほど細胞分裂が活発。胎児は受精卵からどんどん細胞分裂していくのだから、その影響は相当大きい。

こういったことをきちんと説明されていない。

福島では、お子さんを抱えたお母さんが福島を離れたいと思っていても、周りから裏切り者扱いを受け、出ることができないでいる。

こういうことが起こるのは、周りの人がこういう知識を持っていないから。

この知識があれば、本来なら「避難すべきだ」と言ったと思う。

しかし、政府は「安全だ」と言い続け、長崎大の山下氏は、福島県で「100mSVでも大丈夫。心配要らない。妊婦も気に病むほうが体に悪い。子供たちはストレスがたまるから、外で遊ばせてよい」といい加減なことをたくさん言った。

これはデマです。

なぜなら、日本が採用している基準は1mSVまで。

なのに、100mSVまで大丈夫と言ったら、それはデマになる。

ところが、日本の中では、そのデマを言う人のほうがテレビ、ラジオ、CM、自治体の広報に載るのに、日本政府の基準で発言すると「あなたは危機感を煽りすぎる」と言われてしまう。

どう考えてもおかしい。

そのような、一人で勝手に「安全だ」といえる権利は誰にもない。

こういったことのせいで、現地から出られずに居る。


実はすでにチェルノブイリであったら、避難を余儀なくされているレベル。
チェルノブイリでは、避難させられていたのに、日本ではできない。

つまり、チェルノブイリの時の旧ソ連以下の日本。

日本は、チェルノブイリ事故の時、散々馬鹿にしたいたくせに、いざ日本が事故になったら、それ以下。なんて国でしょう。

将来、子供たちが死ぬ。

チェルノブイリでは、子供たちから順番に死んでいく社会ができてしまった。
大人は影響が少ない。子供は順にガンになって死んでいく。

これが福島の未来になってしまったら、これは耐え難い。

だからなんとかして、少なくとも14才より下、もしくは20歳より下の若い世代をそこから避難させるということをやりたい。

【SPEEDIの解説】(00:17:15-)

原発事故があったら、すぐさま放射性物質の飛散状況を知らせる文科省の機関がある。SPEEDI。まったく情報を出さず、事故から3週間で初めて一枚の地図を公表し、2ヶ月たってようやく。ヨウ素131の被爆量。成田全部入っている。

土地の汚染はものすごい広いエリア。日本に降り注いだ大気圏核実験の時のレベルをはるかに超えている。その時の数値は3000ベクレルほど。今回は10万~100万ベクレルの汚染が広範囲にわたっている。桁違い。

それほどの汚染があったのに、教えてもらえなかった。

そのためにみんな被爆を強いられてしまった。


東京近辺に住んでいる人であれば、3月15日、20日くらいの日だけで、1年間の許容量1mSVを受けてしまっているという推定計算が出ている。

守られるはずだったのに、全然守られていない。

【東京都内の放射線量の測定結果】(00:20:10-)

八王子市は低い

江戸川区はとても高い

これは共産党が調べた。

【内部被曝と外部被曝】(00:21:00-)

外から飛んでくる放射線が、体を突き抜けるのが外部被曝。

たとえばあの光が放射能だったとしたら、そこから四方八方に放射線を撒き散らすのだが、その一部が体を突き抜ける。これが外から浴びる外部被曝。

しかし、それを食べてしまったらどうか。

放射性ヨウ素131が体内に入った場合、甲状腺に溜まって内側から四方八方に放射線を撒き散らす。100%全部当たる。これが内部被曝。

ベータ線は1mほどしか届かないので、外部被曝の場合は届かないことが多いが、内部被曝は必ず当たる。

外部被曝より内部被曝のほうが桁外れに影響を受ける。内部被曝をしないことが重要。

日本は食品の放射線量の基準、本来持っていた基準は無かった。原子力発電は絶対に事故を起こさないから。

チェルノブイリ事故が起きたときに、輸入食品について、370ベクレルという基準を作った。

今回、国内の食品について、今回ヨウ素で2000ベクレル、セシウムは500ベクレルまでなど、非常にゆるい基準。これは安全なレベルではない。

現在、日本の飲み水のヨウ素の基準は300ベクレル。

WHOは10ベクレル。

アメリカの基準は0.1ベクレル。

日本人だけが、アメリカ人の3000倍放射能に強い体を持っているということなのか?そんなデータはないので、被害は出るだろう。

セシウムは筋肉に溜まるの性質を持っているが、男性は筋肉量が多いので、筋肉へ行くが、女性は筋肉量が少ないため、子宮に集中する。

そうすると、卵子が壊されるということが起こる。


以降、その②へ続きます。