では、次に作業員の方々のことを考えます。

すでに地震発生から1ヶ月以上過ぎ、現場で作業されている方々は、極限を超えていると想像しています。

まず、最初に作業員の方々で注目されたのは、やはり2号機タービン建屋のたまり水でしょうか。
1人は長靴着用、その他2人はくるぶしまでの作業靴で浸水したタービン建屋で45分ほどの作業に当たられました。その結果、その浸水=たまり水が放射性汚染水だったことがのちになって判明(1号機の線量測量結果より予測可能だったと判明)し、さらに、監督者も同行しておらず、線量は測られないまま「独自」で判断して作業を続行したとの報道でした。

そんなわけないじゃないですか!
曲がりなりにも電気のプロが、水に浸りながら作業をすること自体、ありえない。しかも放射能が漏れているとわかっている状況の中で、独自に判断って何ですか?
どうしてもやらなければいけない作業があったに違いないんです。
現に、それ以降、たまり水問題のおかげで、タービン建屋の作業が行われたという発表はありません。

海外でどのように作業員の方々のことが報道されているかご存知でしょうか?
CNNやBBCはこぞって、「FUKUSHIMA50」と名づけ、(当初、残った作業員は50人と伝えられていたため)象徴的に報道していました。所謂、ヒーローとしてです。

しかし、日本はどうでしょうか・・・?
命を懸けて作業されている方々に対して、あんまりじゃありませんか?
確かに、人間ですから、ミスもあるでしょう。しかし、だからといって日本の未来を託している現場の方々を嘲っていい道理はありません。日本人全員が、作業員の方々の無事を祈るのが当たり前じゃないでしょうか。

その後も、被ばく線量の限界を上げて、作業時間を確保したり、また、線量計が足りなくなったからといって、代表者にしか持たせず作業させたり、さらには、その線量の数値の記録・説明がきちっとされていないのではないかといった記事もありました。
ご紹介いたします。
 http://zh.ziphilia.net/bbs.cgi/economy/1303003449/

2011年4月17日(日)「しんぶん赤旗」

大震災直後 福島第1原発構内に下請け作業員 内部被ばくか
基準の7倍超 処置されず

 東日本大震災が発生した3月11日午後に福島第1原子力発電所構内にいた作業員が内部被ばくしている疑いがあることが、 本紙が入手した内部資料で明らかになりました。

 東京電力が原子力安全協定に基づいて周辺自治体へ通報する判定基準となる数値の7倍以上に達している人もおり、 被ばくの可能性がありながら放置されている下請け労働者が多数存在している可能性があります。

 測定を受けた作業員によれば、 単位は体内から1分間に放出される放射線量を示すcpmで、 「カウント」と呼ばれています。

 備考欄の数値のうち上段のAが事後、 Bが事前で、 8人中7人はAが大きく上回り、 東電が自治体に通報する判定基準738も超えています。さらに、ある関係者は「福島第1では1500以上と測定された場合、 精密検査の対象になっていた」と証言しますが、 8人中6人はこれを超えています。 しかし、 作業員は、 数値の意味について説明は受けておらず、 何の処置も受けていないといいます。

 この申請書に記載されている作業員は3月11日まで福島第1原発の4号機原子炉建屋内で定期検査に従事していました。 同日、 作業を終えて1号機前のバス停にいたところで地震が発生。 非常呼集を受けた後、 作業は解除されました。 しかし、 同原発のWBCが壊れたため測定を受けられず、 4月6日に新潟県の柏崎刈羽原発で測定を受けました。 つまり、 大震災から4週間近くたった時点でも、 事前の数値を大きく上回ったのです。

 東電による判定基準の7倍以上となる5368カウントを計測した作業員は、 「屋内退避」圏の福島県南相馬市に住んでいます。 要介護の母親を抱えており、 自主避難が困難な状況にあります。

 この作業員は、 「長い間原発で作業をしてきたが、 こんな数値は見たことがない。 ずっと南相馬にいたから、 放射能が蓄積されたのではないか」と不安を隠しません。

検査が必要

 立命館大学・安斎育郎名誉教授の話 本来なら、 WBC測定の前後の数値はそう差がないはずなので、 この人たちは内部被ばくの疑いがある。 作業中に水のようなものが付着したか、 空気を吸い込んだ可能性がある。 便を採るなどの検査が必要だ。

資料は、 放射線業務を行う作業員の登録を解除(契約終了)するための申請書です。 備考欄に記載している数値は、 登録期間の前後に義務づけられているWBC(ホールボディカウンター=別項)の測定結果です。
以上参照終わり

一体どういうことなのでしょうか。
このような現場対応では、とてもではないですが、人は集まらないでしょう。
チェルノブイリの石棺工事には延べ80万人が動員されたと伝えられています。今回は少なくとも3基、原子炉ごと封鎖する必要があるでしょう。(4号炉はまだ未知数ですので、省きます)
日本にそれだけの人を集められるのか、甚だ疑問です。

海外に泣きつこうというのですか?そんなことをすれば、もう日本ではなくなるということです。それを他国にお願いするということは、自治権を放棄すると同様の所業といわざるを得ないと思います。

可能性として考えられるのは、自衛隊の皆さんです。
現在は、10万人体制で、地震・津波地域の捜索や復興に尽力していただいておりますが、泣きつく所は、自衛隊の皆様くらいしか、思い浮かびません。

そして、やはりチェルノブイリの経験を考えると、作業員の方々の今後の健康。想像を絶します。既に何名もの線量オーバーの方が東電会見のホワイトボードに記載されていましたが、その方々の今後を思うと、胸が痛いです。なんの言葉も掛けてあげられません。


それでも、あなたは、原発と共に生きますか?

今日のところは、この辺で。

ぼちぼちしている場合ではない。