5月28日小出先生の講演@山口県周防大島町
講演のテーマ:原子力の恩恵とリスク
① (24:59)

② (25:37)

③ (25:12)

④ (21:34)
 ⑤ (20:32)


是非ご覧になることをお薦めします。電力会社のついた嘘とそれを隠す為に政府が何をしてきたか、これから私たちはどうすればいいのか、考えましょう。
小出先生が、あきらめずに脱原発の講演を続けていらっしゃいます。

・・・私も微力ながら、頑張ります。

散歩に行ってきます。


【以下、時間のない方のためにまとめを書き出しておきます。】

小出氏が原子力分野に入った頃、世間で言われていた原子力の恩恵
1955年12月31日 東京新聞を紹介
 ・石炭などの資源がなくなっていくことを考えれば、原子力は必要不可欠
 ・電気料金は2000分の1になる
 ・原子力は火力発電のように大工事や大煙突が必要ない。
 ・毎日石炭を運びこみ、それに付随する作業もいらない。
 ・密閉式のガスタービンが利用できれば、ボイラーの水すらいらない。
 ・山間僻地を選ぶこともない。
 ・ビルの地下室が発電所ということ。
  →全て嘘だとわかりますね?

こういった恩恵があるとみんな信じたから原子力政策が始まった。

【検証】
・石炭が本当になくなってしまう資源かどうか。
・当時は石油の枯渇が心配されていた。
 (グラフを使って石油資源と戦争の歴史との関係を説明)(①5:50-)
 こんなに間違った推定のために日本は原子力へシフトしていった。
 中曽根氏「原子力は国力だ」といって命運を決めると宣伝している。

 →化石燃料よりウランの方が多いといえなければ、原子力をやる説明がつかない。

最高不能のエネルギー資源=使えばなくなる資源の解説 (①21:20-)
 ・究極埋蔵量と確認埋蔵量の関係
 ・石炭の確認埋蔵量だけで60~70年近く世界のエネルギーをまかなえる。
 ・天然ガスについて何百年支えられる可能性がある
 ・その他、石油・オイルシェール・タールサンドなどもある
 ・これらに比べてウランは一番貧弱な資源

原子力発電は損をする
 ・原子力は安いと言われているが、インチキである
 ・国や電力会社は勝手に都合のよいモデルを作ってそれに基づき計算してきた。
 ・立命館大学の大島ケンイチさんが検証するため経営データに基づいて作ったグラフを紹介。(②03:00-)原子力が一番高い。
 ・原子力は一度稼動するとずっと動かさなければならない。小回りがきかない。
 ・揚水発電は3割損する←そもそも原子力ありきで作ったどうしようもなくて作った発電方法
 ・何もいいところはない。やるだけ損をする発電方法。
 ・原子力発電を始めたがために、ずっと高い電気を交わされ続けている。個人も企業も同様に負担している。
 ・企業の場合は国際競争に勝てなくなってきた。(国内アルミ生産の推移を解説)

電力会社が原発を進める理由 (②09:15-)
 ・みんなモノを買うときは選択できるが、電力は会社を選べない。モノは少しでも安くなるよう努力されるが、電気料金は法律で決められる。(計算方式の説明)
 ・電気事業法が利潤を決める。
 ・中部電力がそのような方針を進めたために、他の産業が潰れていく。
 ・これからは電力の自由化の時代

日本にある54基の原子力
火力も原子力で何をやっているか?
  →お湯を沸かしているだけ。

なぜ原子力発電所が都会に建設できないか (②14:35-)
  →ここでウランを燃やして核分裂反応を起こし、途方もない量の死の灰(=放射能)を作るから。
 ・広島原爆で落とされたウランの量800g
 ・100万kwの原子力発電1基が燃やすウランの量1t/年

原子力推進派がとった対策 (②17:30-)
<その1>
万が一原発で事故が起きた時、電力会社が補償・賠償できるか?
 →できるわけない。東電が何度倒産しても足りない。
 →電力会社から破局的事故から免責する法律を作った。
原子力損害賠償法
・1961年時50億円の限度制定→2009年時1200億円に制定
 →東電・政府間で補償の範囲についてもめている。
<その2>
原発を都会に作らない
原子力を建てる際に、安全審査をすることにした
原子炉立地審査指針
 1)原子炉の周囲は、原子炉からある距離の範囲内は非居住区域であること。
 2)原子炉からある距離の範囲内であって、非居住区の外側の地帯は、低人口地帯であること。
 3)原子炉敷地は、人口密集地帯からある距離だけ離れていること。
→都会で使う電気を都会に作ってはいけない。ふざけた話。

