司会:おしどりマコさんの講演会にようこそおいでくださいました。
みなさんご承知のとおり、2011年3月11日に東北大震災を私たち日本人は経験しました。その後の大震災としての津波、そして原発事故。私たち日本人、世界の人たちが未だ経験したことのない恐ろしい災悪となっております。そして、この事故は未だに何もコントロールされていないばかりか、更に危機的な状況が続いています。
みなさまご承知のとおり、この間行われた東京都知事選でのいろいろな世論調査の関心度調査によれば、原発・脱原発、この問題は東京都民の関心度第3番目になっていますね。第一番目は例えば少子化だとか、そういう問題。
ですから、どういうことかといいますと、それはメディアが操作されている、ということによって、こういう関心度が低く抑えられていることもあります。ただ、被災地の福島の声というのは、もう東京都民にまで届かない、そういう状況なわけです。
今日は、しかしおしどりマコさんの口から、実際には福島では何が起きているのか、そのことについて、まず一番最初にその当事者の声を伝えていただくということで、今日お招きして、みなさんに来ていただいているわけです。これはもちろん、こういう声がまず外国に伝わっていくということは、非常に珍しいことであるので、その意味でも非常に貴重な講演になると思っています。
おしどりマコさんは、Free Press Association of JAPAN(自由報道協会)という代表?
おしどりマコさん:理事です。
司会:理事でいらっしゃいます。この組織はそもそも日本で大震災の後に結成されたもので、今ちょっとお話しましたとおり、メディアの操作が行われている、そのメディアの操作が起きないようにメディアの操作を受けないで、正しい生の情報を伝える、そういう目的の元に結成されたジャーナリストの組織です。
おしどりマコさん:地震の少し前にできたんです。
司会:ごめんなさい。そういうことでした。偶然ながら。
おしどりマコさんは、福島の事故が起きてから、それまでは吉本の漫才「おしどりマコ・ケン」として活躍していらしたんですが、これを機に脱原発についていろいろ発言されるようになりました。それと、本業でもお呼びがかからなくなってしまった。その代わりに、でも逆にジャーナリストとしての名前が知られるようになり、そしておしどりマコさんの質問があまりにするどいので、東電の人たちもたじたじとする、それで有名になったという、そういう経歴を持ってらっしゃいます。
それで、マコさんはもちろんジャーナリストだけではなく、合わせて福島を訪れて、現地の人たちの声を伝えることもしてらっしゃいますし、それから東電の???の人たちにインタビューもして、その人たちのいろいろな情報を引き出したりもしています。
では、これからおしどりマコさんのお話を聞いていただきます。みなさんと一緒にいろんなことを考えてみたいと思います。
おしどりマコさん:Hello, everyone. My name is Mako Oshidori. I'm sorry, I speak in Japanese.
今日は皆さんとお会いできて、こうしてお話する機会を与えていただいて、本当に感謝しています。そして嬉しいです。今回呼んでいただいた協会の方々や、そしてIPPNWという核戦争防止医師会議の方々にとても感謝しています。
先ほどご紹介していただいたんですが、少しだけ訂正をさせてください。
私は実は、ここに呼んでいただいてなんなんですが、脱原発活動をしているわけではなく、取材をしているんですね。原発事故の取材や水俣病やアスベストなど、日本にはたくさんの問題があって、その取材をしています。
しかし、昨日まであったIPPNWの出席していた科学者や医者たちも言っていたんですけれども、
「自分は脱原発のactivist(活動家)ではないんですけれども、原子力に対して都合の悪い事実を研究して発表すると、脱原発の活動家と呼ばれてしまう」
と話していました。
原子力のロビーに都合の悪い事実を研究したり、記事を書いたりすると、かなり圧力がかかるのですが、それに対してくじけずにずーっと仕事を続けると、いつの間にか脱原発の活動家として見られてしまうようです。
もちろん私は原発は地球には必要ないと思っています。
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