東電の発電所を地図を使って解説 (②23:35-)
 ・東電は、火力・水力・原子力全て持っている。
 ・火力発電所は、合理的に東京湾に並べている。
 ・送電が長いだけ、電力が減っていく。
 ・福島原発がどこにあるか、柏崎刈谷原発がどこにあるか。
 ・東京とは全く関係ない土地に建て、長い送電線を使ってきた。
 ・今現在、東電はまだ青森県東通り原子力発電所を作ろうとしている。

原発が事故を起こせばとてつもない事故になることを知っていたから。

チェルノブイリ原発事故を写真を使って説明 (③01:00-)
 ・4号炉、ソ連きっての最新鋭の原発だった。
 ・鉛のスーツを着る作業員
 ・瓦礫をスコップで処理する作業員
 ・60万~80万人の作業員
 ・放射能まみれになった車がうち棄てられている写真
 ・広島原爆の800発分(CS-137 を尺度)の放射能がばら撒かれた
   →福島は風によって周辺の土地を汚していっている。
 ・ソ連が3年に発表した放射能汚染地図の解説(
   →色つきの箇所は日本の法律に照らすと、放射線管理地域にあたる。
    放射線管理区域とは?
       ・水が飲めない。
       ・モノが食べられない。
       ・タバコはすえない。
       ・寝てはいけない。
       ・子供は絶対に連れ込んではいけない。
       ・一般の人が接するのは病院だけ。

チェルノ原発から約300km半径に汚染が広がった。
・赤い箇所のみ住民40万人を避難させたが、ソ連が破産・崩壊後、黄色・青の地域の方は避難できなかった(半径約700km)。現在565万人が生活している。既に事故から25年。

ソ連は当初この事故を隠そうとした。
「原子力発電でトラブルがあったので3日分の荷物をもって避難してくれ」
二度と自宅に戻れなくなった住民の方々。

福島でも同様
 周辺 3kmの住民を避難させる→万一のため
 周辺10kmの住民を避難させる→万一のため
 周辺20kmの住民を避難させる→万一のため
 周辺30kmの住民は自主的に避難しなさい→ひどい国だ
 30kmをはるかに超えた地点に猛烈な汚染地帯を発見→飯舘村などは離村させる
  ・避難させられた住民は、お年寄りを中心にどんどん亡くなっていく。
  ・もう自宅に帰れない。
  ・一時帰宅の際は、防護服を着させられ、どうしても必要なものだけを持ち帰るだけ。
  ・避難地域で亡くなってしまった方は、運び出すこともできないため、防護服を来たままの家族によって、その場にだびに臥す。

チェルノの場合は多くの村が消えた。(③17:45-)
 ・広河隆一氏の消えた458の村の写真を紹介
 ・福島の上空写真
 ・チェルノは1基、福島は4基ともボロボロ

福島には非常用発電機があったが津波で持っていかれた。
電源車などを持ってきても繋げる箇所が水没している。
何もできないまま、暗闇の中作業員は懐中電灯で走り回って何とかしようとした。
福島の作業員の方々は今懸命に作業を続けている。

周辺の農家、酪農家の方々も大変 (③21:50-)
 ・万一の為といって、すべて家に置いたまま避難所へ行った。
 ・酪農家にとって牛は子供。
 ・防護服を着て牛にエサをやっている写真
 ・死んだ牛、馬の写真
 ・どうにもできない事態が福島で進行中

日本政府が発表した汚染地図 (③24:20-)
 ・30kmをはるかに超えた飯舘村や伊達市に高濃度汚染地域
 ・黄緑や水色の箇所は、それに匹敵する汚染 60-70kmの範囲
 ・日本の法律を厳密に適用するなら、放射線管理区域に相当=一般人が立ち入ってはいけない地域
 ・宮城・茨木の一部を含む。

どうしたらいいのか、途方にくれてしまう。

チェルノから避難する女性ときの写真を紹介 (④02:20-)
→こうやって40万人の住民が避難させられ、生活が崩壊した

福島も同様。
万一の処置で避難所に押し込められたが最後、農業、酪農に戻ることはできない。
生活が崩壊してしまう。

私は、被ばくがとてつもなく恐ろしいということを知っている。
放射線管理区域で一般の方に生きて欲しいなんて到底言えない。
なんとか逃がしたい
逃がすということはその人たちの生活を崩壊させてしまう。
どっちをとるのか。
チェルノのとき、結局私にはわからなかった。
どっちも選択できない。

原子力をやめるしかない。次の事故が起こる前に廃絶したいと思ってきたが、福島の事故は起きてしまった。

今私たちは、その選択を迫られている。

40-50km地域は恐らく政府によって強制避難させられるだろう。
何十万人の人が生活を崩壊させられる。

その周りには福島全域に匹敵するような規模で土地が汚染されている。


(④06:15-)
もし上関の原発ができれば、ここ大島町はほとんど全部が30km圏内
事故がおきるかどかはわからない。
でも起こったら、国はきっと同じことを言うでしょう「万一のために・・・」
その時あなたは何を持っていきますか?

そんなことを皆さんは許せますか?

世界は原子力から撤退している。
日本人は未だに原子力を信じているが、世界は原子力の夢から覚めている。

米国の原発開発状況を例に挙げて説明(④07:40-)
 ・1974年を境にどんどんキャンセルが相次いでいる。
 ・今から30年以上前に米国は原子力の夢から覚めている
 ・西欧も同様。

日本の発電設備の量と実績の解説 (④09:50-)
原子力は全体の3割あって、原子力なしでは今の生活を支えられないといわれ続けてきた。
【発電所の能力:全出力で1年稼動させた発電量】2005年度
 ・水力     4000億kw
 ・火力    12000億kw
 ・原子力    4500億kw
 ・その他     少量
 ・自家発電  4000億kw
【実際の発電量】
 ・水力   1000億kw(全出力の20%)
 ・火力   5500億kw(48%)
 ・原子力  2500億kw(70%)←コレが総発電量の3割
 ・その他   少量 (68%)
 ・自家発電 2000億kw(55%)
この原子力の3割は必要ですか?

コレを私が指摘すると、国や電力会社が文句を言ってくる。
「これは1年間平均してのことだから。電気はためておけないので、真夏のピークにあわせて発電所が必要だ。だから原子力が必要だ」

冗談を言うな。

次のグラフの説明 (④13:05-)
最大需用電力量は水力と火力でカバーできている。
しかも、最大需要電力量は、真夏の数日の午後の数時間の時だけ。
原子力が全くなくても電力供給に困らない。

福島の事故が発生後、原子力発電所は動いている。
恐らく島根は稼働中。

不思議でしょうがない。なぜ原発を全て止めないのか?

原子力はどうかと聞くと、
「停電がいや」
「原子力はしょうがない」という人が結構まだ居る。
驚いている。

まずは止めることから始めたい。

中国電力がどれくらい発電所を持っているか (④15:30-)
【設備容量】
  火力:         780.1kw
  水力:         290.5kw
  原子力:       128kw (2基)
  他社受電契約: 351.5kw
------------------------
  Total:       1,550.1kw
【最大需要】     1,071.4kw (2009年実績)
【最小需要】       622kw
【需要予測】     1,252kw   (2018年度最大需要予測)
  ↑この需要を満たすため島根3号機(137.3kw)
   上関1号機(2015年、137.3kw)
   上関2号機(2018年、137.3kw)を計画

7,8年先でも原発はいらない。他社との受電契約金があればはるか先の電力をまかなえるほどの発電所を中国電力は持っている。

原子力をやればやるだけ、電気代はあがっていくし、経営も圧迫されていく。
まともな経営者なら即刻原発をやめているし、まともな労働者なら、会社に原子力だけはやめろと要求すべき。

残念ながら、経営陣も労働組合も腐っている・・・。

まっとうな生き方 (④19:00-)
女性の言葉
「私は子供たちに嘘をついてはいけないし、間違えたときには謝りなさいと教えてきた。」

要するにこれだけのこと。

電力会社や政府は嘘をついてはいけない。
原子力が未来のエネルギーだなどと嘘をついてはいけない。
原子力は事故をおこさないなどと嘘をついてはいけない。
原子力で圧倒的に安い電気代だなどと嘘をついてはいけない。

それらがもし間違えていたことがわかったなら、謝らなければならない。

この国は何もしない・・・。

未だに原子力をやろうとしている政府。電力会社も原子力発電をやると言っている。

福島のあまり悲惨な事故を前に、みなさんにどうしても気がついてほしい。
これまで騙されてきたことも含めて。


昨日、湘南市の市議会が上関の原発を放棄するよう知事に申し入れをすることを議会で決めたと聞いた。大変うれしい。
今後大島町がどうするか、私にはわかりませんが、本当にまっとうに生きることを考えて判断をしていただければ、原子力は即刻なくなるべきものだと思う。


終了


⑤は質疑応答部分、割愛します。


映像をUPしてくれた方に感謝の意をこめて、失礼します。